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1641




 大きな歓声が場の空気を変えてくれそうなので、ついでにアイテムバッグからビレンとアルダを取り出して子供達に渡す。既に昼を過ぎているというのに、試合は続行しているからな。子供達がお腹を空かせてしまっている。


 歓声の方を見ると、何やら大柄な男の傭兵を、背の低い女傭兵が倒したようだ。いつの時代も小さい者が大きな者を倒すと評価されるなぁ。それぐらい背が高いというのは有利だから当然なんだが。


 とはいえスポーツならともかく、殺し合いに関してはそこまでだけど。小柄な方が体格を利用すれば、勝機は十分にある。特に武器を使って戦う以上は、大事なのは敵を殺す事だ。派手に暴れる事じゃない。



 「あの女、それなりには出来るみたいだね。といっても身体強化モドキでしかないけどさ。アタシは見てたけど、隙のあった一瞬で上手く使ってたよ。それまでは回避に専念してたから、狙ってたんだろうね」


 「そういう戦い方という事か。王女組は身体強化を使わずだからな。それでも4人の方が強いだろうが、凌がれて一瞬の隙を突かれると負ける可能性はある。うん? ……どうやら、もう1人同じ戦い方の者が居るようだ」


 「大丈夫かどうかは見守るしかないね。王女組にとったら、ちょっとした試練かな? でも、出来るだけ頑張ってほしいところだよ」



 それはそうなんだが、どこまでやれるかは未知数だな。子供達はそれなりに食べたからか、今は落ち着いたようだ。しっかし、昼休憩が無いとは……。すっかり頭から抜けていた。明日は昼の事を考えておいた方がいいな。


 そのまま試合は続き、夕方前で1日目の試合は全て終わった。未だそれなりの者が残っているが、それだけエントリーした者が多かったんだろうな。ヤシマの国の場合は5人との勝ち抜きだったので時間が掛かったが、こっちはトーナメントっぽい感じなのに時間が掛かるなぁ。


 仕方ないのかもしれないが、ここまでなら試合場を増やした方が良い気もする。それと、試合に出る連中がなかなか出てこない事もあった。出て来なきゃ不戦敗になるものの、それなりには待ってくれる。そこに時間が掛かってたりしたしな。


 まあ、初めての武術大会だし、まだ運営のノウハウも無いんだろう。そこは無理を言ってもしょうがないところだ。一日目が問題無く終わっただけでも良しとしよう。王女組もこちらに来たので、皆で食堂へと歩く。


 その道すがら、4人から試合の色々を聞くが、一斉に喋り始めるので収拾だつかない。なので1人ずつ喋らせる。



 「まずは私ですね。私の相手はそれなりに冷静な者が多かったと思います。最初の何人かは力任せでしたけど、すぐにそういう者は居なくなりましたね」


 「あれ、リンデはそうだったのかい? 私の方は力任せというか、勢い任せの者が多かったね。意外と言ったら何だけど、上手く勢いを利用して戦う奴も居て、侮れなかったよ」


 「私の方は可も無く不可も無く、そういう無難な方が多かったです。ただし、魔法を使ってくる者がチラホラと居ました。簡単な魔法ですけど、魔力を感知できないと危なかったかもしれません」


 「それは私の方にも居たな。使い慣れている魔法なのか、思っているよりも厄介だった。相手が実戦で上手く魔法を使う経験を得られたのは、むしろ良い事なのだが……。どの対処が正しかったのか分からないな」



 食堂に入り、大銅貨14枚を支払って夕食を注文する。席に座って話をするも、どのような相手だったか、どのように対処するべきだったか。そういった反省点を話し合っている。良い事ではあるんだが、少し落ち着け。


 話し合いが白熱し過ぎていたので、一旦4人を落ち着かせる。食事が来たので食べながら話し、1つ1つアドバイスをしてやる。実際に戦ってみると、色々なものが見えてきたんだろう。良い事だ。


 とはいえ、自分ならこうすると言い合っても仕方ない。それぞれの体の大きさも違えば、得意な戦い方も違う。話し合うのは大事だが、戦いに正解なんてものは有って無い。準備まで含めれば、無数に正解があるからな。


 そういうものだから、自分の正しさを言ったところで意味が無いんだ。どこまでいっても参考にしかならない。それでも明らかな間違いは指摘して正さないと、以降は間違ったままになる。だから話させている訳だ。



 「分かってはいましたが、自分がやっている事は深く突き詰めて行くと、信じられないほど大変な事なんですね。皆さんがどれほどのところに居るのか、改めて分かりました」


 「それでも多分足りないんだろうけどね。私達が思っている以上に深く、私達にはまだ見えないんだと思うよ。知る事が出来るようになると、より深さが分かるようになるってのも凄いね」


 「仕方ありません。私達はその程度であったとして、これからも修練に励むしかありませんね。命の危機はいきなりやってくる。その時に助かる為にも、実力があって悪い事はありませんから」


 「うむ。そう仰っていたな。スタンピードも少し前に聖王国で起きているが、今後も何処かで起きる可能性は十分にある。私達は主にルーデル町に居るが、大森林もスタンピードを起こさないとは言えないからな」



 リンデ達は俺達の部屋まで来て話しているが、自分達の部屋に行かなくて良いのか? お前達が行かないと、いつまで経っても暑いままだぞ。そう言うと、部屋に急いで戻って行った。


 まだまだ暑いからなあ。閉め切っていた部屋は大変な事になっているだろう。俺達はすぐに【冷風】で熱い空気を外に出すが、それをしないと大変なんだよ。ムワっと来た後、肌をジリジリ攻めて来るんだ。熱い空気が。


 それが嫌で王女組も慌てて戻って行ったんだろう。涼しい部屋から、あの空気の部屋に行くのは地獄だろうからな。それなら先に行って、涼しくしておいた方が遥かに良い。精神的にも。



 「それにしても、他人との戦いは良い経験になったみたいだね。もちろん明日もあるんだけどさ。それでも身内と魔物との戦いだけよりは、あの子達にとっては良い経験だったようだ。アタシ達には意味が無いけど」


 「それは仕方ありません。私達の領域だと、自分でどうにかするしかありませんし、基準は神様に変わりましたからね。あれだけ殺されれば、流石に理解します。自分が目指すべきものを」


 「そこに届くかは別だけどね。私もシュライアもそれぞれ別の事を教えられているから、道が違うのはありがたいよ。姉妹だから衝突する可能性もあったしね、特に私達は従者だから」



 エイダ以外は神様に鍛えられたので当然と言えば当然なんだが、基準が驚くほど高いというか、多分だけど俺と同じだろう。アレを基準にすると、下界の戦いというものが、バカバカしいお遊戯にしか見えなくなるんだよな。


 神様の領域を見ると仕方ないんだけどさ。最初のダナとの戦いはともかく、面白戦士達との戦いで何となく理解したよ。あいつらも最低ランクが7だったのにも関わらず、大した強さじゃなかったもんなー。


 おっと、子供達が舟を漕いでいる。もう限界っぽいから、今の内に布団に連れて行くか。2人を布団に寝かせると2匹も来たので、【昏睡】を使って寝かせると連れて行かれた。


 いつも通り満足させて寝かせ、部屋と体を綺麗にする。それにしても……エイダも上手くなってきたなー。サキュバスだからか、アレでの上達が皆より速い気がする。ウチの女性陣は揃いも揃って同じ方向性らしい。


 ダナとシュラがそっちだから、後は全員そうなのか? いや、メルもそうだったぞ。最初から<伝説の魔女の閨の技>とか言ってたし。となると、メルで方向性が決定付けられたって事かな。後は誰も拒否しなかったと。


 何となくしっくり来たから、コレが正解っぽいな。まあ、上達するから間違ってはないんだけどさ。……考えてないで、勾玉で綺麗にしよう。吸い込むけど連日だと少ないな。終わったから寝るか。


 今日はリンデ達も寝てるし、既に綺麗にしたからな。それじゃあ、おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 1641終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2625枚

 大銅貨990枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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