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 <異世界810日目>



 おはようございます。ガイアルム王国武術大会1日目が今日始まります。朝の日課を終わらせて、緑茶を水出ししてコップに入れる。ゆっくりと飲みながら過ごしていると、外で多くの気配が動いているのが分かる。


 こんな朝から多くの関係者が動いているらしい。武術大会に出る出場者と共に王都に来た者や、怪しい者などが居たりするからか、王軍の兵士が朝っぱらから動いているようだ。王軍兵士の鎧を着ているので、すぐに分かる。


 大変だろうが、王軍の者だとすぐに分かる装備をしているのは正しい。それそのものがバカに対する威圧になるからな。着ている本人は大変だろうけど。あくまでも胴部分だけとはいえ、鉄の鎧は重いからなぁ。頑張れよ。


 【空間把握】で見ながら心の中でエールを送っていると、ダリアとフヨウが起きた。久しぶりに1番早く起きたんじゃないかな? そう思っていると、早速近くに寄ってきて足をペシペシしてくる。


 水皿を出して神水を入れてやり、2匹と共にゆっくりと過ごす。途中、ダリアがトイレに行ったが、帰って来たら再び胡坐の中に入り込む。そうしていると皆も起きてきた。まだ朝の時間としては早い方だ。


 皆と朝の挨拶をした後は、布団を片付けたり雑談したりして過ごす。いつも通り頭が覚醒し、身だしなみ等を整えたら、送風機と冷房を仕舞って食堂へ行く。早めに行っても客が多そうだな。


 食堂に入り大銅貨14枚を支払って朝食を注文する。既に人が多いものの、まだ問題無く座れるので良かった。場合によっては全員がバラバラに座らなきゃ食べられない事もあり得る。それぐらい王都に人が集中してるようだ。


 経済効果としては高いんだと思うが、王都の許容量を超えている気がするのは気のせいか? そんな嫌な予感もしないでもない。まあ、心配してないで、さっさと食べて席を空けよう。


 朝食後、早めに会場に行く為に、南の王軍の建物へと向かう。そこの訓練場が会場となる。傭兵の試合が行われる会場だが、王軍の建物なのでそれなりに広い。俺達はそこに移動しているのだが、既にギャラリーらしき連中が居る。


 俺達は気にせず適当な場所に座り、リンデ達の応援をするのと実力者がいないか調べる事にした。試合場から少し離れた所に座っていると、早速ウチの女性陣をナンパする奴等が現れたが、殺気を向けると即座に退散した。


 傭兵なんだから、もうちょっと頑張ろうぜ? そう思っていると、ダナとシュラのファンも来た。俺はスルーし、子供達と話したり遊ぶ事にする。正直に行って面倒なファンとか相手にしたくない。ついでに狂信者も断る。


 ダナやシュラは大変そうにしているし、フォルからはジト目を向けられるが、それらの相手を俺がしても意味が無いからな。奴等は基本的に諦めないし。狂信者は特に酷い。アイツらは何もしなくても、こっちを一方的に怨んだりするからな。


 子供達を守る意味でも関わりたくないんだ。まあ、全員で固まっていれば、奴等もそこまで勝手な事は出来ないだろう。そんな事を話していると試合が始まるらしく、軍団長が出てきて挨拶をし始めた。


 挨拶が終わると4面ある試合場で試合が始まり、どんどんと勝者と敗者が生まれていく。勝った者は喜び、負けた者は悔しがるものの、次の試合では先ほどの勝者が負ける。そういった事を繰り返しているものの、強者は見当たらない。


 王女組は危なげ無く勝ち上がっており、未だに直接対決はしていない。試合場の4面でちょうどバラバラになっている。王軍が裏でそうしていると思うのだが、実際に他の傭兵よりも強いのだから仕方ないのだろう。


 強者が1回戦で落ちるというのも、盛り下がる要因になってしまうからなぁ。それに、王軍が公式な賭け事をしているみたいだし……。この辺りは国が仕切らないと碌な事にならないから、王軍がやった方が安全だ。


 それでも盛り上がるのは傭兵の戦うココだろうけどね。隠れた実力者がいれば盛り上がるし、ダークホースが出てくる可能性もある。出場者の名前が張り出されていて、その名前の書かれた所に賭ける仕組みだ。


 木札などは無く、王軍の者がどれだけ賭けたか紙に記入していく。そういう形なので、不正はし難くなっている。名前を偽って受け取ろうとするかもしれないが、それもなかなか難しい。傭兵が多いうえ、登録証を出さなきゃいけないからだ。


 試合は進んでいるが、ちょこちょこと実力がそれなりの奴等が見られるようになってきた。実力を隠すというか、勝てる実力しか出さずに勝ってきている奴等が居る。後、俺も真剣に見ている訳じゃないので、見逃がしていた。


 皆も実力が見抜けなくて難しいと言っている。理由はそこまでの実力者がいないからだ。俺がよく言う、足運びや体重移動に、重心移動や関節の使い方も未熟な奴しかいない。なので、逆に実力者が分かり辛いんだ。


 そんな事を話していると、その実力者達も簡単に王女組に負けていく。まあ、それは当然だろうと思う。時折ヒヤッとする場面はあるが、それは相手に身体強化モドキを使われた時だ。上手く隙を突かれると危ない場面は出てくる。


 それでも身体強化無しに勝ち上がっているのは、4人なら誇ってもいいと思う。これが女性陣だと駄目だ。当たり前に勝たないと、神様連中から何を言われるか分からないからな。そういう意味では立場が違うんだよ。


 そんな事を皆と話していると、ザラとエイルズがこっちに来た。2人も危なげなく勝っていく4人に安心したのか、俺達と一緒に見物する事にしたらしい。それにしても人数が多いが、どんだけエントリーしたんだよ。


 案外、名前を売りたい奴って多いのかな? 俺はそこまで居ないと思っていたんだが、名誉欲って誰にでもあるものだし……。欲の方を舐めていたのかもしれないな。



 「あ~、それはあるかもしれませんね。とはいえ、実力がある奴は相応に名誉も得てますから、そこまで気にしないのでは? となると……」


 「そこまで実力の無い者は、こういう所に出て活躍しようとするでしょうね。私達でも出場しようとは思わないんですから、実力のある者が出場する可能性は低いでしょう。妙な事に巻き込まれずに済むなら出るでしょうが……」


 「アンタ達も分かってるだろうけど、そんな事はあり得ないからねぇ……。あの4人は各国の王族だ、だから下らないバカも叩き返せるけど、普通の傭兵じゃ難しいと言わざるを得ない。それじゃあ、出てこれないからね」


 「結局のところ、クズどもの所為だと言えば終わる話ではあるのですが、あの者どもはどれだけ害悪を振り撒けば済むのか……。まったくもって面倒な連中です」


 「アレらがやる事は、何処の国でも同じ事であろうよ。言い方は悪いが、ある程度の贅沢を許容する代わりに、土地を治めろと言うておるのが国だ。だが、あやつらは直ぐに欲に溺れる。土地を治めるから許容しておるというのにだ」


 「いつも言う事だけどね、それが分かっているなら貴族じゃないんだよ。ほんの僅かに分かっている奴も居るけど、大半は理解していない。自分達が持つ、当たり前の特権だとでも思っている。それが貴族というものさ」



 周りでエイダとアルメアの話を聞いていた傭兵も、何となくは腑に落ちたみたいだ。少なくともエイルアーダ皇国もそうだが、ここガイアルム王国も同じなんだろう。アルメアが肯定しているって事は。


 貴族に土地や人を治めさせる褒美としての、収入であり贅沢である訳だ。その収入で見栄を張ったりするんだが、主客逆転が起きていて、見栄の為に土地や人に重税をかけるようになる。それは本末転倒なんだよ。


 そしてアルメアが言ったように、自分の土地に重税をかけて何が悪いと思うようになる。自分が持つ当然の権利のように思う訳だ。もちろんだが、国はそんな事を認めていない。土地と人を治めるからこその報酬なんだ。本来は。


 こんな所で話す事じゃないんだが、空気が変わってくれない。俺達が微妙に困っていると、大きな歓声が聞こえてきた。良かった、空気が変わりそうだ。



 ▽▽▽▽▽


 1640終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2625枚

 大銅貨1004枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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