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 「やあ、久しぶりだね。私の所にリンデや三国の王妹殿下や皇女殿下が、我が国の武術大会に出場するとかいうとんでもない情報が上がってきたんだよ。それで慌てて確認に来た訳さ」


 「そうなのですが、それは姫様よりお聞きしました。傭兵として通常の手続きをされておられる以上は、我等には嘴を挟む事など出来ませぬ。しかし姫様よりお聞きしたところ、他国の建国女王が来訪されておられるとか……」


 「ああ。何で俺達の所まで来たのかと思ったら、エイダに会いに来たのか。もしくは話を聞きに来たのかな? まあ、どっちでもいいが。あそこに居るのがエイダだよ」


 「私がエイルアーダ皇国の初代であり建国女王の、エイルアーダ・ユル・ディカストルだ。私は元々サキュバスの不老長寿でな。前の国の圧政を打倒し、新たな国を作る為に利用されたに過ぎんよ」


 「私はガイアルム王国の王太子、クリストフ・ラムド・ガイアルム。宜しくお願い申し上げる。他国の初代である建国者にお会いするなど初めての事で、少々戸惑ってしまうな」


 「私はガイアルム王国近衛騎士団において騎士団長の位を頂いているライブルと申します。建国された方に御会い出来るなど、光栄の極みでございます」


 「そこまで言われずともよい。私は元々町娘で、愚王を倒した後で祀り上げられただけでしかない。周りの者は王などという面倒な事はやりたくなかっただけよ。だからこそ、碌に物も知らぬ小娘にやらせようとしたのだ」


 「「………」」


 「王太子殿下もライブルも何も言えないようですが、これが現実というものなのでしょうね。そしていつしか建国された方は素晴らしかっただの、神に愛されていただのと書かれて残るのでしょう」


 「リンデの言い方は酷いけど、事実はきっとそんなものなんだろうね。我が国の建国者も果たして本当はどうだったのやら。別に価値が下がる訳じゃないけど、せめて王族には正しい事を残してほしいもんだよ」


 「さて、そなたの国の建国者は素晴らしい者だったのかもしれんぞ? 可能性は低かろうがな。それでも建国者は、後に続く者全ての大元だからな。権威と権力の象徴でもある。傷付ける訳にはいかんのだ」


 「それはそうですね。傷が付けば今の体制すら崩壊しかねません。それをして得をするのは他国だけです。自国は何一つとして得をしないですし、損しかありませんからね」


 「それは己の国の根幹だからな。アルド殿が立派なのは建国者だけで、後の者は成り上がりだと言っておられたが、それは本当に正しいのだな。そして歴代の王も功績があって王なのではない、血筋だから王なだけだと……」


 「正しくは、王になれるだけの功績を挙げてないと言ったんだよ。初代は自分の実績によって王になっているが、それ以降は初代の血筋だから王になっているだけ。言うならば仮の王でしかない。実績を挙げれば本物の王になれるだろう」


 「アルド。それってさ、建国王と同じぐらいの事をしないと認められないんじゃないかい? ………だよねぇ。となると、2代目以降は仮の王以上には成れないのか。まあ、仕方ないとは思うけど」


 「ですね。母は吸血鬼族の始祖ですが、母以外が始祖になる事はあり得ませんし、母以上に崇められる者もいないでしょう。初代というのは、そういうものなんですよ。きっと」


 「それよりも、王太子とライブルはエイダとの面通しに来ただけなのか? それとも他に何か用事があって来たのか?」


 「そうだった。君達に聞きたいのだが、リンデの実力だと何処まで勝ち上がるのだろうか。もしかしたら優勝まで勝ち上がってしまうのではないかと思って、君達に聞きにきたのだ」


 「何だか王太子殿下の仰り方だと、勝ちあがっては困るという風に聞こえるわね? 私の気のせいかしら……?」


 「いえ、それが間違ってもおらぬ訳でして……。実は優勝後の4組が集う試合は、陛下も御覧になる御前試合なのです。そこで姫様を御覧になったら陛下の事です、また王城に戻そうとするかもしれません」


 「「「「「「「あ~………」」」」」」」



 成る程なあ、その事をすっかり忘れてたよ。……っていうか本気で忘れてたわ。王が二代目の王妃のファンで、肖像画によく似ているリンデを溺愛してるんだっけ? 本当に何を考えているんだか。


 リンデもガックリきているというか、項垂れてるぞ。何だか哀愁を感じる背中だな。それはともかくとして、リンデ達以外が優勝するか、それともリンデ以外が優勝して御前試合の会場に行かなければいいだけじゃないのか?。



 「ああ。それが一番良いのだが……だからといって妹にワザと負けてくれとも言えない訳でな。陛下もアレさえ無ければ……いや、ここで愚痴を言っても仕方ないな。それよりもリンデ。優勝するのはいいが、気を付けてな」


 「ああ、はい。王太子殿下のお話を聞いてから、一気にやる気が無くなりました。何と言いますか、適当でいいかなと今は思っています。他の方に頑張っていただきましょう」


 「完全にリンデのやる気が無くなってるねー。まあ、私も話には聞いてるから、私とは正反対で大変だと思うけどさ。王女として利用されるだけなのも、娘として愛されすぎるのも大変だよ」


 「娘として愛しているというより、娘が憧れの女性に似ているという事でしょう? 何だかちょっと違うような気がするのですが……」


 「「「「「「「「「「………」」」」」」」」」」



 キューレの一言によりバカバカしくなったので話を終え、王太子とライブルは帰って行った。それにしても、またもや王が暴走してるのか? その割には、この国の王はリンデを外に出すのを認めているんだよな。


 何かチグハグで変な感じがするが、王太子やライブルが頑張った結果だというなら大いに納得はするけども。それよりも、そろそろ夕食の時間だから食堂へ行くか。そう言って、お腹を空かせている子供達を連れて行く。


 大銅貨14枚を支払い夕食を注文したら席に座る。女性陣は王太子やライブルが冷静を装いながらも、チラチラとエイダを見続けていた話をしているようだ。流石の王太子も冷静では居られなかったんだろうな。


 同じレベルのイデアさんは男の子だから問題無かったが、エイダは女性だからな。男に対する破壊力は極めて高い。じゃあ、お前は何なんだよと言われそうだが、俺は性欲をコントロールできるからなぁ。例外かね?。


 男から見た女性の魅力って、性欲と関わりが深いんだよ。女性は別だが、男性の場合は本能というかDNA的にそうなる。子孫を残すという生物の根幹部分に関わりがあるからだろうけど。


 それは横に置いておくとして、さっさと運ばれてきた食事を食べよう。子供達はすでに食べ始めてるしな。


 夕食後、宿の部屋に戻って送風機と冷房を設置して起動する。明日から武術大会が始まるが、実際にどこまで勝ち上がれるんだろう。皆はその話で盛り上がっているが、そこまで強い奴の話も聞かないし、結構行くんじゃないかな。


 幾ら身体強化を使わないからと言っても、それなり以上に経験はしてきている筈だ。ウチの女性陣より弱いのは事実だけど、それは比べる相手が悪過ぎるだけだ。普通の傭兵と比べれば十分に強いと思っている。


 ただ、人間種との戦いは多くないんだよな。魔物と違う戦いに、どこまで対応出来るのかで勝敗が決まるだろう。それも明日になったら分かるか。エントリーした数によっては大変な事になるかもな。


 次の試合が2時間後とか普通にあるかもしれない。土の季節の刈り入れ前のイベントになりそうだけど、丁度良い時期なのかね? 武術大会で騒いだ後、農家にとって待望の刈り入れ。お祭り騒ぎが続くなぁ。


 そんな事を考えていたら連れて行かれたので、子供達と2匹に【昏睡】を使って寝かせる。女性陣も大満足させて寝かせ、体と部屋を綺麗にしていく。


 勾玉で邪気を【浄化】したら、俺もさっさと寝よう。今日も一日お疲れ様でした。



 ▽▽▽▽▽


 1639終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2625枚

 大銅貨1018枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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