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 宿に戻り、食堂で女将さんに大銅貨14枚を渡し夕食を注文する。席に座ってゆっくりしていると、近くの席で傭兵が話をしているのが聞こえてきた。



 「そろそろ武術大会とやらが始まりそうだが、お前は誰に賭けるか決めたか? 俺はあんまり詳しく無いし分からないから諦めたよ。王国に名のある奴なんていたっけ?」


 「そもそも名のある奴が出場するかどうかも分からねえっていうのに、賭けもクソも無えよ。アイツらは何を考えてやがるんだ? どう考えたって賭けが成立しねえだろうに」


 「確かにな。出場者が分からねえんじゃ賭けも出来やしない。こんな田舎じゃ仕方ねえさ。むしろアレだ。近衛、兵士、傭兵、一般。誰が一番強いかを賭けたら良いんじゃねえか? それなら出来るだろ」


 「出来るだろうがよ、近衛が一番人気で終わりそうな気がするぜ? 本命が近衛、対抗が兵士で、穴が傭兵か。一般は流石になぁ……。何で一般の枠を作ったのか分かんねえけど、可哀想になってくるぜ」



 言いたい事は分からなくもないが、世の中には怪物が隠れてたりするからなぁ。そういう奴を表に出す為だと考えれば分からなくもない。言葉は悪いが賞金で釣ると考えれば、今まで隠れていた無名を発掘出来るんだ。むしろ安いかもしれない。


 案外本人も気付いていないだけで、強い奴とか居るかもしれないしな。そういう奴が村の為に出て賞金を手に入れる。仮に優勝出来なくても近衛や王軍の目に留まると……。そういう意味で考えると武術大会は間違っていない。


 とはいえ、今までそれをしてきた帝国があの程度なので、効果の程は難しいところではある。王国と帝国は違うし、王国の武術大会は一般人の参加が無料だ。実力のある一般人が来る可能性はある。


 それに王国の上層部からすれば、別に才能有るような奴が来なくてもいい。体格が良かったり体力があったり、鍛えれば強くなりそうな奴を王軍にスカウト出来れば十分だろう。それぞれの立場で見ているものは違うだろうしな。



 「まあ、そうだね。近衛や王軍の連中は、アルドの言うような物の見方をしてるだろうさ。当たり前の事ではあるし、軍が精強になるのは国にとって良い事だからね。それより傭兵枠は……」


 「実力者を燻り出す為か、それとも”使えそう”な者を探す為か……。どのみち、そこはそれほど期待していないのではないか、そんな気がするんですけどね。発掘の本命は一般枠でしょう。傭兵は自由民ですから」


 「一般枠の人達は誘えば軍に入ってくれそうだものね。それに比べて傭兵は自由民だもの、断られて終わる可能性が高いと思うわ。当然ながら王太子殿下も、そんな事は予想しているでしょう」


 「だろうね。彼は国政としての立場で物を見なければいけないから仕方ないんだけど、純粋に楽しむのは難しいだろうね。それでも見学するのであれば、その間は楽しめるんじゃないかな? 彼女達も出るし」


 「王太子殿下が傭兵枠の試合を観戦するのは難しいと思うがな。私は近衛の試合を観戦し、周りをガッチリ近衛に囲まれていると予想する。そして隣には近衛騎士団長が居るだろう」


 「何だろう。いつもの並びな気がするのは僕だけかな……? そう思えるぐらい近衛騎士団長と一緒に居るよね、王太子殿下って。馬鹿な子なら、あの二人で良からぬ妄想をしかねないよ」


 「どちらが受けでどちらが攻めか、というアレですか? そういう風に男性を見るのは、あまりいい事とは思えませんけどね。バレなきゃいいと思うのかもしれませんが、バレたら大変な事になると思いますけど……」


 「変な趣味や性癖の奴なんて、どんな奴でもバレたら悲惨だよ。それでも性癖の方がまだマシかなぁ……とは思うけどね。盗賊団の頃、赤ん坊みたいに甘やかされるのが好きな奴とか居たよ」


 「それは……どうなんでしょう? 流石にどうかと思いますし、それは色々駄目な気がするのですが……。性癖だと仕方ないのでしょうか?」


 「リンデだって色々アレだから、あまり他人の事は言えないと思うけど? 相手がダメになっても攻め続ける鬼畜じゃないか。私が何回酷い目に遭わされたのか忘れたのかい?」


 「………」


 「昼もアルメアが言ってたけど、別にアンタ達の夜がどうかなんて聞きたくもないんだけどね? 王女や皇女の立場は忘れないようにしなよ。その為に4人で集まってるんだろうに」


 「「「「………」」」」


 「ザラ、エイルズ。この4人は随分緩んでいるようですが、大丈夫なのですか? 貴女達で止められないという事なら、あの子に言っておかなければいけませんからね」


 「いえ、特にそこまでではありません。正直に言って流石王族と言えるくらい、いつも外面は完璧なんです。皆さんが居るからこそ羽目を外しているような感じですね」


 「私も同じ意見です。言葉は悪いかもしれませんが、皆さんが居るからこそ気にせず話せると言いますか、自分達への注目が減ると言ったところでしょうか。皆さんの方が目立ちますので……」


 「ああ、そういう事ね。特に今はイデアもエイダも居るもの。目立つというか、注目されるのはそちらが先でしょう。で、自分達は注目が減るから少々羽目を外しても問題無いと……」



 王族を外れても注目されるけど、俺達が居ると注目度はかなり減る。それが楽であり、ついつい緩んだというところか。きっと本当の意味で注目が減るって事が、滅多に無いんだろうな。そのストレスから解放されたって事か。


 夕食後、部屋に戻って送風機と冷房を設置して起動する。布団を敷きながら王女組の心労について話すと、仕方ないという意見と同情的な意見とに分かれた。仕方ないと言っているアルメアも同情はしてるんだけどな。


 傭兵になっているので、ある意味では王城以上に好奇の視線に晒される。とはいえ、それは4人が選んだ道だ。甘んじて受け入れるしかない。それがアルメアの意見なので、皆もよく分かっている。


 子供達と久しぶりに神経衰弱をしているが、久しぶりだからかイライラが抑えられなくなってるな。俺はいつも通り覚えにくい場所を裏返しているだけだが、同じ札を裏返したりして蓮が勝手に失敗している。


 イデアに交代したものの、こちらも変わらず上手くいかない事でイライラが募っている。それでも必死に深呼吸して抑えようとしているのは流石だ。蓮は最後にはギブアップしたからな、イライラが限界に達して。


 今はダリアをモフってストレス解消をしているが、ダリアさんが若干迷惑そうにしてるぞ? モフるならちゃんとモフりなさい。そうそう、それならダリアも嫌がらないから大丈夫だ。


 イデアは何とか終わらせたが、何度も失敗して苦労したので1回で終わるようだ。今はミニゴーレムで遊んでいる。頭を空っぽにしたいんだろう。好きに遊んでなさい。


 女性陣の話し相手にさせられたので雑談していると、子供達の電池が切れていたので布団に寝かせる。寝ていた2匹も子供達の横に寝かせ、【昏睡】を使うと連れて行かれた。


 今日は【精気】のみで納得するまで付き合ったので、ストレスは大きく減っただろう。部屋と体を綺麗にして、勾玉で邪気を【浄化】する。俺も布団に入り目を瞑ると、他の部屋は綺麗に出来なかったのでさっさと寝よう。


 今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界808日目>



 おはようございます。本日は王都への移動日です。締め切りは明日だと聞いているが、今日である可能性も否定できない。聞き間違いというか、ヴェルが勘違いした可能性もある。明日は会場の設営とかで無理だ、そう言われる可能性もゼロじゃない。


 なので今日中に王都に着いて、さっさと王女組の登録をしておこう。ジャン達はルーデル町に残って出る気は無いそうだし、ルタ達5人組は何処に居るのか知らない。アルエル達5人組の場所も分からないな。


 アイツらは出るんだろうか。どっちでもいいような気もするが、ルタ達はともかく、アルエル達は面倒臭がって出ない気もする。特にロロットとマロットは出ないだろう。


 とりあえず朝の日課は終わったので、食堂に下りるか。



 ▽▽▽▽▽


 1635終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2628枚

 大銅貨1102枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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