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 王女組もジャン達も真剣に話を聞いている。自分達が殺されるかもしれない。その可能性が高まった以上、真面目に受け止めるのは当たり前だ。そもそも身体強化を自分達だけのアドバンテージと考えていたのが間違いだと言える。


 俺は近衛に教えたし、そこから広まっていくとは考えなかったのだろうか。もちろん練度が違うし、邪生の心臓を食べてない連中が相手だ。そういう意味では圧倒的に有利だろう。だが、どんな事でも慢心したら駄目だ。それだけで死亡確率は跳ね上がる。


 そんな事を話しながら宿へと戻り、食堂で夕食を注文する。大銅貨14枚を支払って注文したら、席に座ってゆっくりと休む。ジャン達も注文しているが、そういえば家に戻って食べないのだろうか?。



 「ウチの家族も家で料理したりしませんよ? 薪代が勿体ないですし。基本的には別の食堂に行っていますね。たまにここで一緒に食べますけど、村に来た頃に行っていた食堂に今も行っています」


 「他にも食堂があったのか……って、よく考えたら当たり前か。それはともかく、そっちの常連だから通ってる訳な。……え? 違う? ……ああ、安くてボリュームが多いのか」


 「ああ、あっちの食堂か。あそこは確かに安くて量が多いね。トーカの宿に比べて多少だけど、あっちはそれが”売り”だからね。どのみちトーカの旦那は、この町で1番の料理人だ。だから他の店は別のものを売りにするしかないんだよ」


 「まあ、そうでしょうね。とはいえ、この宿の料理も料金は普通ですから対抗する方法はそれぐらいですか……。男性や子供は、お腹いっぱい食べられた方が喜ぶでしょうからね。量が多い方が良いでしょう」


 「そうなのよ。あっちは食料店で余った物とかをね、色々と安値で卸してもらってるの。食堂の値段や量に還元されてるから、誰も文句は言わないわ。それで助かってる町の者も多いし」


 「だろうね。自分本位だと何故あそこだけ、と思うだろうけど、食堂という皆が恩恵を受けられる所なら黙るさ。言葉は悪いけど、自分も恩恵を受けられるなら口を噤むのは、人間種にとって当たり前の事だよ」


 「まあ、誰だって損はしたくないのだから、当然と言えば当然なのだがな。それはともかく、食事が来たのでそろそろ食べよう」



 皆は運ばれてきた料理に手をつけていくも、俺は一応警戒している。エイダに対する注目が激しいので、何かある可能性もあり警戒しているのだが、どうにも判断が付かない。大抵は欲情と嫉妬だと思うのだが、多過ぎて明確に判別できないのだ。


 困ったなと思いながらも、警戒は出来る限り行う。イデアに対する視線もあるので、それも含めて警戒はしている。実際、エイダの次にオーラがあるのがイデアだから当然なのだが。


 食事後、部屋に戻ってようやく一息吐く。意外に気を張っていたのだなと思うと同時に、注目も少しずつ薄まっていくだろうとも思っている。イデアの時も、日を追うごとに注目が減っていったのは事実だ。


 今回はエイダが注目されているので、それに便乗する形で復活しているが、それも徐々に減るだろう。そもそも子供に対して嫉妬とか、美人に対して嫉妬とかしても仕方がないだろうに。面倒くさい連中だよ、まったく。



 「仕方ないさ。嫉妬ってそういうものだしね。それにアルドの言う通り、毎日過ごしていれば注目はどんどん減るさ。今は美人が居るから騒がれてるけど、それが当たり前になったら注目もされなくなるよ」


 「そうですね。そうなるまでに多少掛かるくらいです。そもそもこの町の者はアルドに手を出さないでしょうし、私達にも手を出さないでしょう。どうなるかは分かりきっていますし」


 「それでも魔が差すという事はあるわよ? 結果として聖人にされるでしょうけど。それでも可能性がある事は考慮しておかないといけないわ。それに、エイダは男女関係無く魅了するから惑わされるのも多そうね」


 「エイダの所為じゃないけど、あそこまで注目するのも凄いよね。あたしは見慣れたっていうか、最初からそこまででも無かったけど、エイダの持ってるオーラの所為なのかな?」


 「ああ、そっちで注目が増えているって訳ですか。まあ、分からなくもありませんが……どうなんでしょう? エイダも自分自身の事は把握できていないみたいですし、難しいところでしょう」


 「邪生の心臓で強化されてるし、角の所から湧き出てるオーラも初めて会った頃には無かったもんね。無かったというか、感じないほど小さかったのかもしれないけど。今はハッキリ分かるくらいまで増大してるし」


 「それでも唯の村人とか、程度の低い者には感じ取れないだろうけどね。私達は主様に鍛えられて色々な物を感じ取れるから分かるけど。魔力と何かが混ざったオーラ何だとは思うけど、もしかしたら念力かな?」



 皆は色々話して予想し合っているようだ。ちなみに答えは3種複合となる。要するに魔力、闘気、念力が混ざったオーラだな。魔力が1番多く、次の念力、そして闘気が1番少ない。


 とはいえ、元々の【誘惑】の効果を補助するものだと言えるので、そのうち町の人も慣れて気にならなくなるだろう。漏れ出ているオーラ自体は漏らさないように訓練すればいいんだが、そもそものエイダの美貌は隠せない。


 なので、注目を浴びたりするのは仕方がないと言える。そんな事を話して聞かせると、エイダも皆も納得していた。それでも注目が減るならとエイダに頼まれたが、基礎練習が先だ。


 魔力、闘気、念力の複合である以上、それぞれを十全に扱えないと無理だ。一朝一夕に出来れば誰も苦労しない。そう言って、明日の練習も気合いを入れてやるように促す。


 ふと見ると、そろばんで学んでいた子供達が舟を漕いでいた。子供達のアイテムバッグに仕舞ってやり、布団に運んで寝かせる。既に寝ている2匹も左右に寝かせ、【昏睡】を使うと連れて行かれた。


 ゆっくり丁寧に優しく撃沈し、寝かせてから体を綺麗にしていく。終わったら勾玉で邪気を【浄化】し、周辺を探る。こちらに悪意と敵意を向けてくる者は無し。やっぱり単なる嫉妬だったか。


 それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界806日目>



 おはようございます。今日も子供達やエイダの訓練の日です。一朝一夕では上手くならないが、増大した力を上手く操れるようになってくれないと困るからな。少しずつでも進ませないと。


 朝の日課を終えて、食堂へと移動する。緑茶を水出しで淹れてコップに注いでいると、イデアが起きてきた。起こしてしまったかと思ったが、急いでトイレに行ったので、起こしてしまった訳ではないようだ。


 スッキリした顔でこちらに来たので、コップに緑茶を入れてやる。イデアも普通に飲めるんだよなー。子供は苦いのを嫌う筈なんだが……やはり神水などの影響で違うんだろう。たまには普通の水で、苦味と渋味のお茶を飲もうかな?。


 そんな事を考えながら2人で過ごしていると、女将さんと女性従業員がやってきた。2人はこちらに来たのだが、どうやら女将さんは話をしに、女性従業員は朝食の説明に来たようだ。なので女性従業員に銀貨2枚を支払っておく。


 女将さんは「いいのかい?」と言ってきたので、銀貨が大量に余っているから使わないと減らない事を伝える。女将さんは何とも言えない顔をした後、首を左右に振り、考えるのを止めたようだ。


 2人に神水を出して飲ませていると、部屋からエイダが下りて来た。そのままトイレに行ってしまったが、女将さんも女性従業員も見惚れている。昨日も一昨日も見た筈なのに、やはり注目というか魅了されている気がするぞ?。



 「あそこまで美しい人だと、普通は嫉妬も起きないよ。サキュバス族の不老長寿って聞いたけど、神様に加護を受けたサキュバス族ってトンデモないよ。アルエルちゃん達も綺麗だったけど、あの人は桁が違いすぎてねえ……」



 横で女性従業員もウンウンと頷いているが、女将さん達から見てもそこまでなんだなぁ……。そして同レベルのイデアさんは我関せずと。



 ▽▽▽▽▽


 1632終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2628枚

 大銅貨1172枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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