1630
現在【空間把握】を使って確認しているものの、内容がよく分からない。声が聞こえない訳ではなく、何でこいつらは揉めてるんだろう? 簡単に言うと、払う金額が高いという事だ。……ん? 分からない?。
払う側が金貨を出しているが、娼婦の側が銀貨3枚だと言って揉めている訳だ。娼婦の側は決まっている金額以上を貰うと問題があるのか、それとも娼婦の矜持として銀貨3枚だと言っているんだろう。
男の方は娼婦相手に格好をつけたいのか、それとも相手の娼婦の気を引きたいのかは分からないが、頑なに金貨を支払おうとしている。それが平行線として続いている訳だ。宿で揉めるなよ、とは思うのだが、介入する気にもならないしなぁ。
あ! 結局、男の方が折れて銀貨3枚を払って出て行った。そうだぞ、娼婦は次の客も相手にしなきゃならないからな、揉め事を起こされても迷惑なだけだ。気を引きたかったのか、格好をつけたかったのかは知らないが、迷惑をかけてる時点で駄目だぞ。
どうやら解決したみたいだし、さっさと寝るか。それじゃあ、おやすみなさい。
<異世界805日目>
おはようございます。今日もエイダの訓練の日です。強くなる為には時間が掛かるが、昨日も【忘却】と【集中】を使いながら教えていた。なので、今までの悪い方法を忘れ、正しい方法だけ覚えていっている筈だ。
長い時を掛けて間違っている方法を覚えてしまっているので、忘れさせる必要がどうしてもある。とはいえ、エイダは戦闘が得意ではなかったのでマシな方だ。ダナやシュラは特に自力で直させるしかない。
あの2人は俺に会うまでに覚えたものが多過ぎて、技を使って忘れさせるとおかしな事になりかねないぐらいだった。それに自力でやらせた方が絶対に良い。その方が2人は身につきやすいうえ、何処が間違っているかも理解しやすいんだ。
エイダくらいだと、基本部分は強制的に覚えさせた方が早いとも言える。だから他の者と同じく忘れさせて強制的に覚えさせている訳だが……。アレだ、普通に成長させるのと、促成栽培の違いみたいな感じだ。自力で普通に成長した方が良いのは間違い無い。
朝の日課を終わらせて、食堂で水出しの緑茶を飲みながら暇潰しにそんな事を考えていたら、女将さんが来たので薬と大銅貨14枚を渡す。子供の事もあるので保険として飲んでおいてほしいと言い、神薬をコップに入れて渡した。
女将さんは半信半疑ながらも素直に飲み、何も無かったらしく平然としている。何処かが強制的に治って痛いとかも無いらしい。良かった、良かった。その後は神血をコップに入れて、神丹を飲ませる。こちらも半信半疑ながら飲んでくれた。
女将さんには口直しに、残っていたアルダを【粉砕】してアルダジュースにして渡しておく。それを飲みながら先ほど飲ませた3つの話をする。女将さんは仰天し、本当に良かったのか何度も聞いてくるが、余っているので問題無いと話しておいた。
更にダナやシュラにも聞いたが、2人も女将さんに飲ませる事を否定しなかったと話しておく。女将さんも2人がOKを出したならと納得したらしい。そんな事を話していると、旦那さんと息子さんが揃ってこっちにやって来た。いったい、何だ?。
2人にも神薬を出して話を聞く。女将さんは微妙な顔をしたが、2人には何も言わなかった。旦那さんと息子さんの話を聞きながら、神薬を飲んだ後は神血と神丹も飲ませた。2人が聞きたかったのは他国の料理とセン麦に関してだった。
他国の料理に関しては、向こうの米であるライを使った物以外こちらと大して変わらない事を伝え、ライに関しては粉にして使われるか粥にするぐらいだった。サンズ王国もそうだったが、煮込んで粥にするパターンが多いなぁ。
流れとしては仕方ないのか、それともその方が簡単に料理出来るからか。どちらかは分からないが、そんなところだろう。2人は聞きたい事も聞けたからか、すぐに厨房に戻って行った。俺としては根掘り葉掘り聞かれても困るんだが、諦めるしかない。
聞きやすい相手が俺だけなんだろうし、俺も覚えている事は答えるだけだし。後は料理人の創意工夫に任せよう。そう女将さんと話していると、皆が下りて来た。朝の挨拶をした後、女将さんが神薬の話をして皆は構わないと言っていた。
お腹の子にも影響を与えるだろうが、神の名を関する薬が悪影響を与える事は絶対に無い。ただ、良い影響を受け過ぎて産まれてくる可能性がある。その事は伝えておいた。女将さんは何とも言えない顔をした後、深い溜息を吐いたが納得はしたようだ。
「まあ、良いじゃないか。トーカだって無事に産まれてくる事を願っているだろう。言うなれば、アタシ達からの早すぎる”お祝い”みたいなもんさ。プレゼントなんだから素直に受け取ればいい」
「そうですよ。私達も不幸は聞きたくありませんからね。それならば先に渡しておくくらい、大した問題にはならないでしょう。ちょっと全ての怪我や病気が治るくらいです。効き目は少々強いかもしれませんが、そんなものです」
「後は3日は最高の状態が続くのと、全ての才能が開花するくらいね。深く考える必要は無いのよ。3日しか続かないし、努力しなければ意味は無いもの。子供にも教える必要は特に無いわ」
「結局のところ才能があって開花していても、努力しないと意味が無い。宝の持ち腐れにしかならないんだ。ならば飲ませたところで、そこまで大きな意味は無いんだよ。ここの料理が美味しいのも、努力の結果で間違い無いんだ」
「成る程、そんなものなんだね。こう……飲んだら何でも出来て、凄い人になるのかと思ったよ。とはいえ、努力をしなきゃいけないなら、そもそも飲んだ意味はあるのかい? 効果がよく分からないんだけど……」
「簡単に言うと、才能が開花した状態なら、やってみれば才能が有るか無いかは直ぐに分かるんですよ。少しの努力ですぐに上手くなるなら才能が有る。頑張って努力しても駄目なら才能が無い。それが明確に分かるようになるって事です」
「へー、そういう物なんだねぇ……。才能が無いものを無理に努力するより、才能が有るものを努力した方が良いか。考えたら当たり前だね。才能が無いんだから、どれだけ努力しても限界があるのは間違いない事か……」
「トーカは飲み込みが早くて助かるよ。アタシ達不老長寿なら気にしなくてもいいんだけど、トーカ達は寿命があるからねえ。足踏みしたって仕方ないだろう? なら早めに見切りを付ける為にも必要さ」
「ふむ。自らの才能があるものであれば、少ない努力で一気に上達するのか。どのみち旦那様が言う、<極限>。またはそれに近い領域になると、才能があっても大変なんだろうがな。それは致し方ない事か」
「それは当然さ。アルドが言う<極限>って、神様の領域に限りなく近いものだよ? そんな所に才能だけで辿り着ける訳がないさ。そんな事はあり得ないよ。そもそも極限に辿り着く事自体、無理なんじゃないかって思うし」
「ですね。不老長寿の私達でも辿り着けそうにないですし、其処に辿り着ける才能が有る者は、きっと歴史上でも僅かにしか居ないんでしょう。そもそも辿り着いて何の意味があるのかと問われたら、返答に困りますしね」
食事も終わったので会話を切り上げ、部屋を片付けてから訓練場に行って昨日と同じように練習を始める。エイダもそうだが、蓮もイデアも真剣に練習をしている。【集中】を使っている事も大きいが、それ以上に本人達の資質だろう。
女性陣は王女組に戦闘の指導をしているが、王女組は叩かれてばっかりだな。木剣でバシバシ叩かれているが、アレじゃ仕方ない。身体強化は教えたし体の動かし方も教えたが、それだけと言ったらそれだけだとも言える。
剣の振り方も、相手の動き出しの読み方なども教えていない。まあ、アレらは自分の感覚が重要な部分でもあるので、何度も繰り返し練習するしかないんだが……。身体強化を使わないなら、回避術の方が重要かな?。
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1630終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2906枚
大銀貨1713枚
銀貨2630枚
大銅貨1200枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




