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 昼になってやっと起きてきたリンデ達に話を聞く。先ほどの武術大会の事なんだが、リンデ達が知らなければ聞いても仕方がない。知っていると助かるんだけど、知ってるかな? まあ、まずは聞いてみよう。



 「我が国の武術大会ですか? 今までは細々と言いますか、近衛の剣術大会はあったのです。それは近衛の強さをアピールするのが目的だったのですが、弟が1歳になりましたので、それを記念して幅を広げる事にしたそうです」


 「そういえば忘れてたけど、あの子は妊娠してたんだっけ? もう生まれてたんだね。で男の子って事は、リンデは戻らない事が確定したって訳かい? ……まあ、そうだろうさ。まだ病気などの可能性もあるから仕方ないよ」


 「それに関しては、私達も出るかどうしようか悩んでいるんだよ。実は、騎士枠、兵士枠、傭兵枠、一般枠の4種類があるらしいんだ。で、そこで優勝した4人が中央の近衛騎士団の本部で戦う形だそうだよ」


 「何故悩む必要があるのです? リヴィアーテ。貴女達が出たいならば出れば良いでしょう。どちらにするも好きにすればいい事です。悩む必要など無いでしょうに」


 「そうなのですが、武術大会は1人1人であってチームではないんです。私達が出場した場合、私達が潰し合いをする事にもなりかねず……とはいえ、誰かが出るなら皆も挑戦したいですし」


 「潰し合いをすればいいじゃないの。それでまた、自分の弱点も見えてくるものよ? 貴女達の場合それなりに強いのだから、そろそろ自分の弱点と正しく向き合う頃でしょう」


 「ふむ。確かに言われてみれば、いつも連携して戦う故に個人の粗が見え難いのかもしれん。ソロになって初めて露呈する弱点も無いとは言えない以上、ここは挑戦するべきか。その場合は身体強化は無しだな」


 「そうだね、そうするといい。身体強化も頼り過ぎては駄目だ。私達が最奥で戦った相手の中には、正しい身体強化を使ってくる相手が居た。それも練度は私達以上だ。その戦いでは、武具が良かったから勝てただけという屈辱的な勝ちになったよ」


 「「「「「「………」」」」」」


 「それが事実だ。あの戦いは私達の慢心を壊してくれた貴重な戦いでもあったので、良い出来事ではあるのだがな。同じ最奥のボスはその後、もう1度出てきた。結果から言えば、2度目も武具の良さで勝てただけだ」


 「冗談だと言いたくなりますけど、ディアーナ様も冗談の様な感じじゃありませんし……。そこまで強いのが出てくるんですか。………え? 鬼神? ……いやいやいやいや、冗談でしょう!?」


 「とある神話に登場する、鬼の神を模した者……ですか。布を纏い手足に輪を着けている? そんな装備しかしていないのに、シュライア様やアルメア様以上の身体強化で襲ってくると。挙句に空を飛んでくる? 意味が分かりません」


 「その話は横に放り投げておいてくれ。それより、今年から武術大会が行われるなら、お前さん達も看ておこう。参加するか参加しないかは好きにすればいいが、ズレは直しておいた方が良いからな」


 「それはそうですね。では、宜しくお願いします」



 既に昼食は終えていたので、王女組を連れてゾロゾロと歩いて行く。流石に王女組の事は知っているのか、誰も声を掛けてこない。そう思っていたら、事ある毎にボコボコにして黙らせたらしい。


 実は1番情け容赦が無かったのはキューレだったらしく、王女組の中でも驚きだったらしい。ボコボコにし過ぎて周りに止められた際に、「頭が弾け飛ぶよりマシでしょう?」と言ったらしく、その一言で周囲がドン引きしたそうだ。


 ちなみに王女組は、俺がそれを見せた事を聞いており、俺がやったならしょうがないと諦めたんだと。諦めるってどういう事だよ。あの時はキューレを助ける為だったんだから、仕方ないだろう。敵という印象しか無かったからな。


 あの時に槍を突き付けていたのが王弟だと知っていたら、また違った方法をとっていたのかもしれないが、あの時はバロッサの奴等だと思ってたんだよ。なら遠慮は要らないだろ? 俺がそう言うと納得したようだ。やれやれ。


 適当な会話をしながらも訓練場に入り、午後からの訓練を開始する。女性陣のズレは昼までで直し終わっているので、王女組の指導を頼んだ。俺は子供達とエイダの訓練だ。周りで訓練している傭兵は居るが、特に気にする必要は無いな。


 ベテランどもは勝手にしているし、これを見ると村と言うか、町の日常でしかない。本当にこの図々しさは変わらないが、変わらないのがベテラン共かとも思う。まあ、気をとられてないで、しっかり指導しよう。


 夕方まで指導を続け、宿へと戻る。子供達も大分形にはなっているが、まだ体が小さいから限度がある。それでも関節の動かし方や体重移動に、重心移動はかなり出来るようになってきた。大分無駄なく動けている。


 宿に入り、大銅貨14枚を支払って夕食を注文する。席に座って待っていると、娼館の主がフォルに挨拶にきた。何をしにきたんだと思ったら、前回渡したお金の感謝らしい。どうやら苦しい期間を乗り越えたようで、胸を撫で下ろしたそうだ。


 不当にお金が掛かるようにしていた者達や、闇で違法奴隷を扱っていた連中が次々に破滅していったみたいだが……。娼館主いわく、どうもエルフが裏で暗躍している噂を聞いたそうで、コレはヤバいと情報収集を止めたらしい。


 英断だと思う。あの狂信者集団は駄目だ。出来得る限り触れない方が良い。フォルも微妙な顔になってるしな。ああ、それじゃ。元気でな。


 フォルもある意味では辛い立場だ。普通は同じ種族だからこその連帯感がある筈なのに、フォルは同じエルフと相容れないからな。正しくは狂信者とは相容れないだけなので、極々稀に居るフォルを気にしないエルフとは友好関係を築ける。


 それもそれでおかしな話だが、だからと言って狂信者と理解し合うなどという事は不可能なので、どうする事も出来ない。フォルもとっくに諦めているので、相互理解などという道は既に絶たれている。仕方ないね。


 娼館主も去っていき、食事も終わったので部屋に戻る。送風機と冷房を設置して起動し、布団を敷くと2匹が寝転がった。こらこら、食べたところで直ぐに寝転がらない。30分ぐらいは座ってなさい、子供達が真似するから。


 そう思って子供達の方を見ると、別の布団の上でミニゴーレム相撲を始めた。まあ、座って遊んでるからいいか。女性陣は酒を飲んでいるが、昨日はチビチビだったのに、今日は割とガッツリ飲んでるな。


 ああ、女将さんが居るから食堂で飲むのを止めたのか。流石に妊娠している知り合いの前で飲むのはなぁ、あんまり良い事とは思えない。女将さんは耐えられているから良いが、母体のストレスとしては決して良くないからな。


 悲しい結果になるのは勘弁してほしいので、女将さんには出来るだけストレスを感じない生活をしてもらおう。というか、神薬なんかを使っておいた方が良いかな? ダナ達に聞くと微妙な顔をしているが、否定まではしなかった。


 ダナ達はダナ達なりに女将さんの事を考えているんだろう。……良い話で纏めようとしているのに、直ぐに連れて行かない。子供達や2匹が寝たらこれだ。【昏睡】を使うまで待ちなさい。あーあー、エイダまでいそいそと準備してるよ。


 何と言うか、あっさりと女性陣に馴染んだな。いったい誰の所為だと思うも跳ね返ってきそうなので、口には出さないで思うだけにした。


 女性陣を撃沈して寝かせ、【浄化】が今終わった。今日も王女組は綺麗に出来ないから邪気を吸引するんだが、昨日しているのであっと言う間に終わる。それはいいんだが、宿のアノ部屋が何かおかしいぞ?。


 娼婦が居る部屋だが、何か揉めてる? いったい何があったのか知らないが、【空間把握】で調べるか。というか、【空間把握】で音を拾うのが当たり前になってるなー。かつては面倒だったのに。


 何度も使って慣れたのは良い事なんだが、盗み聞きとか盗み見とか言われそうだ。とはいえ、何処に犯罪者がいるか分からないからしょうがない。安全な時代とは違うからな。



 ▽▽▽▽▽


 1629終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2630枚

 大銅貨1214枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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