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0162




 皆に休憩を長めにとる事を伝え、焼き場や焼き網を【破砕】して【粉砕】する。その後、景色を見ながらゆっくりしていると、ダナが隣にやって来て腰を下ろした。



 「景色を見てるのかい?」


 「ああ。ルーデル村を始め、村の周囲!?」


 「チュッ! ふふ、驚いてるね。いきなりでビックリしたかい? 隙があればキスぐらいするさ」


 「いつもしてくるから、そこまで驚いてはいないが……ダナもそうだけど、皆好きだなぁ」


 「当然さ! 皆知ってほしいんだよ。こんなにも、アルドを愛してるって事を」


 「………」


 「アタシはさ、400年も待ったんだよ。その末にやっと出会えたんだ。出会えて、愛しい人の女にしてもらって……そうするとさ、アルドが居ないのが怖いんだよ」


 「ダナ……」


 「堪らなく怖いのさ……。捨てられたらどうしようとか、アタシの体に飽きたらどうしようとか、そんな事ばっかり考えてる。でもさ、それだけアルドに夢中なんだよアタシ達」


 「そうですよ。私達はこんなにもアルドを愛しているんです。……チュッ! だから、今日の夜もいっぱい愛して下さいね」


 「ああ、勿論」


 「うふふ。今日の夜が楽しみね!」


 「本当にそうだね! たっぷり幸せにして貰おうか、皆で」


 「「「賛成!」」」



 何か良い雰囲気だったけど、あれって作ってたのか? 何か悪戯が成功したような顔をしてるけど……。いや、本音でもあるんだな。本音を言うついでに、夜のおねだりもしたのか。


 まぁ、彼女達を安心させるのも俺の役目だから、当然それだけの努力はするけどね。ただ、自分の心をどうするかは自分次第でもある。最後の最後は手助け出来ないんだよ。


 その果ての答えによっては、俺達は別々の道を行く事になる。ダナが怖がってるのも、多分そこなんだろう。でもなー、どうにもならない事を考えて怯えていても仕方がないんだ。


 どこかで線引きして、為るようにしか為らない……そう納得するしかない。生きるって難しい事なんだよ、凄く。



 「そろそろ、出発しようか?」


 「「「「チュッ!」」」」



 キスで応えるとは……まぁ、いいんだけどね。お腹がポッコリしてた2匹も大分マシになったらしく歩けるようだ。そのまま先に進んで行くが、早速魔物が襲ってきた。



 「左前方から、イエローコボルト7。右からアースゴブリン8。……左後方からソードグリズリー2!!」


 「「「「了解!」」」」 「シャアーッ!」 「グルァーッ!!」



 数が多いな。メルはイエローコボルトを抑えに行ってくれたので、1番鬱陶しいアースゴブリンを早めに始末する。ソードグリズリーは適当に【土弾】や【火弾】で牽制しておいて、こっちに近付かせない。


 右手に金砕棒を持ち、左手に小太刀を持って、アースゴブリンの頭を潰し首を斬る。アースゴブリンを倒し終わっても、ソードグリズリーはこっちに近づけていない。


 身体強化を行い素早く近付いて、ソードグリズリーの頭を潰し首を斬り落とす。それと同時にイエローコボルトも終わった様だ。運が悪いと言うべきか、一気に囲まれてしまったな。


 【気配察知】や【空間把握】の範囲も限界がある。それ以上の外側から、タイミングを合わせて襲われると非常に危険な事になってしまう。その為に皆に鍛錬をさせてたんだが……。


 それが良い形で出たと思う。皆が着実に敵を倒しているのも見えてたし、焦ってもいなかった。次に同じ事があっても、問題なく対処出来るだろう。



 「上手く対処出来なかったね。やっぱり、アルドに負担を掛けちゃうか……」


 「仕方ありませんよ、さっきのは流石に数が多過ぎます。全員で対処するのが普通ですよ」


 「それは分かってるんだけどね。こう、もうちょっと上手く出来なかったのか、考えないとさ」


 「頼ってばかりだと駄目ですし、取り返しのつかない失敗も嫌ですからね」


 「そうだね。5人組に言った事だけど、私達も最悪を避ける努力は続けないといけない」


 「確かに……。………ダナはさっきの言葉を自分で引き摺ってませんか?」


 「心配してくれたのかい? 大丈夫だよ。むしろ、離れない為に色んな努力をしようって、気合いを入れたところさ。アルドが嫌がっても離れないよ、アタシは」


 「そうね。それぐらい強くないと愛情とは言わないもの」



 いや、世の中にはストー……ゲフン! ゲフン! 何でもないですよ? 気にしないで下さい。


 こういう時代って、あのレベルの愛情でも普通……じゃないだろうけど、ちょっと重いぐらいか。


 地球でも古くから、深い愛情ゆえに相手を殺したりする物語とかあるしなぁ。現実にも歴史にも、そういう記録ってある。深すぎる愛情っていうのも、ずっと昔から続くものか。


 ダナはそこまで行くかな? 人の心の内ってわからないけど、そこまでは行かないと思う。ただ、その近くまでは十分に行きそうだから、変な方向に行かないように受け止めてやろう。


 俺はダナにディープキスをして、それから皆にも同じようにキスをする。終わったら皆を見回して、



 「俺達は不老長寿だろう? だから焦って答えを出さなくていい。200年や300年じゃなく、1000年後に答えを出したって良いんだよ。それまで、皆一緒に居ればいいさ」


 「「「「………」」」」



 あれ? なんか失敗したか? 皆の心を軽くしようとしただけなんだが……。俺、変な事言ったかなぁ? 普通の事しか言ってない筈だけど………。なんで固まってるんだろう。



 「そうだね。焦って答えを出さなくてもいいんだ。”このまま”の生活を1000年続けたって良いんだよ///」


 「そうですね。アルドに愛してもらう生活を1000年続けたって良いんです///」


 「うふふふふ。1000年じゃなくて2000年でも良いんだけれど///」


 「なに。1000年後に、もう1000年続けると言えば良いだけさ///」



 この後の事を妄想してただけか……。焦ったぁ、急に固まるのは止めて頂きたい。ちょっと怖いからさ。とんでもない失敗をやらかしたんじゃないかと、結構焦ったんだよ、ホント。


 ここで立ち止まっていても仕方ないから、そろそろ出発しよう。一応警戒はしてるが、さっきみたいに一斉に襲い掛かられても困る。皆に一声掛けて、動き始める。


 先へと進んで行き、再び魔物がこちらへ向かって来るのを捉えた。さっきのは珍しい出来事だったらしいので、胸を撫で下ろした。



 「右からコボルト5、左前方からオーク6」


 「「「「了解」」」」 「ニャー」 「ガゥッ!」



 右のコボルトにダナとシュラが突撃し、左のオークをメルが止める。その隙に分銅が降ってきて頭を潰し、目を斬られ足を噛み千切られる。カエデ……食べるのは止めなさい、戦闘中だ。


 コボルトはあっと言う間に斬殺死体になっていて、オークの側に加勢に来た。ダナが両手に大脇差と脇差を持っているからか、殲滅速度が速いな。……シュラはファルクスで暴れてる。


 数が多くて厄介な戦闘か、俺の出番が全くない戦闘か。どっちかしか無いのは、どうにかならないものか。獲物の浄化と処理をしながら、ボンヤリとそんな事を考えていた。


 そろそろ村に戻らないといけない時間の為、山を下りる事を皆に伝える。皆は一切異論が無いというか、早く宿に帰りたいらしい。夜への期待が大き過ぎやしませんかね……。


 これで満足出来なかったら、俺の方が捨てられかねない気がするんだが……。頑張ろう! 新しい技を解禁した方が良いんだろうか? でも、最終的には慣れて飽きそうなんだよな……。


 あれ……? マジで俺の方が捨てられないか、コレ? ………か、考えないようにしよう。1000年ぐらい後に考えれば良いんだよ! 50年ぐらいでその時が来たりして……。


 さて、帰ろう。全てひっくるめて放り投げる事にした。自分でも考えたが、為るようにしか為らない。だから、考えても無駄だ。帰り道を歩きながら、そんな事を考えていた。



 ▽▽▽▽▽


 0162終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨63枚

 大銀貨82枚

 銀貨50枚

 大銅貨91枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 ヒヒイロカネの小太刀

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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