1627
「ゴブリンの森の後は何だったかねえ……。そうだ! アタシの事を妾にするとか言ったクソ貴族を、アルドが叩き潰したんだった! あの時、アルドは凄く怒ってね。アタシの事を「俺の女」って言ったんだよ/// いやー、女冥利に尽きるねえ!!」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
「コホン! それは良かったですね。その後は何かあったのですか、それともそれで終わりですか?」
「確か……その後は王城に呼ばれて伯爵の報告書が正しいかと、不老長寿の私達に会いたいという事ではなかったですか? 王女が私達の事を話していたみたいですし、城に行ってバカに喧嘩を売られた記憶があります」
「そういえばあったわね。また試合形式で戦う事になって、向こうの近衛を叩き潰す結果になったわ。アルドは喧嘩を売ってきた近衛騎士団長との殺し合いだった筈なんだけど、結局殺さなかったわね?」
「殺す代わりに、おちょくられてたけどね。正しくは駄目な点を延々と指摘されてたし、全く歯が立たない事を突きつけられ続けてたよ。しかも最後には聖人にされたしね。元のバカは死んでいると言っていいから、殺したと言えるかな?」
「また聖人を生み出したんですか? 町の神殿にも沢山居ますけど、何故か異様な雰囲気ですし、他の普通の神官が怯えているんですよね。話を聞くと、不良神官は延々と改心するまで話を聞かされ続けるそうです。神を賛美する話を……」
「それ、私も聞いたねえ。何でも改心したと判断されるまで、延々と狭い部屋で話を聞かされ続けるんだってさ。適当に聞いていても見透かされて、ずーっと狭い部屋に閉じ込められるらしいよ。その話を聞いた時には、聞くんじゃなかったと思ったね」
「……まあ、怖い人達の話は置いといて続きを聞こうじゃないか。アレの話は聞いたところで、心が削られるだけだよ」
「次はベルゲスト商国かな? ヴィラノーアの西にあって商売を奨励している国だよ。儲かれば何でもいいってのがそれなりに居て、ある意味では面倒臭い国だったね。それと人攫いの組織があったんだっけ? アルドが値踏みする門番の足を壊してたよ」
「正しくは【念動】で足を払って転げさせた後、足首を捻って挫くという方法ですね。以後、そちらの足では歩けなくなるそうで、あの門番も大変でしょうね。下らない組織に使われていたんですから、自業自得ですけど」
「ちなみにだけど、人攫い組織はオムドン商会という商会でさ、表では交易品をボッタクリ価格で売る商会。裏では違法な奴隷売買をするって感じだったよ。末路がどうなったのかは言わなくても分かると思う」
「まあ、それは聞かなくても分かります。相手が狙ったのがお姉様方か子供達かは分かりませんが、どのみち手を出そうとした段階でアルドさんに潰されるだけです。もしくは聖人にされるだけでしょうか? どちらでも結果は大して変わらないかと」
「その後は、確か<緑の剣>か。仮面を被っている4人組だったが、伯爵令嬢とお付きの3人というチームだった。そしてリーダーをしている伯爵令嬢は、かつて王女の付き添いで狩りに行った時に被害を受け、顔に大火傷を負ったそうだ。それで仮面を被っていた」
「何て酷い、と思いましたか? リンデ。貴女が昔、私達に護衛をさせた事と同じですよ。私達は実力があったから被害を受けなかっただけです。実力がそこまでない、それも伯爵令嬢なら王女を庇うしかない。貴女が昔何をして、私達から敬遠されていたか。これで分かりましたね?」
「…………はい」
「まあ、それは駄目だね。お荷物を連れて狩りごっこ何て、いつ死んでもおかしくない。その伯爵令嬢も生き残れたんだろうけど、顔が大火傷じゃあ……」
「ああ、君の言う通りだよ。政略結婚にも使えないとして家を出されていたね。そして、そんな自分についてきてくれた3人と共に、顔を治す薬が手に入らないものかと探していたようだ。ちなみに主様が薬を飲ませて、あっと言う間に元の顔を取り戻していたよ」
「その時に見て分かったけれど、かなりの美貌を持った令嬢だったわ。王女がワザとやったんじゃないかと思えるほどよ。アレなら引く手数多だった筈だし、王太子の横に立っても何も問題無いくらいだもの」
「成る程、そこまでの美貌であれば王女からの嫉妬は十分あり得る。というより、その可能性が極めて高いだろう。仮に自分が怪我を負っても、それを伯爵令嬢の責任に出来ただろうしな。そういう姑息な事を考える者は確かに居る。下らないがな」
「その王女は第四王女で、既に死んでいるそうですよ。それはともかく、その後に薬がバレて王城に行く羽目になり、第二王女を助ける羽目になりましたね。財務の取り纏めを行っているのが第二王女で、税を勝手に着服していたのが公爵でした」
「で、第二王女は毒を盛られたって訳さ。尻から色々漏らす事になったけど、毒も漏らしたから今は治ってるんじゃないかね? 人前で尻から漏らしたなんて耐え難い屈辱だと感じるかもしれないけど、毒で死ぬよりはマシさ」
「それは、そうでしょう。誰であっても、死よりも酷い事なんてありません。死ぬぐらいなら、無様であっても生き残るべきです。死んで守られるものなんてありません。死ねば名誉も何もかもを失くし、好き勝手にされてしまいます」
子供達はお腹が膨れてお眠らしい。さっきまでは起きてたんだが、今見たら舟を漕いでいる。客の中に怪しい奴は居たが、女性従業員を始め、色々な人が鉄壁のシフトを敷いてたなぁ。その御蔭で馬鹿も近寄れなかったようだ。
感謝しつつ、子供達をいつもの部屋に連れて行き、送風機と冷房を設置して起動したら布団を敷く。後は子供達と2匹を寝かせるだけ。それを終わらせた後、俺は食堂に下りて会話に加わる。俺しか知らない事があるのでしょうがない。
「アタシ達は治してやったら、さっさと次の国に行ったね。王城の揉め事なんてどうでもいいし。西にあるアサロマ王国に行ったんだけど、ここはエイルアーダ皇国の属国みたいな国だったよ。後でバカだと分かったけど」
「「「「「「「「………」」」」」」」」
「商国の南東にはオールゲント王国があり、ここが商国を攻めました。小競り合いみたいなものですが、それを見た後でアサロマが商国を攻めたのです。ところが裏で密約でもあったのか、オールゲントは攻めるフリ程度で引きました」
「あー……成る程、そういう事。つまり、オールゲントという国を当て馬にしようと思ったら、アサロマという国だけが攻める羽目になったと。ベルゲスト商国というのは当然、アサロマに対して戦力を集中させる訳だから……。大変だねえ」
「ですがリヴィ。国同士の関わりなど、そんなものでは? オールゲントという国は、攻めるよりも商国との取引を優先したのでしょうね。だから、アサロマという国を罠に嵌める協力をした。極めて普通の事でしかありません」
「その話は横に置いておくとして、アサロマの西がエイルアーダ皇国だよ。そこで馬車が襲撃されていてね、その馬車に乗ってたのがエイダだったんだ。原初に近いインキュバスの子が命を狙われてたんで、僕達に護衛を頼んできたんだよ」
「その後は警戒しながら王都へ、そして黒幕だった歪んだ忠臣である侯爵家をアルドが根切りにしてきた。私達を生物だの雄だの雌だの言ってきてな、アルドが激怒したのだ。その結果の根切りとなる」
「「「「「「「「うわぁ……」」」」」」」」
「とんでもないくらいの、お馬鹿さんが居たのですね。それの何処が忠臣なのか理解出来ませんが、きっと周りからは忠臣だと思われていたのでしょう。主の許可無く勝手な事をしている時点で、忠臣でも何でも無いのですが……」
「うむ。キューレの言う通りだ。そのような者は忠臣を装った汚物でしかない。忠義ある者は勝手な事などせん。何かあって諌めるならばまだしも、勝手に殺そうとするなど唯の蛮族ではないか」
「結局のところ、私が舐められていたのだろう。その後に出てきた、今代の皇帝も愚か者であったしな。あれが私が頑張ってきた国の姿かと思うと、長く続く国はああやって傾くのだなと思う。仕方がない事なのであろう」
あの皇帝は特筆して酷かったけどな。ただ、アレを皇帝に選んでいる時点で、人材不足と言わざるを得ないな。
▽▽▽▽▽
1627終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2906枚
大銀貨1713枚
銀貨2630枚
大銅貨1256枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




