1623
王女組の挨拶を受けてエイダが挨拶をしようとしたんだが、宿の入り口が開き誰か入ってきた。入り口の方を見ると、何故か町長さんが歩いてこちらに来て、開口1番謝罪した。
「申し訳ありません。まだ皆さんの家は建っていないんです。田畑も増やす事になってので町を大きくする事になり、更に各家なども配置し直さなければいけない事になって、皆さんの家の位置が相変わらず確定しないんです」
「まあ、それは仕方ないんじゃないかい? 流石に村が町になり、更にここまで大きくなるって誰も予想なんて出来なかったろうさ。それよりも、どこまで大きくする気なんだい? 流石に際限なく大きくする訳じゃないんだろ?」
「当たり前です! 今回の拡張で、おそらくですが終わりだと思います。ただ、足りない分の食料は買わなくちゃいけないので、せっかく寄付していただいたお金が減ってしまいますけどね」
「金貨2000枚と大金貨1000枚くらいなら、追加で寄付しても良いけど? ……要らない? ならしょうがない。腐った連中から巻き上げてきたのが貯まっててさ、どっかで吐き出さなきゃいけないんだけど……」
「ここはもう十分ですから、他の所にお願いします。傭兵ギルドでも、お金が余って困っているそうですよ。奪われないように気を付けるのも大変ですし……」
話が逸れたので一旦仕切り直し、まずはエイダの自己紹介からなのだが、エイダを見た町長さんが固まってしまったのでメルが正気に戻した。思い切りの良いビンタだったけど、俺は何も言わないしスルーする。でも、いい音したなぁ。
「ゴホンッ! 私の名はエイルアーダ・ユル・ディカストル。エイルアーダ王国初代女王だ。今はエイルアーダ皇国となっているので、私の出る幕は無いがな。分かるかもしれぬが、サキュバスの不老長寿となる」
「「「「「「「………」」」」」」」
「……えーっと、初代女王? えっ!? 女王陛下ですか? 何で!? って、初代……?」
「そうだ。腐った王を討伐したら女王に担がれて必死に政務を行い、その後は息子に譲ったものの後見する羽目になり、永きに渡って苦労をした間抜け。それが私だ。それが終わっても初代女王としての立場は無くならなかったが、商会を立ち上げて自分で稼いでいた。まあ半分は暇潰しだったが」
「まあ、分からなくはありませんね。長く生きていると暇なんですよ。私は定期的に盗賊や賞金首を殴り殺す仕事があったから良かったですけど、そうでなかったら暇で暇で仕方がなかったと思います」
「それもどうなのかと思うけれど? 私みたいに村長の仕事はともかくとして、畑で作物を作ったりとかすればいいのに。あれも美味しい物が出来ると嬉しいものよ」
「また話が逸れそうなんで、皆が聞きたいと思っている旅の話をしようか。それをしていけばエイダが出てくるから、皆も何となくで分かるだろう」
皆も頷いているので、やっぱり聞きたいのはそれだよな。話が横に何回も逸れたけど、久しぶりだから仕方ないのかね? まあ、とにかく始めるか。女将さんも町長さんも聞きたいみたいだし。町長さんに関しては、仕事しなくて大丈夫なのか疑問だが。
「まずアタシ達はムル国を目指して行った訳なんだけど、ムル国っていうのは草原の西にあると言われていた国でね。名前だけは分かってたんだけど、行った事が無いから行く事にしたんだよ」
「そのムル国に行く前に、草原にある2つのダンジョンの場所を聞く為にベルーザ村のギルドに行きました。私達はそこのギルドマスターの女とサブマスターの男とは面識があったのですが、昼間から執務室で激しくシていましたよ」
「そうそう。サブマスターの獅子族の上に乗って、凄く激しく踊ってたのよね。1階の受付嬢は気付いていなかったけど、【気配察知】の使える私達には丸分かりだもの。執務室に入ってギルドマスターのお澄まし顔を見たら噴出しそうになったわ」
「「「「「「………」」」」」」
「君達も【気配察知】でバレるんだから気を付けなきゃいけないよ。とはいえ、気配を探れる者も世には居るから、迂闊に気配を消すと余計に怪しまれるけどね。それはともかく、その後は草原のダンジョンの攻略さ」
「1つ目のダンジョンは大した苦労も無く終わった。最奥は馬のゾンビのラッシュだったくらいか。私達の練習になっただけで、いつも通りアルドが終わらせてくれたな。それで、そのダンジョンは終わりだ」
「次のダンジョンに行く前にウォルガ氏族に会ったけど、大僧正が病で倒れていて死に掛けてたよ。主様が薬を飲ませたら、あっさり回復してその日に普通の食事をしてたけど。その後はダンジョン攻略だね」
「その大僧正? とかいう方の病気は本当に大丈夫だったのですか? 流行り病というか、蔓延する病気とかだと非常に危険だと思いますけど……」
「そういうのじゃなくて……その、出産の際に何がしかの病気に感染したのかもしれないってさ。出産後に体調が優れなかったそうなんだ。ちなみに子供の方には何も影響は無かったみたい。族長と大僧正は幼馴染なんだって」
「ああ、幼馴染同士で結婚したんですね。……氏族毎に居る神官のような者を僧というのですか。そして、1番上の者が大僧正と……。ああ! 1番の浄化魔法の使い手だからトップなんですね。成る程」
「そしてウォルガ氏族の近くにあるダンジョンも攻略、そしてムル国へと行った訳です。確か、2つ目のダンジョンでは神獣の毛のブラシが手に入った筈です。梳かれると髪が綺麗に整う反面、猛烈に眠たくなるブラシですね」
「一応正しく言うと、非常に深くリラックス出来るブラシだな。ただ、リラックス効果が高すぎるんだ。その結果、リラックスを通り越して眠たくなってしまう。そういう効果のブラシとなる。……っと、また逸れたな」
「あたしは見てなかったから知らないけど、イデアを無理矢理に連れて行こうとした貴族の女が居て、アルドが手を叩いたら騎士を嗾けてきたんだってさ。まあ、そいつらは当然のように皆殺しにされたけど、貴族の女は不老長寿と知るや逃げてったそうだよ」
「ああ。その後は死体を【分解】で消し去って、綺麗に【浄化】しておいたよ。そしたら兵士が来て俺を捕縛しようとするんで、騎士を殺した証拠を持ってこいって言っておいた。死体も血も無くなっているから証拠は無いしな。それで終わったよ」
「終わったというより、証拠が出せないから諦めただけではありませんか? 本当にアルドさんは法の敵ですね。法の不備を突くのが、お得意なようで……」
「得意と言うより、法なんて穴があって当たり前だし、俺がやっているのは反撃だ。いつもいつも反撃しかしてないぞ? 殺されるバカは死にに来てるんだよ。死にたがりを治す薬なんて無いんだから、諦めろ」
「そうだね。その後はムルヴァントに会ったのかな? ムル国の初代国王で不老長寿の男さ。そう、ムル国には不老長寿の男が居たんだよ、ビックリだろう? 不老長寿の男を探してたアタシ達も驚いたけど、アレの女になるのは絶対に無いね」
「そうですね。筋肉を鍛えて喜ぶという、アルドの言葉を借りると脳筋と呼ばれるタイプです。初代の王なので、そこまで頭は悪くありませんが……それでも、アレは無いです。色々な意味で」
「ムル国の王都近くにはダンジョンがあるんだけれど、そこには初めて四方が海という地形が現れたわ。一部浅瀬になっていて渡れるようになっているものの、海の水で足がとられるうえに、周りの海からモンスターが来て襲われるのよ」
「「「「「「………」」」」」」
王女組も頭で想像したんだろう。その瞬間ゲンナリした顔になった。膝上くらいまで海水に浸かり、走っていたら周りからモンスターが襲ってくる。急いでも足がとられるので思うように動けない。
海というフィールドは、モンスターにとってのみ一方的に有利な地形。その説明をすると理解したらしい。普通の傭兵ならば嬲り殺しにされる事を。ただ、おそらくあの地形は俺達で試したんじゃないかと思う
普通の傭兵なら、間違いなく攻略不能だからなぁ。詰んでしまう地形は無しだろう。ある意味でルール違反だ。
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1623終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2906枚
大銀貨1713枚
銀貨2636枚
大銅貨1256枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




