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 <異世界800日目>



 おはようございます。今日は3年目の火の季節、最後の日です。そんな日の始まりは、海の近くというか桟橋の近くな訳ですが、これはこれで風情があるので良しとしておこう。朝焼けが海に映えているし。


 そんな中、俺は朝食の用意を始める。今日は沢山あるジャガイモを練り込んだチャパティにしよう。平たく焼いたニョッキとも言えるが、そこは気にしてはいけない。小麦の全粒粉とジャガイモを【粉砕】した物に、塩と神水を混ぜて捏ねる。


 そうしていると蓮が起きてきたので、朝の挨拶をして【浄化】した後、捏ねるのを任せる。本人は楽しそうに捏ねているので、後はスープの用意だ。ブラックリザードマンの肉を擂鉢で磨り潰し、塩を混ぜて更に潰していく。


 一纏めにしたら団子を作っていくのだが、その横で寸胴鍋に神水と乾燥椎茸の粉末を入れ、【加熱】で沸かしたら野菜と海老と蟹を入れる。少し煮た後で団子を入れ、もう少し煮たら出来上がり。


 蓮が捏ねてくれた生地を【熟成】し、平たく成形したら焼いていく。焼くのは蓮に任せ、俺は更に生地を作り捏ねている。まだ足りないので、全員が食べられるだけの量を作らないといけない。これが結構多いんだよ。


 俺が横で生地を作っている間も蓮が焼いてくれ、焼き終わったら俺が作った生地も焼いてもらう。今度は交代してイデアだ。既に皆は起きており、朝の挨拶は終わっている。イデアは暇だったので蓮と交代させた。


 まだ大丈夫だと蓮は言っていたが、既に汗を掻いているからな? 向こうへ行って冷たい神水を飲んできなさい。倒れても困るからさ。そう言って交代させたのだが、神水を飲みながらジーッとイデアを見ている。


 アレもどうなんだよ? と思いながらも料理を続ける。最後にチーズを鍋で溶かして味付けしたら、今日の朝食の完成だ。最後に魔豊蜂の蜂蜜を出して、早速食べよう。いただきます。



 「この平たい物はともかく、魔豊蜂の蜂蜜は天上の味よ! チーズも美味しいが、この蜂蜜はとんでもない。女王をしていた私でさえ食べた事が1度しかないが、ここまで美味しかった記憶は無いぞ!」


 「もしかしたら偽物を掴まされたんじゃないかい? これが本物の魔豊蜂の蜂蜜さ。アタシ達の前で、アルドが魔豊蜂を倒して巣ごと手に入れた物だからねえ。間違いなく本物さ。これも久しぶりに食べると感動する味だよ」


 「そうですね。焼酎に溶かして飲んだりしてますけど、パンやチャパティに付けて食べるのは久々です。やっぱり美味しいですけど、竜の肉ほど感動しないのが何とも……」



 言いたい事は分かるが、今言わなくてもいいだろう。誰もが似た事をシュラに対して思ったようだが、本人は気にもしていない。それがシュラと言ったら、そこまでか。それより、俺も味わって食べよう。


 ジャガイモが入っているからちょっと違うが、それでも蜂蜜もチーズも合うから美味しいな。スープはあっさり系にしたのが合ってるし、朝から気分良く出発出来そうだ。皆も笑顔で良かった。


 朝食後、食休みの間に後片付けを終わらせる。皆も休めたらしく、今はトイレに行ったりして準備中だ。俺も出発の準備をしよう。子供達は既に出発の準備を終え、2匹と遊んでいる。


 全員の準備が終わったのでカマクラを壊し、木像を出して乗ると出発。一路ムル国を目指して走る。第三オアシス、第二オアシスと進みつつ、木像の上で干し肉やチーズを齧る。そのまま進んで第一オアシスへ。


 更に進み、砂漠を越えて荒地で野営の準備をする。かなり強引だったが、1日で突破する事が出来たか。相当の速度を出したからか、皆も結構疲れている。かなりの魔力を使ったから仕方がない。


 障害物の無い砂漠ぐらいしか全速力は出し続けられないし、その速度でないと一日で走破は出来なかった。出来れば砂漠の環境には長居したくなかったので、抜けられるなら抜けてしまいたかったんだ。すまんが謝罪はしない。


 皆も火の季節の砂漠の厳しさは分かるのか、俺の言葉に反論は無かった。明日から土の季節だが、いきなり涼しくなる訳じゃないからな。ただでさえ日差しの厳しい季節なんだ、砂漠での寝泊りは出来る限りしたくない。


 とにかく、焼き場やカマクラなどを作って野営の準備を始めよう。全て作り終えた後は1人で料理を始める。皆は疲れているから休ませておくしかない。まずは麦飯を炊き、その横で寸胴鍋にスープを作っていく。


 スープが終わると別の鍋を出し、竜の脂を入れて溶かす。準備が整ったら、ブラックリザードマン、ウインドチキン、そしてジャガイモを揚げていく。ジャガイモは長方形にして、フライドポテトのようにしている。


 揚げあがったら食事の開始だ。メインはウインドチキンの唐揚げとなる。それじゃあ、いただきます。



 「今日の昼は砂漠を越えるために仕方なかったから、夕食は存分に食べよう。それにしても、鶏の肉を脂で揚げると美味しいのだな。鶏の肉も焼くか煮るしかせぬので知らなんだ」


 「まあ、大体はそんな感じじゃないかい? アルドもたまに言うけど、生活に余裕が出てこないと料理なんかも発展しないらしいしね。魔物が発展を妨げてるんだろうってさ。アルドが元々いた星じゃ、魔物なんていなかったそうだよ」


 「それは……何とも恵まれた星だの。我等が住む大地より遥かに楽に生きられそうで、羨ましき限りだわ」


 「代わりに人間同士の小競り合いや戦争ばっかりだけどな。何処かの土地を獲ったり獲られたり、それが許せぬと怨みになって攻め込んだり。攻め取った土地の者を全て奴隷にして連れ帰った国もあったな。そんな星だよ」


 「………」


 「結局のところ魔物が居るからこそ、主様の故郷に比べて戦争が少ないんだよ。魔物が居なければ、この星だって人間種同士の戦争ばっかりになるんだろうね。欲望に限りが無い以上は……」


 「人間種の浅ましさと言うべきか、それとも本能と言うべきか。その辺りは考え方によって幾らでも変わるのだろう。所詮はどこまでいっても、愚かな人間種の考えでしかない。私達は神になど、なれないのだからな」


 「下界に激怒し続けるのも嫌だし、なりたくもないけどね」



 まあ、言いたい事は分かるんだが、軽い神罰が落ちなくて良かったな。悪口っぽい感じに聞こえたが、神様的にはセーフなのか。良かったとは思うが、危ない発言は止めてほしい。不老長寿は神罰が落ちやすいんだからさ。


 夕食後、早々にカマクラに入って休む。明日からはムル国内を移動だ。あの国もそれなりには広いんだけど、それ以上に村や町が多い。一気に進む事は出来ると思うが、途中の町か村で野菜を買っていこう。忘れてなければ。


 子供達は早々に寝たので、2匹と一緒に【昏睡】を使い深く眠らせる。その後に襲ってきた女性陣を返り討ちにし、いつも通り綺麗にして寝かせていく。それにしても、思っていた以上にエイダが積極的だ。


 普段は元女王として凛とした冷静さがあるのに、どうして夜になると乱れに乱れるんだ? ギャップがあって嫌いじゃないけど、女性陣で1番乱れている気もする。暴走してる訳じゃないのが、何とも……。


 考えるのは止めて、やるべき事をやってさっさと寝よう。カマクラ内と体を綺麗にし、邪気を吸引して【浄化】したら、おやすみなさい。



 <異世界801日目>



 おはようございます。今日は土の季節1日目です。ムル国を通って東に行くんだが、流石に1日では難しそうだな。とりあえずカマクラを開けて外に出よう。そう思って開けたら、丁度エイダも起きたようだ。2人で外に出る。


 朝食の準備に取り掛かるが、今日の朝はうどんなので麺を打ちながら話をする。昨夜の事が気になったので聞いてみると、実は満足した事が1度も無かったらしい。



 「私はかつて様々な男に抱かれ利用してきたが、サキュバスの不老長寿である私を満足させられる男など1人も居なかった。旦那様に抱かれるまでは、女の幸せも知らぬ小娘でしかなかったのであろうな」



 サキュバスの不老長寿を満足させるというのは、どうやら簡単な事ではないらしい。まあ、異性を利用する側だと考えれば、溺れるような事があっちゃいけないか。ある意味では納得できる答えだと言える。言えるんだが……。


 それをブチ破ったのが【念術】かぁ……。



 ▽▽▽▽▽


 1619終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2643枚

 大銅貨1309枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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