0161
食堂で大銅貨14枚を支払い、朝食と昼食を購入する。昼食のサンドイッチを先に受け取り、朝食を待っていると女将さんがやって来た。
何だろうな? 何か落ち込んでると言うか、ガッカリしてると言うか。旦那さんと何かあったのか?。
「おはよう、皆」
「「「「おはよう」」」」 「ニャー」 「ガウ」
「どうしたんだい、トーカ? なんだか落ち込んでるみたいだけど」
「実はね、また体重が増えてて……。頑張って運動とか色々してるのに……」
「あー……。それに関しては何とも言えませんね。私達は狩りに行ったりしてますから、問題ありませんが……」
「一旦太り始めると、止まらなくなったりするのよね。維持するのは田畑ぐらい大変よ」
「私は太った事がないから分からないけど、そんなに大変なのかい? コツとかあるって聞くけどね」
「コツって言うか、運動するしかないな。結局は運動して消費するのと、食べる量を減らす事しかないんだ。無理のない範囲でやっていけば良い」
「無理のない範囲ね……。それってどれぐらいの範囲なんだい……?」
何か怖いんだけど……。女将さんの顔が、一瞬般若に見えたのは気の所為だよな? 気の所為だって誰か言ってくれないかな……まぁ、無理だよね。ダイエットの説明だけしとこう。
「無理のない範囲は人によって違うんですよ。生活の仕方とか体質によっても変わるんで、こうすれば痩せるっていうのはないんです」
「じゃあ、無理って事かい?」
「いえいえ。少しずつ運動の量を増やして、少しずつ食べる量を減らしていけばいいんです。その内ゆっくり痩せていくバランスになるので、後はそれを維持すればいいだけですよ」
「でも、それって時間が掛かりそうだね?」
「それは仕方がないさ。無駄なく痩せていくには1番良い方法なんだよ。特に記録を取っておけば、運動の量を増やしたり、食事量を減らしたりするのに役に立つし」
「それは、もしかして年齢によっても変わるのかしら?」
「ああ。基本的には年を取る程、消費量が減ると言われてる。食べた量を消費し切らないと太る、つまり運動を増やさないといけない。生活にもよるんだけどね」
「生活の仕方でも消費量は変わるって事かい?」
「うん。殆どの人は運動よりも日々の生活で消費してる。日々の消費量を増やすには、筋肉を付けるのが1番なんだよ。ムキムキになる必要は無いけど、ある程度は付けた方が良い」
説明はこんなところだな。4人の場合は邪生の心臓を食べてる事もあって問題は無い。あれだけ毎日肉を食べてて全く問題が無いんだから、凄いもんだ。黙っておかないと危険だな。
4人も同じ事を考えたんだろう、ちょっと緊張した表情をしてる。女将さんや従業員の女性は、自分の体の事を考えていてこっちを見ていないので助かった。
食事は終わっているので、そそくさと部屋に戻ってきた。気を取り直す為、皆とイチャイチャしてから狩りに出掛ける。4人もすっかり緊張が解けたようで良かった。
代わりにスキンシップが激しいが、好きにさせよう。門番に若干ジト目で見られたが村を出て出発する。今日は山の方へ行く予定だ。身体強化をしながらなので直ぐに到着した。
キャンプ地は変わっておらず、椅子もテーブルも残ったままだった。壊れていなかったが、少し傷付いていたので直しておく。少し休憩した後、登山道へと進み山を登る。
程なく魔物が現れた。やはりこっち側は魔物が多いな。俺達が居た頃は減っていたが、また何処からかやってきたんだろう。連なってる山が幾つかあるからなぁ。
「右前方からレッドパンサー2、左からコボルト5」
「「「「了解」」」」 「ニャー」 「グルゥ」
レッドパンサーはダナとシュラが倒しに行き、メルがコボルトを前で抑えてアルメアが分銅を落とす。2匹はコボルトの目と足を狙って攻撃してる。俺がやる事が何も無いな。
あっと言う間にレッドパンサーは首を斬られ、頭を唐竹割りにされた。メルは完全にコボルトを押さえ込み、首を突き刺して殺している。アルメアは一撃で頭蓋を潰し、2匹は噛み千切っている。
凄惨極まりない状況だが、俺は浄化と処理を暢気にやっている。結局、危ないところなど一切無く戦闘は終了した。処理も終わりアイテムバッグに回収したら先に進む。
またか、やはり魔物が濃いな。少しの間村に居なくて、山に来れなかったらこれだからな。倒しても周りから集まって来るんだけど、狩り過ぎると居なくなってしまう。厄介なもんだ。
「前方からダッシュボーア3、右からアースゴブリン7」
「「「「了解」」」」 「ニャッ」 「ガウッ」
ダッシュボーアはダナとシュラが素早く倒しに行ったな。放っておいたらこっちに……あれぇ? アースゴブリンの方に突進して行ったぞ。ああ、アースゴブリンが大混乱してる……。腹が減ってたのか?。
とにかくダッシュボーアを追い駆け……おぉぅ、分銅が降ってきた。その一撃でダッシュボーアが1頭たお……ダナとシュラが首を斬り落としてダッシュボーアは終了。
混乱が治まった頃には、アースゴブリン3体しか残っていなかった。1体は2匹に噛み千切られ、残りの2体は忍刀と小太刀で首を斬り落とされた。俺は処理して回収するお仕事だ。
アースゴブリンが相手だったからか、メルは盾を持っていなかった。穴を開けて落とされると、盾が邪魔で身動きがとれなくなる事もあるからな。全て収納したら、先に進む。
「この山は相変わらず魔物が多いね」
「そうね。代わりに食べる物が豊富だと言えるんだけど」
「魔物といえども、食べる物が無ければ生きていけませんからね」
「それにしても。思っているよりも魔物の気配を感じる山だ」
「アルメアは【気配察知】が上手くなった様だな」
「昨日は姉上の御蔭で不意打ちを受けずに済みましたからね。私達も気配の位置は分かるんですが、魔物の気配かどうかまでは正確には分からないんですよ」
「気配自体は完全に分かるんだけどねぇ。そこから先が上手くいかないんだよ」
「練習し続けるしかないんでしょうけど、難しいのよね」
「慣れれば何となく分かるようになるけどね? 何となくで良いんだよ、何となくで」
「姉上……」
実はアルメアの言ってる事は正しかったりする。何となく分かるようになるのが先で、正確に理解するのはその後で良い。他の3人は正確に理解しようとし過ぎなんだ。
そんな事を話しながら進んで行く。その後も魔物は襲ってきたが、もう負ける事は無い相手でしかない。ソードグリズリー3頭、レッドパンサー2頭、ウィンドディアー3頭、オーク8体を倒した後、昼食をとる事にした。
「この辺りは見晴らしも良いし、奇襲も受け難いから食事にはピッタリだね」
「ええ。良い風も吹いてますし、景色も良いですから。良い気分で食事が出来ます」
「折角食べるなら美味しく食べたいし、気分良く食べたいわ」
「皆で輪になって食事をするのも、なかなか良いものだね」
2匹にはさっき倒したオークの生肉もあげるのだが、サンドイッチを食べた後に猛然と生肉を貪っている。野生が疼くんだろうか、2匹は生肉が好きなんだよな。俺達の分は焼こう。
【土魔法】と【錬金術】や【練成術】を使い、焼き場や網を作って焼いていく。塩だけだが美味しいな。皆も好きな焼き加減で食べているが、吸血鬼の2人は生に近い方が好きな様だ。
逆にメルは良く焼いた方が好みに合うみたいで、ダナは割りと適当だ。俺が完璧に浄化しているので生で食べても大丈夫だし、【熟成】もしている。俺達は美味い昼飯に舌鼓を打つ。
2匹はお腹がポッコリするまで食べていた。生肉を沢山出したのは俺だが、よくそこまで食べたな。こりゃ、昼休憩は長めにとった方がいい。
気持ちの良い風も吹いてて、気温も丁度良いとなればゆっくりするか。皆もきっと反対しないだろう。
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0161終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨63枚
大銀貨82枚
銀貨50枚
大銅貨91枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
ヒヒイロカネの小太刀
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ