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 現在、舟の上で皆が魔法をブッ放している。暇潰しと練習を兼ねてやっているのだが、もう少し練習として丁寧にやってほしいもんだ。そんな中、エイダは基本的な魔法を習って練習を繰り返している。初級と下級だから上達も早いな。


 【光球】【清浄】【風弾】【水弾】といった、簡単な魔法の練習を続けている。後は【加熱】【冷却】【土弾】だが、流石に海の上や舟の上では練習できない。失敗されてもフォローできないし、せめて陸地で練習してほしい。


 昼になったので、おにぎりを片手で食べながら進んでいく。結局、俺が作った桟橋に到着したのは夕方前だった。舟の上ではあまり動けず、体が固まってしまうが仕方ない。全く体が動かせない訳ではないので、交代で動かしているし。


 エコノミークラス症候群とか怖いからな。立ち上がったり座ったり、数人なら寝転がれるだけ舟の方がマシだろう。皆が桟橋に上がるまで待ち、全員が陸に上がったら俺も上がる。最後に舟を【念動】で上げ、【浄化】したら4分割にして仕舞う。


 桟橋の近くに焼き場やカマクラなどを作り、今日はここで野営とする。皆は体を動かしており、固まった体を解しているようだ。とりあえず海は越えたので、舟の上で暇な時間を過ごす事はもう無い。後は陸地を進むだけだ。


 皆の体も解れてきたのか、大きく伸びをしている。今日も少し早めに夕食を作るか。エリアに麦飯を任せ、フォルにスープを頼む。子供達とメルにはサラダを作ってもらい、俺は暴食竜の塊肉を焼く。


 それを見た瞬間、全員が歓声を上げたが、まずは香辛料を塗して放置する。直ぐに焼き始めたら麦飯が炊ける前に焼けてしまうからな。少し自然に置いてから、【熟成】を使って焼き始める。じっくりゆっくり【加熱】していこう。


 皆が楽しみにしているが、足下で騒がれても早くはなりません。脛にぶつからないでください、早くなりませんよ。興奮しているダリアはイデアが連れて行ってくれて、今は蓮と遊んでいるようだ。相変わらず騒ぐなぁ、ダリアは。


 それはともかく、いちいち邪魔されると集中し辛いのを分かってるのかね? 最高に美味しい焼き加減じゃなくなったら、どうする気なんだ。口には出さないが、邪魔するってそういう事だぞ。


 中から【加熱】して火を通した肉は、可能な限り旨味が外に出ない様に焼いた。後は切り分けて食べるだけだ。丁度、麦飯の蒸らしも終わったようだし、切り分け終わったら配膳して食べようか。………それじゃ、いただきます。



 「うん! なんかいたべても、りゅうのおにくはおいしいね! このおにくも、かむとおいしいおしるがでてきてすごいの! かめばかむほど、おいしいんだよ!!」


 「それは何度も食べてるから知ってるけど……。うん、やっぱり凄く美味しいや。むしろ竜は美味しくて当たり前な肉だけど、それが分かっていて何故そうなるの?」


 「言っても無駄だろうさ。本人には多分だけど自覚は無いと思うよ。興奮してて、気付いたらそうなるんだろうさ。前にアルドも言ってたけど、美味しい物を食べた時だけなんだから、放っときゃいいのさ」


 「まあ、美味しい物を食べて大喜びしているだけですしね。エイダは2回目ですけど、今回は固まっているようです。まあ、色んな反応の人が居て良いのではないですか?」


 「そうね。美味しい物を自分なりに味わっているだけだし……特に怒る事でも、めくじらを立てる事でも無いわ。それよりも、しっかり味わいましょうか。竜のお肉もそこまで多い訳ではないんだし」



 メルの一言で、イデアも竜の肉を黙って味わい始めた。いつもと違う蓮に引っ掛かったのだろうか? それとも語彙力の低下に疑問を持ったのだろうか? 特に気にする事じゃないが、引っ掛かる時は引っ掛かるからなぁ。


 気にする事じゃなくても、気になる事もあるし。きっと、そんなものだろう。肉を味わったら気にならなくなったようだし。


 竜の肉を堪能した夕食後、皆は食休みだが俺は後片付け中だ。それ自体は大した時間も掛からないのだが、エイダがここからの旅路を聞きたいようだった。まあ、エイルアーダ皇国から相当の距離を移動してきているからな。聞きたくなるのも分かる。



 「ここからだと砂漠を越えてムル国へ行き、その先の草原を越えたらガイアルム王国さ。その国の南西にある<大森林の壁>と言われる町、ルーデル町がアタシ達の一応の拠点だよ。不老長寿のアタシ達にとっては、終の棲家なんて無いからね」


 「うむ、それはそうだの。私も初代として皇国に居ただけで、何処まで生きるか分からぬ以上は終の棲家とは言い辛かった。それに、あの甘い皇帝では国が傾くやもしれぬ。まあ、商会の方は問題無かろうがな」


 「あの皇帝も微妙なところですね。一歩間違えれば暗愚になる可能性を持っています。どんな者でさえ可能性はあるのですが、普通の者に比べても高いと言わざるを得ませんね」


 「あの皇帝はどうでもいいわ。アルドを侮辱しておきながら、謝罪する事も無く逃げた程度の小者だもの。皇帝としての責任もとらずに逃げた恥知らずよ? その程度の国にしかならないわ」


 「あの暗愚はどうでもいいとして、ここまで戻ってきたなら、もう少しという所だね。砂漠で1泊する必要はあるだろうけど、言い換えればそれだけで済む。木像の御蔭で最短で進めるからね、本当に助かるよ」


 「最初に見た時には、何故こんな物を? と思ったが、ここまで移動範囲が広がると助かったというのが本音だ。神様方はここまで考えて下ろされたのだと思うが、改めてアルドの神命が大変だというのが分かるな」


 「数億年分の邪気を綺麗にしろ、だからね。冗談でも何でもなく、早々簡単には終わらないよ。何より人の居ない所のダンジョンに行けとか言われたら、僕らでも難しいよ。それでも行かなきゃいけないんだけどさ」


 「海の上にひっそりとある島にダンジョンがあったらどうします? そんな所に行けと言われても困りますし、高い山の頂上とかだと木像でも無理でしょう」


 「神様達だからね。海の島はともかく、山の頂上はありそうな気がするよ。高い所だと邪気を集めやすいとか言って、特に高い山に設置してそうな……。何だろう、考えれば考えるほど有りそうな気がしてきた」



 俺も有りそうだと思うけど、正直に言って止めてほしい。富士山の時にも思ったが、人間種が行けない所にダンジョンを置かれても困るんだよ。富士山は何とか行けそうだけど、エベレストの高さとかは無理だぞ。


 不老長寿とか関係の無い、超過酷な場所に作られても困るんだよな。さすがに神様も、そんな馬鹿みたいな事はしていないだろうけど。それなりに不便な所という程度なら作っていそうではある。


 皆で言いたい事を言い合っていると、子供達が舟を漕いでいたのでカマクラへ2匹と一緒に入れた。適当に寝かせ、【昏睡】を使って眠らせたものの、皆はダンジョンの位置の話で盛り上がっている。


 カマクラを閉じて皆と話していると、リューが子供達がいない事に気付いた。俺が子供達は既に寝ている事を話すと、今日は外で女性陣に囲まれる。皆を返り討ちにした後カマクラの入り口を壊し、【念動】で運んで寝かせていく。


 カマクラ内と体を綺麗にしたら勾玉を使うのだが、西は海で東は砂漠だからか、殆ど邪気を吸い込めなかった。やはり流れて行ってしまう地形では溜まらないのだろう。となると、小さな島にダンジョンは無いな。


 山の可能性が上がるが、誰も到達できない様な所にダンジョンは作らないだろう。仮に作ってあっても俺に行けとは言うまい。そんな場所、死亡確率が高過ぎるからな。


 神様達ならばおそらく、無理に危険な所へ行かずに浄化し続けろと言うだろう。その方が邪気の総量を減らせるからな。大事なのは邪気を浄化する事で、危険に挑戦する事じゃない。俺は冒険家でもアルピニストでもないんだし。


 下らない事を考えてないで、そろそろ寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。



 ▽▽▽▽▽


 1618終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2906枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2643枚

 大銅貨1309枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神銀の錫杖

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 神銅の数珠2個

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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