1612
<異世界792日目>
おはようございます。今日はエイダに聞かなければいけない日です。まずは朝の日課を終わらせて、緑茶を水出しする。そういえば東に帰るなら、緑茶を大量買いしてから帰らないといけない。忘れないようにしておこう。
エイダを【覚醒】で起こして挨拶したら、まずは昨日保管した心臓を食べさせる。嫌な顔をしたものの、食べないという選択肢は無いので無理矢理に咀嚼して流し込む。その結果、再び痛みに呻く事に。
痛みが治まった後のエイダは体の中から完全に綺麗になっており、見た目の年齢は20歳前後になっていた。胸と尻はバランスの良い大きさ、そして女性らしいくびれと肉付き。これがサキュバスなんだなと納得する容姿になっている。
町行く男女全てが目を奪われる、それほど高レベルの美女がそこに居た。それでもイデアと同レベルなのが何とも言えない。イデアさん、貴方レベルが高すぎますよ? そんな下らない事を考えて落ち着く。
ついでに角が小さくなり、瞳のピンク色が非常に濃くなっている。明らかに縦に割れた瞳孔をしており、より悪魔に近くなった感じかな? やる事は【誘惑】だし、俺には効かないよ。
エイダは強くなった力を試したんだろうが、俺には全く通用しなかった。逆に【房中術】と【至天】を使ってディープキスをしてやり、朝から撃沈させておく。心臓で強くなったからといって、舐めてもらっては困る。
緑茶を飲みながらゆっくりしていると、イデアが起きて部屋を出た。その後、帰ってきたらコップに緑茶を入れる。少しづつ飲んでいるとエイダに気付いたらしい。床に寝てるけど、気付くまでに時間が掛かったな。寝惚けてる?。
「あの、何でこの人は床に寝てるんです? ……もしかして、凄く寝相が悪いんでしょうか?」
「いや、そうじゃない。エイダはサキュバスだから、種族的に【誘惑】が使えるみたいだ。邪生の心臓で強化されたのか、俺に使ってきたので反撃でああしてやっただけだよ。強くなったところで、【誘惑】が効くほど俺は甘くない」
「ああ、そういう……。力が強くなったから試したかったんでしょうか?」
「多分な。皆が新しい武器を手に入れたら、とりあえず振り回すようなもんだ。そもそも効かないから、どうこうと言う必要も無い。だから皆も気にするな、そもそも効かないから」
女性陣が起きてきており、しかも先ほどの話を聞いていたのでフォローをしておく。エイダも俺を【誘惑】で云々とは考えていない。そもそも俺に対して悪意も敵意も持っていない以上は、使ってみたかっただけだろう。
女性陣が怒るのは分からなくもないが、ちょっとしたお遊びみたいなもんだ。納得したのか女性陣は部屋を出たが、俺は水皿に神水を入れながら安堵の息を吐いた。こういう下らない事で揉めるのも嫌だし困る。
皆が部屋に帰ってきた頃に、ようやくエイダも回復したようだ。種族として【誘惑】が使えるからか、もしかしたら念力と相性が良いのかもしれない。つまり、サキュバス族の弱点は念術か?。
「アルドがそう言うくらいなら、そうなのかもしれないね。それはともかく、これまた驚く程の美人になってるねぇ………。サキュバスやインキュバスは異性を誘惑する種族とはいえ、これが不老長寿のサキュバスかい?」
「それもありますけど、多分アルエル以上に原初に近いんだと思いますよ。非常に濃いピンク色の眼をしてますし、妙なオーラのある角も持ってます。まあ、力は制御できているようですから問題ないのでしょう」
「流石に私も有象無象を【誘惑】する気は無い。旦那様以外を【誘惑】する気は無いが、旦那様には全く通用せぬようだ。それと【誘惑】の力の使い方はよく知っているのでな、制御する事は難しくない。そもそも私に有ったものなのだ」
「それなら問題無さそうね。とはいえ、本当に美人になってるわ。朝から心臓を食べたんでしょうけど、貴女20歳前後まで若返っているわよ? 貴女を見ても知り合いは気付かないかもしれないわね」
「ほら、手鏡を渡すから見てみるといい。昨日以上に変わっているよ。流石に驚くしかないけど、不老長寿の割には歳をとり過ぎていたとも言えるね。まあ、見た目の話だけど。実際の年齢なら私の方が遥かに上だからさ」
「そういえば、聞かなきゃいけないのを忘れてた。エイダに聞きたい事がある。エイルアーダ皇国の西には行けないのか? この国が西の端とは聞いたが、何故西の端なのかは聞いていないんだ」
「うむ? 我が国の西は大森林と極めて高い山が連なっておる。西の方まで行けば分かるぞ。何処まで続くか分からぬ森と、遠目でも見える高い山がな。その近くにあった町が私の出身地だ。つまり西の端こそが、旧エイルアーダ王国なのだ」
「成る程な。大森林に高い山………何となくだが、特異点な気がする。エイダ、もしかしてそこから出てくる魔物は際限が無かったんじゃないか? 無限に湧き出てくるように出てこなかったか?」
「よく分かるな。だからこそ私が生まれた町が1番森に近かったのだ。昔から森の魔物の素材で儲かっていた町でな。私を含め10人ほどしか助からなかったが、スタンピードで滅ぶまでは豊かだったのだ」
「そんな事がな……。数百年前の事だから何かを言っても仕方がないが、スタンピードに関しては諦めるしかないか。それで、アルドはそれを聞いてどうするのだ? 大森林と同じく突入するのか?」
「しない、しない。向こうの特異点を越えたのは様子見をする為だけだよ。こっちの方は越えられるか不明だ。何より高い山がな……危険すぎる。流石に山を舐める訳にはいかない」
「では、東の大陸に戻るという事で決まりですね。エイダも昨日ヤられた以上は、絶対についてくるでしょうし。若返っている事を知られても面倒です。さっさとこの国を出ましょう」
「エイダの狩人登録だけはするからな。いちいち入都税なんかを払うのが面倒臭いから。エイルアーダじゃなく、エイダとして登録すればいい。それなら騒がれないだろ」
「そうだね。そうと決まればさっさと食堂に行こう。子供達もそうだけど、お腹空いたからさ」
確かに子供達もお腹を空かせているようなので、送風機や冷房などを収納し忘れ物がないか確認する。全て終わったら宿の玄関に行き、キャンセルと返金不要を言ってから食堂へ行く。
大銅貨14枚を支払って朝食を注文したら、席に座って適当に待つ。大した時間も掛からずに運ばれてきた朝食を食べ、終わったら狩人ギルドへ。中に入ってエイダの狩人登録を行う。
銀貨1枚を支払い、登録用紙に記入している最中に声を掛けてくるバカが居たが、ウチの女性陣にボッコボコにされていた。それはもう、敢えて顔が腫れ上がるように殴られ張られていた。地味に酷い。
登録が終わったので、ギルドを出て食料店に行く。銀貨2枚分の野菜と、金貨2枚分の緑茶を買って店を後にした。店にあった緑茶を買い占める形になったが、気にしなくてもいい。他にも緑茶を扱う店はある。
皇都でやるべき事も終わったので、さっさと出よう。皇都の入り口へと行き、登録証を見せて外に出る。ある程度離れたら木像を出して乗っていく。馬、牛、狼、虎、熊、猪。木像も6体並ぶと凄いな。
ちなみに象の木像は大きいので出していない。それぞれに2人ずつ乗り、俺の所にはダリアとフヨウも乗っている。俺と一緒なのはイデアだ。何故かじゃんけんに参加して、しかも勝っていた。最初に負けた蓮は悔しそうにしていたが……。
さて、皆も乗ったな。ではそろそろ出発しよう。ここでグダグダしてても、クソ貴族かアホ狩人に絡まれるだけだ。皇都から離れたとはいえ、チラチラ見てくる奴が居るんだよ。木像っていう見慣れない物に乗ってるからだろうけど。
皆も準備は完了のようだ。では出発!。
▽▽▽▽▽
1612終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2906枚
大銀貨1713枚
銀貨2644枚
大銅貨1569枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神銀の錫杖
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
神銅の数珠2個
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




