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1610




 エイダの呻き声が治まったが、うつ伏せで苦しんでいたので変化が分かり難い。【空間把握】を使うと顔のシワなどもかなり減り、肌に張りが出てきている。更に永きに渡り降り積もったであろう、体の節々の歪みや蓄積していたダメージが回復している。


 総じて言うと、40代前後の見た目だったのが30代前後ぐらいの見た目になり、体の内部も相当に回復した。もともとDぐらいだった胸は全く大きくなっていない。サキュバス的にはコレぐらいが1番良いのだろうか?。


 痛みが無くなって起き上がったエイダに手鏡を渡すと、自分の顔に驚き大きな声を上げた。自分の顔を色々な角度から見ていたが、落ち着いたタイミングを見計らって、女性陣が邪生の心臓の効果と恐ろしさを伝えている。


 流石はサキュバスと言うべきか、女性の美に対する執着を一瞬で理解し、絶対に口を割らないし洩らさない事を誓った。特に呪いと邪気が異常に濃い奴だったので、その分効果が高かったのは間違い無い。後、大量に増えた魔力と闘気も忘れないであげてほしい。


 エイダの興奮も落ち着いたので、作ったブーツと指貫グローブにブラを渡す。女性陣に着け心地などを聞いたりしながら着け、何故かフィットする皮に驚くと同時に怖がったりしたが、やるべき事は終わったので先に進もう。


 転移紋から27層へと進むと、再び平原でありネイルラビットしかいない。ちょっと嫌な予感がするなーと思ったら、予想通り南から強烈な呪いと邪気を感じる。今回はエイダも気絶しなかったが、むしろ気絶できない方がキツイみたいだ。


 皆と一緒に南へ行き、一定距離より先には俺だけで行く。今回出てきたのは熊だが、またもやドス黒い個体だ。俺は相手の攻撃を回避しながら勾玉で吸引し、【神聖世界】を使って弱体化させ浄化しきる事に成功した。


 熊だからか、スピードよりもパワーが凄かった。とはいえ、<当たらなければどうという事はない>という言葉通りの戦いで、前の層の猪より楽だったな。やはり速度がある相手の方が厳しいと言わざるを得ない。


 そして、そんな事よりも魔力の減りがヤバい。【神聖世界】に関しては既に9回ほど使ってきている。多分だけど、使えても後5回か6回だ。相当の魔力を持っていても、バカみたいに魔力を消費する所為で厳しい。次の層でも出てきたら本当にヤバイな。


 心臓を抜き出してエイダに食べさせると、必死になって食べている。お腹が厳しいのだろう、さっきも猪の心臓食べてたし。それでも頑張って食べきったが、再び激痛に呻く事になった。やはり、そう簡単には体のダメージは回復しないか。


 少なくとも350年もの間に蓄積したものだ。皆もそうだったが、エイダの場合は女王の時のストレスやら何やらで、体の様々な部分のダメージが回復しきらないままだった。結構自由に暮らしてきた、ダナ、シュラ、アルメアとは違うという事だ。


 これを言うと怒られそうだが、力のある不老長寿と力の無い不老長寿の差なんだろうな。少なくとも3人は使われるような事は無く、エイダほどのストレスを溜めこまずに済んだという事でもある。もちろん3人にも辛い事が沢山あったのを前提として、だ。


 熊の毛皮できぐるみを作り、それをエイダに渡しておく。既に痛みは治まっていて、見た目は20代の半ば。ポッチャリしていた体型が結構なプロポーションになっており、サキュバスというイメージに近付いたな。ポッチャリ部分が胸とお尻に移動している。


 Eに凄く近いDだったが、今はギリFまでいったようだ。それの痛みもあったらしいが、本人は綺麗になったのと含めて物凄く喜んでいる。ブラを外してもらい手直しし、再び着けさせる。嬉しいのは分かるが時間は多くない。次に行くよ。


 27層の転移紋に乗ると、再びの平原でネイルラビットしかいない。マジかよ……まだ出てくるっていうのか? もう勘弁してほしいんだけど。文句を言っても始まらないし、転移紋の前に居やがるからなぁ。避けて通れない。


 今回も途中から俺だけで進み、出てきたのはドス黒い巨大な亀だった。首を伸ばしてきたので慌てて避けるも、移動速度はビックリするほど遅い。首の動きが異様に速いだけで、その巨大さの所為もあり移動速度は普通の亀より遅い。


 ………なんだ、コレ? 何か失敗作を見せられている気分だ。正直に言って、最初の猪が1番強かったんだけど……。進む毎に弱くなっていくってどうよ? そう思いながらも【浄化】の権能で一気に浄化していく。


 ……そういう事だったのか、成る程ね。コイツ移動が凄く遅いが、その反面、手前の層で出てきた2頭以上に呪いと邪気が濃い。それでも【浄化】の権能だけで済むので楽ではある。【集中】を使って空間ごと真っ白にしてやって終わった。


 心臓を抜き出して樽に入れる。それぐらい心臓が大きいのだから仕方が無い。流石にこの大きさの物は今のお腹の状況では食べられないので、保管一択だ。アイテムバッグに入れておき、先へと進もう。


 亀で使えそうなのは甲羅ぐらいだが使い道が無い。なので【粉砕】して処理しておく。そろそろ終わってほしいところだが、先へと進まないと始まらない。皆、そろそろ行こうか。


 転移紋に乗り28層へと到着した。光が止むと平原で、遠くにはケバいのが見える。認識した瞬間ゲンナリしたのは心の中に止め、俺は皆に指示を出す。



 「皆、ここが最奥なのは間違い無い。ボスは遠くに見えている土偶や埴輪だ。おそらくは兵馬俑と変わらない人形ばかりのボスだ。皆、散開して迎え撃つぞ!」


 「「「「「「「「了解!」」」」」」」」


 「分かった!」 「分かりました!」 「り、了解」


 「ニャー!!」 「………」



 大分前に何かに採用された気がするって思ったんだよ。でもさ、土偶や埴輪がショッキングピンクってどういう事だよ? ゲーミングカラーじゃなくて良かったとは思うが、それでも色々おかしいからな? 神様かシステムは何考えてんだ。


 遮光器土偶や戦士の埴輪がショッキングピンクで、それが動いて襲ってくるんだぜ? 理解不能だし、目立つ色が動き回るしで大変だよ。視界にチラチラ映りやがるんで異様に戦い辛い。これはこれで厄介極まりないな。


 子供達は木馬を降りて戦っており、エイダが自分で動かして逃げている。というか、後ろから近付いてきた埴輪を蹴り飛ばして潰した。何故か木馬で戦えているので、あれは放っておいても大丈夫だな。


 それよりも兵馬俑の時と同じで、敵の増援が一向に無くならない。どうやらコイツらも無限おかわりをしてくるパターンみたいだ。壊れた土偶や埴輪は邪気になって向かってくるが、それは全て俺が吸引して【浄化】している。


 その為、満足に戦えてないが指示を出す事は出来る。ボスっぽいのが居る筈なんだがおかしいな? いったい何処に居るんだろうか。おそらくソイツを倒さないと……って居た! なんでコイツだけ普通なんだよ!!。



 「皆、北東の方角に遮光器土偶が居る! あの目の所が筋になっている土色の土偶! アレがおそらくボスだ!」



 俺がそう言うと、馬形の埴輪とそれに乗った戦士の埴輪が皆の行く手を阻む。土器の人形だとはいえ、馬鹿に出来ない威力の攻撃だ。馬形の埴輪は突進してくるし、近くに来たら戦士の埴輪は馬から降りて襲ってくる。


 ボスの遮光器土偶だけ色が違うので分かりやすいが、その反面なかなか近づけない。そんな中、まさかの事態が起きた。攻めあぐねていた皆を尻目に、遮光器土偶を大回りで背後から攻めた人が居る。まあ、エイダなんだけど。


 相手も予想外だったのか、木馬で突進したエイダから逃げるように動き、一気に接近したシュラがウォーハンマーでカチ割ったのだ。その一撃で終了し、出現していた土偶と埴輪は全て邪気になった。


 俺が吸引していたので大事には至らず、全て【浄化】して終わった。やれやれ、ショキングピンク地獄がやっと終わったか。それにしても、何て物に採用するんだか。ゲーミングカラーは採用できないだろうから気にしなくてもいいだろう。


 こんなに目に悪いボスは初めてだ。七色竜よりタチが悪い。



 ▽▽▽▽▽


 1610終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2908枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2647枚

 大銅貨1598枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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