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1607




 食事を終えた俺達はメイドに案内される形で離宮と皇城を後にした。貴族街の入り口でメイドと別れ、俺達は平民街を進む。近くを歩いている人に大銅貨を渡しつつ、お薦めの宿と食堂を聞くと幾つか教えてもらえた。


 その中でも少し奥まった所にある宿に行き、大部屋を確認するとあったので、銀貨4枚で10日間借りる。部屋に行き、送風機と冷房を設置して起動。キンキンに冷えた神水を入れ、これからの事を話し合う。



 「さて、これからなんだが……まずはダンジョン攻略だ。エイダは知らないだろうから言っておくが、俺が浄神から命じられた神命は”浄化”だ。邪気を浄化する事。説明するとこれだけなんだが、それが終わるのは数百年先か千年先かと言うところだ」


 「驚くほどに壮大なのだな。いや、邪気の浄化とは世界の全てという事か? ……それでは千年かかると言うのも頷ける話だ。それほどの神命を持つが故に、あれほどまでに強いのだな。今やっと納得出来たわ」



 まあ、そう言えなくもないんだけど、神様連中の場合は俺で遊んでた気もする。暇潰しというか、何というか。そんな事に使われたと思わなくもない。それと身体強化の事も教えておき、部屋の中で訓練を開始する。


 体を動かすならともかく、魔力と闘気の循環だけなら部屋の中でも出来る。どのみち身体強化は真っ先に覚えてもらわなければ困るので、今から【集中】を使って徹底的に教えよう。


 ……はい、今は宿の裏庭にある小さいスペースを借りてます。長い時間があったからか、エイダは魔力と闘気の正しい感覚は既に持っていた。後は体を動かしながら極僅かな身体強化を使い続けるだけだ。そして、それは上手くいってます。


 流石は350年も生きているだけはある。教えれば何となくで理解できるようだ。おそらく【誘惑】の力を使ってしてきた事が、経験として生きているんだと思う。前にも思ったが、人生何が良い結果に繋がるか分からないなぁ。


 そのまま【集中】を使い続けてエイダに練習をさせていく。厳しいかもしれないが、俺達についてくるという事は死の危険があるという事だ。なるべく生存確率を上げておく必要がある。それに強くて悪い事など何も無い。


 夕食まで練習させ、部屋に戻ったら送風機や冷房を片付けて食堂に行く。大銅貨14枚を支払い夕食を注文したら、席に座ってゆっくりと待つ。雑談していると、近くから大きな声が聞こえてきた。



 「なんかさ、今日貴族街の方で皇都の兵士が走り回ってたけど、あれ侯爵家の人達が殺されたからなんだって。何でも執務室の机の上に、侯爵家全員の首が並べてあったそうよ。凶悪な犯罪者が居るって大騒ぎになってたみたい」


 「首って……え!? 首から上って事? ………うわぁ、頭がオカシイとしか思えない。相当の怨みを持つ奴がやったのかな? もしくは何かおかしな犯罪集団とかが皇都に来たのか、それともアサロマが皇都にちょっかい掛けてきたのかも」


 「アサロマはどうかなぁ……。あそこ小国だし、こっちに喧嘩売ってきても勝てないって知ってるでしょう。やってきても嫌がらせじゃないの? 今回みたいに貴族を惨殺って無いと思う」


 「でもさ、例えば裏でアサロマと繋がってたかもしれないじゃん。……アレ? もし繋がってたとすると、特級騎士の人達に始末された? うーん、噂も止めておいた方が良いかも。ちょっと危なそうな気がする」


 「私もさっきの話聞いててマズいって思ったわよ。そもそも侯爵って貴族の中でも1番上だし。その上って皇族しかいないしね。どう考えても触れるだけでヤバイのが分かるもん。この話題もうやめよ」



 どうやら首を置いた事までが知られていて、平民街でも話題になっているようだ。しかし何故平民街でまで知られているんだ? この国の情報統制はどうなってんだ。普通は貴族が殺された事までで、首が置かれていたという具体的な情報の流出はマズいだろうに。


 調べていた兵士から流出したのか、それとも騒いだ連中から流出したのか。ここはしっかり調べておかないといけないんだが、エイダが渋い顔をしているって事は知らなかったんだろうなぁ。もしかしたら情報関係はガバガバなのかもしれない。


 夕食後、部屋に戻って子供達と遊ぶ。エイダもトランプで遊んでいるが、子供達は容赦無くフルボッコにしています。初めてなんだから手加減してやれよと思わなくもないが、エイダも本気でムカついているみたいなので放っとこう。


 遊びも本気でやらなきゃ意味が無い。俺はダリアとフヨウの相手でもしよう。たまにはブラッシングでもしてやるか。そう思い神獣の毛のブラシを取り出して、ダリアをブラッシングしていく。


 あっと言う間に目がトローンとしてきたが、まだ何とか踏ん張っているダリアさん。必死の抵抗も空しく瞼が落ち……今日は予想外に頑張って抵抗してるぞ? それならそれで普通にブラッシングするから別に良いんだけど。


 ある程度ブラッシングしていると遂に限界を迎えて撃沈した。フヨウも表面を撫でてやり寝かせたら、子供達の紐を外して梳いてやる。子供達は抵抗する事無くアッサリと寝たので、【念動】を使って布団に寝かせていく。


 それを見た皆が脱ぎ始めたが、何故かフォルとリューがエイダを脱がせていく。太ってはいないが、ちょっとポッチャリなエイダは恥ずかしそうにしているが気にしなくていい。皆はニヤニヤしていて、エイダに先を譲るようだ。


 俺は子供達と2匹を【昏睡】で寝かせた後、【房中術】【精気】【極幸】の3つでキメて寝かせていく。エイダには大変申し訳ないんだが、今日はこれから皇都の裏組織の殲滅に向かわなきゃいけない。だからゆっくりとはしていられないんだ。


 雑に扱っている訳ではないので許していただきたい。そんな言い訳をしながら皆をベッドや布団に寝かせていく。部屋と体を綺麗にしたら勾玉で邪気を【浄化】し、これで準備は完了だ。


 隠密の4つの技を使い窓から外に出たら、暗殺者から聞いていたアジトの場所に行く。皇都の東の一角にある建物へと侵入し、その建物内の者を【昏睡】で眠らせたら聖人化を始める。侯爵とかいうゴミと違い、こいつらには役に立ってもらおう。


 赤く光る奴だけではなく、組織の人員を全て聖人にしていく。まあ、青く光る奴なんて1人も居ないんだけど。そうやって聖人化しながら上の階へと進んで行くと、誰もいない部屋の向こう側にハシゴが隠されていた。


 壁を横にスライドさせると開き、そこからハシゴを使って地下に下りる。俺は【空間把握】ですぐに分かるが、普通の奴なら兵士や騎士でも見つけられないんじゃないかと思う。厄介なことしやがって。


 ここは皇都の東の端に近いが、地下から皇都の外に道が続いている。つまり脱出路が整備されているって訳だ。毎度思うのだが、地下室からの脱出路って無駄に労力を掛けているだけの気がする。俺に対しては意味が無いしな。


 脱出路がある事がバレたら先手を打たれるし、そういう意味でも労力とリスクに合ってないと思う。それはともかくとして、地下にいる奴等もどんどん聖人にしていって終わらせよう。こいつらに構っている暇もあんまりないし。


 幹部と思しき連中も聖人に変え、残るはボスだけだ。なので尋問してから聖人化するのだが、どうやらコイツは祖先がヴァルンドル侯爵家の者だったらしい。だからこそヴァルンドル侯爵の依頼を請けていた。


 とはいえ面倒な仕事が多く、その割には報酬が良くないので辟易としていたそうだ。自分の政敵を暗殺させていた事もあるらしく、この組織の連中からすれば断れない面倒な客だったらしい。だろうな、としか思わないが。


 さて、聖人化も全て終わったし、さっさと帰ろう。どうもインキュバスの子への襲撃は、皇帝も言っていた通りヴァルンドル侯爵の独断だったようだ。だから報復はこれで終わりとなる。


 裏組織のアジトを脱出し、宿の部屋へと戻る。もう1度部屋と体を綺麗にしたら、布団に寝転がり目を瞑る。明日はダンジョン攻略だから早く寝よう。今日も一日お疲れ様でした。



 ▽▽▽▽▽


 1607終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2908枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2647枚

 大銅貨1612枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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