1602
騎士が部屋をノックしてきたので返事をすると、扉を開けて初代が夕食をとると伝えてきた。子供達に片付けるように言い、俺も部屋の中を片付ける。忘れ物がないか確認したら、1階に下りて怪しい人物が居ないか調べていく。
子供達が下りて来た後、初代と女性陣が下りてきた。俺は大銅貨13枚を支払い夕食を注文すると、女性陣が空けてくれていた椅子に座って夕食を待つ。そういえば、初代と何を話してたんだ?。
「ああ、大した事じゃないよ。アタシ達が不老長寿として日々をどう生きているかとか、女として満足出来ているかとか、そういった話さ。子供達がいたら出来ないから、アルドの居る部屋へと子供達が行ったんだよ」
「そういう理由だったのか。まあ、子供は子供同士で遊んでいて楽しそうだったから良いんだけど、護衛対象は子供の方がメインだからさ。それが子供同士だけで動いているから、ちょっと驚いたよ。2階は貸切だから問題は無いけど」
「すみません。話が弾んで楽しかったのですが、1番楽しそうだったのはエイダなんですよ。サキュバスの本能なのか、それとも本人が好きなだけかは知りませんが、【房中術】を始め根掘り葉掘り聞かれました」
「性に関して貪欲なのかもしれないけど、それを発揮する相手は居るのかしら? 居るのなら良いけれど、居ないなら聞いても虚しくなるだけよね。その割には嬉々として聞いてきたのよ。やっぱり相手は居るのでしょうね」
「さて? 女王として永くいて、不老長寿として祀り上げられていたなら、”そういう”話をする相手も居なかっただろう。遅れてきた青春じゃないけど、出来なかった事を今しているだけかもしれない」
「そういえば若い頃に建国女王に祀り上げられてから、永きに渡って女王としての政務を行い、その立場を退いても昔と同じ平民には戻れないのか。そうなると厳しい人生だったと言えるのだろうな」
「アルドもよく言ってるもんね。立場なんて得たら碌な事にならないって。どれだけ活躍しても権威とか権力とかを欲しがらないのは、そういう理由からなんだと分かっているけど、改めて考えてもアルドの生き方が正解だと思うよ」
「面倒な立場になれば雁字搦めにされますから。そうなると身動きがとれず、気付いたら何かに絡め取られてしまうでしょう。<政治の場は魔境>とも言いますが、そこに関わる立場と言うのは碌なものではありません」
「しかも、その立場を得たら洩れなくクソ貴族の仲間入りだよ? こっちからお断りだとアルドが言うのは当たり前の事さ。あたしだってゴメンだね! 貴族になんて絶対に関わらないよ」
「まあまあ、エリアが貴族関係が大嫌いなのは分かっていますから、落ち着いて下さい。それはともかく、妙なのが入り口近くに来ましたね。気配が変と言いますか、濁っている者がいます」
「そこまで分かるようになったのは素晴らしいが、そろそろ皆にも【念術】の【敵意察知】と【悪意感知】は教えておいた方がいいかね? 【気配察知】だと限度があるからさ。それにしても、本当に上手くなったなー。皆」
「そりゃねえ。エイダとも話したけど、毎日と言えるぐらい愛し合っているんだから、イロイロ上達するのは当たり前さ。アタシ達だって、ただ幸せになってるだけじゃないんだよ?」
残りの女性陣が頷いているが、”それ”で色々上達するのは貴女方だけですよ? 確かにそういった行為でも上達するけど、物事には限度というものがあると思うんだ。俺の想定を突破して上達し続けているのは、明らかにオカシイんだけど……。
上達してるんだから口には出さないけどさ、こんな方法で伸び続けるというのもどうなんだろう? 確かに毎日と言えるほど”修行”をしているのは間違い無いが、それにしたって……。
ここまで伸びるのは想定外だし、未だ伸び続けているのは想定外すぎる。エロは強いと言うけれど、ここまでだとは思ってもいなかった。というか、神様達にとっても想定外なんじゃないかな? 性とか愛の神が勝ち誇っている気もする。きっと気のせいだろうけど。
夕食後、部屋に戻って送風機と冷房を設置して起動する。インキュバスの子は初代と共に部屋に戻ったし、女性陣と子供達はこちらの部屋に戻ってきて暢気に酒を飲んでいる。今、護衛の仕事中なんですけど?。
「そこまで深酒はしないよ。1、2杯飲むだけさ。明日には皇都だし、城に入り込んでしまえば早々手出しは出来ないよ。たとえ侯爵といえど、城の奥深くにあるっていう初代女王の離宮には手を出せないそうだしね」
「成る程。そこにあの子供を匿うのか。しかし出入りする者は居るだろうし、完全に安全だとは言えないだろうけど。でも、守りやすくはなるか。とはいえ、狂信者は本当に面倒臭い。気に入らないというだけで子供を殺そうとするんだからな」
「本当に。頭のおかしさが際立ってますね。それはそうと、先ほどの入り口に居た者達。前の町と同じく、あの子供を狙ってきた者でしょうか? あからさまに濁った気配で分かりやすい者達でしたし」
「こちらに対して何かを向けているという事は無い。ただ、エイダやインキュバスの子に向けて、敵意と悪意らしきものは向けているな。今は外にいるが……」
「ディルもそういうのが分かるようになったんだね。長い間、【探知】の練習をしていたのは知ってるけど、それ以外にも色々練習してたのは知らなかったよ」
「いや、これは前に神界に行った際、念神様から叩き込まれたものの1つだ。【敵意察知】と【悪意感知】以外にも、幾つかの技の基本を習った。特に危険な技は、念神様が適当な生物を生み出されて、それに向けて練習させられたな」
「あー……、ディルもアレをやらされたのか。失敗すると狂うから怖いんだよ、アレ。悪用厳禁の技って難しいのが多いんだけど、特に精神を弄る系のヤツは失敗するとシャレにならない事になる。俺も最初は嫌な思いをしたよ」
「少し加減を間違えるだけで、完全に狂って崩壊するからな。アルドが皆には【念動】や【念話】しか教えなかったのは正しい。よほどの修練をしない限り、アルドの様にポンポン技を使うのは止めた方がいい」
「そんなにかい? それは、また……。とはいえ使い熟せるなら問題無いんだろ? ……それなら良いんだ。夜に結構技を使われてるからね。あたしは狂ってないとは思ってるけど、自分が狂ってるかどうか何て分からないからさ」
自分が狂ってるか分かるのなら、世の中に狂人はいないだろう。今回の裏にいる黒幕も狂っている奴だし、碌でもない連中って本当に居なくならないな。皇都に着いたら、件の侯爵とやらを聖人化しておくべきか……。
でもなー。俺は護衛なだけで、直接攻撃された訳でも無いし、こっちの命を狙ってきた訳でも無い。敵さんは一貫して子供しか狙っていないとも言える。それで騎士が怪我を負ったりはしているが、それでも狙っているのは子供だ。そこはブレてない。
考え事をしていたら連れて行かれたが、もう子供達も2匹も寝ていたようだ。【昏睡】を使って眠らせ、女性陣は優しく撃沈しておく。部屋と体を綺麗にし、勾玉を使って邪気を【浄化】したら準備は完了。
隠密の4つの技を使って窓から外に出た。宿の外で監視している奴等の裏側に回ると、俺の気配が消えたと騒いでいる。チッ、気配を探れる奴が居たのか。即座に5人を気絶させ、影になった路地に連れて行く。
白い枷を着けて尋問すると、この町の裏組織の連中だった。この町でも神殿と裏組織の連中を潰さなきゃいけないようだ。いちいち手間を増やすなと言いたいが、裏に居るのは狂信者なんで、成功するまで幾らでもやってくるか……。
これだから狂信者はイヤなんだ。成功するまでストーカーし続けてきやがる。失敗の理由を俺達に押し付けてきて、今度は俺達に粘着するかもしれないが、そうなったら素早く聖人化してしまおう。
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1602終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2908枚
大銀貨1713枚
銀貨2651枚
大銅貨1639枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




