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 大銅貨1枚を渡しつつ、6人から話を聞いた。やはりこの国の者は警戒心が強い。いったい何故かは分からないが、それでも金は受け取り食堂と宿は教えてもらえた。お薦めの宿へと向かっていると、後ろから尾けてくる奴等が居る。


 この町に入ってから直ぐに尾けていた訳ではなく、先ほどから急に後ろをついてくる様になった。金を渡した誰かが兵士か騎士に何か言ったのかもしれない。俺達としては手を出して来なければ何もしないが、果たして……。


 宿に入って大部屋を頼み、大銅貨10枚を払って部屋を確保する。少し早いが教えてもらった食堂に行き、大銅貨13枚を支払って昼食を注文した。未だに尾行連中が居るので、適当な雑談をしながらも【空間把握】で確認しておく。


 当たり前だが見た事の無い奴だ。更に言えば小奇麗な奴で、決して下卑た連中が欲のままに尾行している訳じゃない。何かを奪おうと尾行しているというより、俺達を監視していると考えた方が自然だと思う。


 昼食が運ばれてきたので食べていると、周りの客が話している声が聞こえてきた。



 「皇都であった火災の犯人は何処に逃げたんだろうな? 昔からアサロマの手の連中だと言われてるが、証拠は無いし掴まってもいない。本当に困ったもんだ。<特級騎士>の連中は何をやってんだか……」


 「おい、やめとけ! 誰が聞いているか分かんねえんだぞ。お前が捕まるならともかく、俺まで巻き添えにすんじゃねえよ。捕まるなら、お前だけにしてくれ」


 「悪かった。でもよ、その為の特級騎士だし高い給料貰ってるんだろうに。その割には犯人が全く捕まってないじゃないか。昔から妙な事件があるし、ずっとアサロマの連中の仕業とか言われてるけどよ、犯人を捕まえた事なんて殆どないぞ」


 「それは確かにそうだけどな、そう簡単に捕まえられるなら誰も苦労なんてしないんじゃねえか? それに、町中に犯人が居たとして、どうやって見分けるんだよ。御丁寧に本人が教えてくれるのか?」


 「いや、そこは怪しい奴を捕まえて連れて行って話させればいいじゃないか。そんな簡単な事が何故できないのかって事だ。俺みたいな奴でも簡単に思いつく事だぞ」


 「それで、お前も連れて行かれるのか? こんな所で特級騎士を批判してるんだから、連れて行かれても仕方ないと思うぞ。お前まさかだけど、自分は連れて行かれないとか思ってないよな?」


 「俺は怪しい事なんてしてないんだから連れて行かれる訳ないだろ。俺は怪しい奴って言ったんだぜ? 怪しい奴に俺が含まれる訳がないだろうに、いったい何を言ってるんだ?」


 「あのな。自分じゃなくて特級騎士の人達が怪しいって思ったら連れて行かれるだろ。それも問答無用で連れて行かれるって事だぞ、お前が言っているのは。気に入らない奴を怪しいって言って、それで連れて行かれたらどうすんだ」


 「いや、どうするって……。どうするんだ?」


 「駄目だ、コイツ」



 うん、俺もそう思う。自分は大丈夫なんて安易に考えている奴ほど危険な奴はいない。だからこそ、そういう奴ほど過激な事を言うんだよ。自分が被害者の立場になる可能性を考慮しないから、過激な事でどうにかなると思っているんだろう。


 そういう奴は元の世界にも居たし、馬鹿丸出しで冷ややかに見られていたな。だからこそ似た思想の連中で集まり、余計に狂っていくんだが。まあ、頭の悪い連中の事は横に置いといて、食事も終わったし宿に戻ろう。


 宿の部屋に入った俺は送風機と冷房を設置して起動し、【冷風】の魔法で部屋の熱気を窓から外に出す。換気が終わったら窓を閉め、【空間把握】で監視しながら皆と話を始めた。



 「今のところ尾行の連中はしっかり監視しているが、特に動きはないな。暑い中ごくろうさんと言うぐらいか。それはともかくとして、この国の首都で火災とは何とも言えないなー」


 「それもアサロマが関わってそうだって話だし、正面から戦えないから絡め手っていうのも分からないではないね。とはいえ最近の話だろうし、ベルゲストを攻めさせられる事に対する報復……かな?」


 「どうでしょう? 鉄を売ってもらっている国に対して、そんな短絡的な事をしますかね。もしやるとしたら秘密裏にやるでしょう。アサロマという国名をハッキリ出して、更には”昔から”と言っていましたよ?」


 「そういえば、そうだったわね。あからさまに怪しいというか、昔からアサロマの所為にしてきたという事かしら? それに<特級騎士>という聞いた事もない単語が出てきたわ。初めて聞いたという事は、この国特有の騎士なんでしょうね」


 「考えられる事は色々あるけど、今言っても想像とか妄想の類にしかならないよ。何となくは皆も想像しているだろうけど……。それよりも、監視の連中が居る所為で情報収集が出来ないけど、それはどうするんだい?」


 「また神殿の神官連中に聞いてくるしかないだろうな。同じパターンになってしまうが、確実かつ秘密裏に情報収集をするなら1番良い。神命がある以上は、神官どもの聖人化は確定だ。ついでに情報収集するのは、そこまで手間でもない」


 「そこまで……という事は多少は手間だって事か。当たり前と言えば、当たり前なんだろうけどさ。監視の奴等が居る所為で、それくらいしか方法が無さそうだね。他に何かある?」



 他の女性陣からも情報収集のアイデアは出なかったので、俺が聖人化のついでに聞いてくる事になった。これぐらいなら特に問題無いので、夜中にコッソリ情報収集してこよう。


 その事が決まった直後、子供達がトランプを持って俺の隣にきた。どうやら一緒に遊びたいらしい。なのでフォルやディルも混ぜて一緒に遊ぶ事に。子供達の遊びに付き合っていると時間が経つのも早く、気付いたら夕日が出ていた。


 部屋の中を片付け、忘れ物が無いのを確認したら食堂へと行く。監視の連中はまだ居たが、ご苦労さんとしか思わない。どうやら1部の監視は俺達が泊まっている部屋を調べようとしている。何も出てこないと思うが……。


 大銅貨13枚を支払い夕食を注文したら、席に座って雑談をしながら待つ。子供達も加わって他愛もない話をしていると、食事が運ばれてきたので食べ始める。いつも通り俺が【浄化】してから食べ始めるのだが、何かを【浄化】した感覚があった。


 皆には【念話】でその事実を説明しておき、素知らぬフリをして食事を終わらせる。古い食材を使っているか痛んでいたのか、あるいは毒を盛ったか。感覚はあれど特定できる訳ではないので困った。


 とりあえず皆が何かの毒で苦しんだり、食中毒などでお腹を壊す可能性は無くなったのだから良しとしよう。食事後、宿の部屋に戻って送風機と冷房を設置したら起動し、【冷風】を使って部屋の熱気を外に出す。


 部屋に入った連中は体臭が残るのを嫌がったのか、窓を開けていたらしい。その所為で部屋の中が外と変わらない温度になっていた。食事をしてきたといっても、そんなに長い時間ではない。にも関わらず、既に部屋がコレだからな。



 「監視の連中が部屋に入ったって事は、やはり監視している連中は貴族に関わりがある可能性が高いね。普通の宿だと、客の部屋に勝手に入れたりしないよ。それでも入れたのなら……」


 「十中八九、貴族に関わりのある連中ですね。もしくは金で客を売るような宿かでしょうが、その可能性は低いと言わざるを得ません。普通の場所ならともかく、ここは辺境伯領。他国との国境に位置しています」


 「そんな場所において金で客を売るような商売をしていると、どんな事でも疑われるようになってしまう。他国との国境など、特に己の行動と言動に気を付けなければいけない場所だ」


 「ディルの言う通りだし、だからこそ監視の者達が動き回っているのでしょうね。皇都とやらで火災があったから尚の事でしょうけど、それで私達を疑うのはお門違いだと思うわ。火災があった後に犯人が入国するかしら?」


 「もしかしたら犯人を迎えに来たと疑われているのかもしれないよ。ま、疑いだしたらキリがないんだから、向こうも何かあって疑ってる訳じゃないと思うけどね。精々、隣国から来た怪しい狩人って感じなんだろう」



 俺もそう思う。だからこそ証拠か何かがないかと、泊まっている部屋に勝手に入ったんだろうしな。



 ▽▽▽▽▽


 1593終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2908枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2651枚

 大銅貨1759枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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