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 <異世界786日目>



 おはようございます。今日はエイルアーダ皇国に向かって移動する日です。現在王都サロナに居るものの、国境まではそこまで遠くない。今日中にエイルアーダ皇国に入れるだろう。それは良いのだが、西の端なのが引っ掛かる。


 これ以上先に進めないのなら、エイルアーダ皇国のダンジョンを攻略後に戻らなきゃいけない。その際に再び海を越えなければいけないんだが、上手く越えられるのか疑問がある。季節によって海は荒れるからなぁ。


 場合によっては次の年まで、こちらの大陸に閉じ込められる事にもなりかねない。可能性は低いとは思っているものの、無い訳じゃないのが怖いところだ。とりあえずは後回しで良いものの、帰れなかった場合の事は考えておかないとな。


 朝の日課を終わらせた後、これからの事を考えていると皆が起きてきた。朝の挨拶をしたら皆が部屋を出たので、お茶と神水の用意をしておく。そういえば朝起きてから何も飲んでない事を思い出し、自分の分を入れて飲む。


 一息吐いていると、皆が部屋に戻ってきた。そこから一気に騒がしくなるものの、防音の魔道具は起動しているので問題無し。今日の予定を皆と話し合う。



 「今日はエイルアーダ皇国とやらに行くんだが、向こうの地理が分かっていないので、国境の町で一旦泊まる事になる。情報収集しない事には移動もままならないしな。それと、俺達の目的はいつも通りのダンジョンとなる」


 「向こうの国の領土は広大だって聞くけど、ダンジョンが多いかどうかは別だからねぇ。場合によったら大国だけど1つしかない何て事もあるだろうさ。それなら楽で助かるんだけど」


 「さて。もしかしたら本当にそうかもしれませんよ? 国が広大だからこそ、ダンジョンを欲するよりも領土の安定と発展が先なのかもしれません。だとすれば、それなりに優秀な王なんですかね?」


 「優秀かどうかは別にして、国としては大分マシだとは思うよ。欲望のままに欲するのではなく、まずは己の足下を優先しているんだからね。本来はそうあるべき何だけど、そうならないのが人間種というものさ」



 皆の話が政治的なものになり始めたので話を止め、部屋を片付けていく。全て片付け終わったら忘れ物がないか確認をし、部屋を出て受付へ。残りのキャンセルと返金不要を言って食堂へと移動する。


 大銅貨13枚を支払い朝食を注文したら、席に座って食事を待つ。少しすると隣の席に客が座り、なにやら話し始めた。



 「エイルアーダ皇国が攻めてくるって話、あれって嘘らしいぞ。知り合いの神官がそんな事を言ってた。何でも我が国に圧力を掛けてベルゲストを攻めさせたらしいが、それだけみたいだ。それとオールゲントも動かしたんだと」


 「何だそりゃ。俺達の国とオールゲントは当て馬かよ。いったい何考えてそんな事してんだ? だってこの国を攻める気は無いんだろ? だったら無理に戦わせる意味なんて無いじゃないか」


 「なんでも小競り合いみたいな争いをさせて物を売りたいらしい。エイルアーダは大国だからよ、食い物とか色々余ってるんじゃないか? 我が国でも鉄は採れるけど、エイルアーダは鉄の国と言われるほど豊富だしな」


 「ああ、鉄かぁ……。知り合いの鍛冶師もエイルアーダの鉄を使ってるって言ってたな。何でも国の物と比べても品質が良いんだってよ。その所為で国の物より重宝されてるらしい。何が良いのか悪いのか、素人にはサッパリだけどな」


 「まあ、鉄の良し悪しなんて俺達に分かる筈も無いさ。問題は同じ鉄でもそこまで違うって事だろ。鉄なんて色々な所に使うんだ。エイルアーダの鉄が絶対に必要だってなったら、頭を下げ続けなきゃならなくなるぞ」



 一般人でも分かる事が、内政や外交の現場に居る者達に分からない筈もない。どうやら思っていた以上にアサロマ王国はエイルアーダ皇国に頭が上がらないらしいな。ベルゲストで属国と言われる筈だ。仕方がないとは思うがね。


 朝食を終えて外に出たら、王都の入り口に向かって歩く。先ほどの食堂での話を続けたいのか、リューが口を開いた。



 「かつての祖国と似たような状況の様ですね。もちろん私が居た頃の帝国よりはマシなようですが、それでも他国に鉄を依存するというのは大変ですからね。どうしても交渉において不利にならざるを得ません」


 「鉄って本当に様々な事に使うからねえ。銅がいっぱいあっても鉄の代わりにはならないし、大変だとは思うよ。青銅でいいところは青銅で良いだろうけど、鉄じゃなきゃいけない所も多いから。国にとっての弱点となると厳しいねえ」


 「交渉事なんて、まずは上からガツンとやってからだから、それが出来ないだけで不利だよ。そのうえ相手にも弱点がバレてるし。むしろ不利な状態から挽回するのが交渉みたいになっちゃってるよね」


 「そうだな。それぐらいかつての帝国は苦しかったのだろう。だかといって、やって良い事と悪い事があるのだがな。それはともかく、こちらではアサロマ王国が帝国と似た状況であり、それゆえに強かなのだろう」



 成る程な。とはいっても、アサロマ王国は帝国ほどクソみたいな事をしていないので遥かにマシだが。そこを掘り下げると微妙な空気になりかねないので止めよう。そろそろ王都の入り口だから、登録証を見せて外に出たら移動開始だ。


 王都を出て、ある程度の距離を離れたら走り出す。西へと走り、キロンの町とヴェンスの町を越えて国境へと進む。簡易的な砦があったので登録証を見せて通り、先に進むと立派な砦が見えてきた。


 エイルアーダ側は随分防備が厚いらしい。これもアサロマがエイルアーダに攻め込まない理由かね? 検問のような所で止められ、登録証を見せた後で様々な質問を受ける。1つずつ答え、30分ほどしてやっと通れた。


 何だかアサロマ側からの者を相当警戒しているような、そんな印象を受けた。少なくとも狩人ギルド発祥の地なんだから、狩人が来る事もあると思うんだけどな。あのヴェスティオンでさえ、そういう連中は居たんだが……。


 まあ、こっちの文化がどうなってるのかなんて調べてもいないから分からないが、少なくとも大きな違いは無いと思う。セキタウとか、ヤシマの国ほど独自の文化がある訳じゃない。こっちの大陸もヨーロッパ風ってところだ。


 ただ、こちらの大陸がエイルアーダ皇国で終わりかは、そもそもの疑問があるけどね。確かに様々に移動してきたけど、移動距離で言えば向こうの砂漠よりも少し広いくらいだ。こっちの大陸が圧倒的に小さいって事は無いだろう。


 つまり西へは行けないだけで、まだ大陸は続いていると思う。あくまでも現時点の予想でしかないが、可能性としては十分にあると思っている。そもそも地球より大きいんだから、その分大陸も大きい筈だし。


 国境から西へと進んでいると、1番近い町を見つけた。おそらく辺境伯領の町だと思われるが、結構分厚い壁に守られた町だなぁ。アサロマ側と違いすぎだろ。これを見ると、アサロマが攻めない理由が本当に分かる。


 この町を落とすのに、いったいどれだけの犠牲が出るのか。そのうえ、あの防備の厚い砦を突破する必要がある。あの砦を抜く前に町から増援を連れてこられたら、アサロマ側は撤退するしかないだろう。どうにもならない。


 逆にエイルアーダ側は、東のアサロマしか警戒しなくて済むので防備を厚くできる。1方向だけでいいなら、資源も資金も集中するので圧倒的に有利だ。しかもエイルアーダは大国。どう考えても東に進むしかないな、アサロマは。


 小国の悲哀はさておき、門番に登録証を見せて町中へと入る。国境の砦ほど警戒は強くないが、それでもアサロマ側に比べて警戒心が強いような印象を受ける。これはお国柄と言っても良さそうだな。


 まずはお金を撒きながら、宿と食堂の聞き込みをしよう。



 ▽▽▽▽▽


 1592終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1795枚

 金貨2908枚

 大銀貨1713枚

 銀貨2651枚

 大銅貨1801枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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