1591
昼食が出来たので食べているのだが、子供達のテンションがやたらに高い。唐揚げが美味しいのは分かるのだが、それにしても喜び過ぎな気がする。騒いでいても脱出紋の近くだからモンスターは寄ってこれないが、それでも良い事じゃない。
とはいえ、美味しい物を食べてテンションが上がるのは仕方ないし、ここは怒らなきゃいけない所でもない。メルが一言注意したし、それ以上は要らないだろう。やっても逆効果なだけだ。
昼食後、少しゆっくりしつつ茶畑を見る。正直に言ってダンジョン内の作物の方が良い物は多いんだ。ただ、そこまでする価値があるのかと問われると……茶摘って大変だし、そんな事をしている暇は無いのが正直なところだ。色々時間的に厳しい。
俺はもう1度段々になっている茶畑を見て、諦める事にした。その頃には皆も食事を終えていたので、食器を綺麗に【浄化】して仕舞わせる。料理道具は既に片付けているので土で作った焼き場などを壊していると、エリアが聞いてきた。
「さっきアルドは山の方を見ていたけど、あの山に何かあるのかい? あたしには緑の山にしか見えないけどね。何かあるなら聞いておきたいからさ」
「あれは茶畑だよ。つまりチャノキが生えていて、緑茶や紅茶の原料である茶葉が生えているんだ。ただなー、茶摘って詳しくないんだよ俺。茶葉の蒸し方とか揉み方とかは知ってるけど、どこの茶葉を摘めばいいかが分からない」
俺はフワっとだけ知っているチャノキと茶葉の話をすると、皆も面倒臭そうな顔をした。1番茶とか2番茶とかあるし、どこまで育っていれば摘んでいいかなんて素人には分からない。なので手を出さない方が無難だ。
俺は飲むほう専門で、お茶作りなんてした事ないしな。というか大半の日本人はお茶作りなんてしないし、するのは農家とか専門的な人だけだ。なのでスルーして先へと進む。飲むのは好きだが、摘むのはなぁ……無いわ。
南、西、北、東と進んできたので、次はおそらく南西だ。そう思って南西に行くも転移紋は見当たらず。仕方なく戻り、今度は北東へ。身体強化で進むと、北東に転移紋があった。なんで逆になってるんだろうな?。
少々疑問があるが、次の層へと進んで行く。21~25層を進み、26層へと辿り着いた。光が止むと、そこは鬱蒼と木々が生い茂る山であり、大量のゾンビが既に居る。間違いなくラッシュだ。
「皆! 気付いているだろうが、ここが最奥だ! 周りに大量のゾンビが居るから円陣を組め! 子供達は中! 浄化魔法を使うが、残りの魔力も考えて使うようにしろ!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
「分かった!」 「分かりました!」
「ニャー!!」 「………」
俺達が居るのは山の中腹の多少開けた所であり、非常に厄介な状況だ。下から襲ってくる場合は足下というか低いので見え難く、上からはゾンビなのに速く迫ってくる。何だったら転がり落ちてくるぐらいだ。
そして当然のように左右から普通に襲ってくる。今までのゾンビラッシュと違い、倒すタイミングが掴み辛いと言うか捌きにくい。今までなら一定のリズムとテンポで戦えたが、完全に乱されてしまっている。
それでも広範囲に浄化魔法を使い、押し寄せるゾンビをどうにか捌いて凌ぐ。俺は敢えて勾玉を使っていないので厳しいだろうが、全力を出す訓練なんて簡単には出来ない。特に命の懸かった戦いは凄く貴重だ。
むしろダンジョンの最奥で似たような経験が出来ること自体が、驚くべき事だと言ってもいい。だからこそ貴重な経験を皆にさせているのだが、皆は毎度倒れ込むほどに疲弊するんだよなぁ。何とか余裕を残してほしいが、さて……。
浄化魔法を使いながらも、上手く武器攻撃も混ぜて戦っている。凌いではいるものの、段々怪しくなってきたな。出てくるゾンビが元気な奴に切り替わってきている。足の速い厄介な奴が出てきた事で、またタイミングが乱れた。
このままだと押し込まれるかなー、それとも踏ん張るかなー……。ああ、最後の一斉攻撃に切り替えたか。遂に限界を突破してしまったらしく、温存していた魔力を使って一気に広範囲を浄化したが、それで終わりとなった。
俺は勾玉を使い、一気に吸い込みながら【浄化】していく。既に皆は立っているだけで息を乱していて、魔力が相当減っている事が分かる。魔力枯渇は起こしていないようだが、到底戦えるだけの魔力は残っていない。
皆で400体以上のゾンビを倒したのだから、良くやった方だろう。俺だって【浄化】の権能がなければ結構大変だと思うしな。それでも大変で済む程度ではあるんだが、それは皆の魔法がまだ粗いからだ。
もっと精密に緻密に使えるようになれば、魔力の消費量は減らせる。ただ、普段とラッシュとでは緊張感や様々なもので差が出てしまうのはしょうがない。そこを上手く出来る様になれば更に先に進めるんだが……まだ無理か。
最後に巨大で素早いオーガのゾンビが12体出てきたが、邪気は吸い込んで【浄化】しているので直ぐに弱体化した。なので、近付いてくる前に【神聖世界】を使いさっさと終わらせる。
少し待つと脱出紋が出てきたので、ゾンビラッシュも終わったようだ。何かが出てくる気配も無いので、今回のダンジョンはこれで終わりらしい。俺は皆を立たせ、とりあえず宿に戻る事を言う。疲れてはいるが、主に魔力が原因だからな。
休んでいれば回復はするものの、肉体的な疲れよりも時間が掛かる。ただでさえ皆の魔力は常人より遥かに多いので、尚の事回復までには時間が掛かってしまう。それまで最奥でウダウダする訳にもいかないので、皆の尻を叩いてでも出る事にした訳だ。
外に出たが、未だ昼と夕方の間くらいの時間でしかなかった。地球的に言うと午後3時くらいか? それぐらいの時間なので食堂には行かず、さっさと宿へと戻っていく。王都の入り口で少し待たされたものの、登録証を見せて中に入る。
そのまま一直線に宿へ行き、部屋に入ると直ぐに皆は寝転がった。どうやら本当に疲れたらしい。聞いてみると、タイミングが乱され続けたのが最大の原因のようだ。あれでテンパったまま戦い続ける羽目になり、それが余計な魔力消費に繋がった。
その結果、倒れ込むほどに疲れてしまったと……。ああいう状況でも冷静に魔法が使えるかどうかは、慣れる以外に道が無いから仕方ない。俺みたいに、失敗したら闘神の爺さんに殺されるという修行でもなきゃ、沢山経験するのは無理だろう。
近くから「そんな修行はゴメンだね!」と聞こえるが、「貴女の祖先に無理矢理されましたけど?」と言うと背中を向けられた。まあ、気持ちは分かるけどね。俺の場合は問答無用だったから、選択肢なんて無かったんだよなー。
下らない事を考えていたら子供達がのそのそと起きて、俺の膝を枕にして寝始めた。まあ、別にいいんだけどさ、君達も割と自由に動くよね。後、誰かさんは俺の足を叩けないからって、背中をペシペシ叩くの止めてくれません?。
子供達を膝で寝かせ【探知】と【空間把握】で探って暇潰しをしていると、夕日が出てきていたので皆を起こす。俺以外の全員が寝ていたので驚くが、それ以前に固まっていた足が痛い。少し屈伸などをして曲げ伸ばしをし、その後に部屋を出る。
送風機と冷房は出しておらず、【冷風】を使っていたので収納するものは無い。食堂に行き、大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら、席に座ってゆっくりと待つ。皆も寝起きだからかボーッとしているので放っとこう。
周囲を探っても大した話は無かったので食べる事に集中し、食事が終わったのでさっさと部屋に戻る。送風機と冷房を設置して起動し、キンキンに冷えた神水を入れる。子供達は既にウトウトしているが、それは女性陣も変わらない。
今日は相当疲れたんだろう、なので早めに布団を敷いておくか。30分ほど経ったので、椅子で寝ている子供達を布団に寝かせ2匹を左右に寝かせる。【昏睡】を使って寝かせたら、次は女性陣の番だ。
既に俺以外は寝てしまっているので、起こさないように【念動】でベッドに寝かせていく。残りのメンバーは布団に寝かせ、今日は女性陣にも【昏睡】を使って深く眠らせた。
部屋と体を綺麗にし、勾玉を使って吸引と【浄化】を終わらせる。これでやっと寝られるな。俺も眠たいので、さっさと寝よう。今日も一日お疲れ様でした。
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1591終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2908枚
大銀貨1713枚
銀貨2651枚
大銅貨1814枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




