1587
エイルアーダ皇国が西の端なんだとしたら、この大陸はそこで終わりって事か? それとも山脈なりがあって、それ以上西には行けないって事か? ……そもそも神様が何処まで行けって言ってるか分からないんだよな。俺達は何処まで行けば良いんだろうね?。
昼食を終えて食堂を出るが、さっきの話が気になってしょうがない。でも一旦忘れよう。気分をリフレッシュし、皆と話し合って進むかどうかを決める。色々話し合った結果、国境を越えて先へと進む事にした。中央神殿を聖人化しているので大丈夫だろうという判断だ。
更に西へと進み、国境を目指して走る。それなりに走り、1時間くらいで国境の砦に着いた。俺達が走って1時間ぐらいだから、それなりに国境の砦は離れてるな。登録証を見せて通過し、西に見えているアサロマ王国の砦へと向かう。
アサロマ王国の砦も登録証を見せる事で通過し、更に西へと走って行くと、20分ほどで町が見えてきた。アサロマ側の辺境の町は近いらしい。俺達はその町に近付き、門番に登録証を見せて中に入る。
いたって普通の町ではあるものの、何か物々しい雰囲気を感じるぞ? それに町中に兵士が多いような……もしかしたらベルゲストを攻めようとしているのは事実なのかもしれない。とはいえ、俺達が伝える必要も無いので余計な事はしないが。
町の者から話を聞き、食堂と宿を教えてもらう。多くの兵士が巡回しているので、お金を渡す事も出来ない。仕方ないので金を払わず【白痴】を使い、聞き出してお礼を言っておく。兵士が居なきゃ渡すんだが鬱陶しいな。
流石にこの雰囲気で金を渡せば絶対に面倒な事になる。なので渡したくても渡せないし、情報収集も出来やしない。俺達は聞きだした宿に行き、1泊大銅貨9枚で泊まる。部屋に入り送風機と冷房を設置して起動したら、【冷風】で空気を入れ替えていく。
涼しくなったら防音の魔道具を使って話し合いを始めた。一応は今日の予定だが、言っておかなきゃいけない。
「この町、妙に物々しいんで情報収集が出来ない。仕方がないから、今日の夜に神官を聖人化するついでに聞いてくるよ。それしか、ここで情報を手に入れる方法は無いと思う。普通に聞き込みをすると目を付けられる」
「この物々しさは間違いなく攻め込む前だろうね。もしかしたらベルゲストの商人達は何処かで足止めを喰ってるのかもしれない。それならアタシ達が町に入れた理由も分かる。国に入れるけれども、国から出す気は無いってところだろうね」
「攻め込むのがバレたら策が失敗するでしょうし、責任者の首が飛ぶでしょうからね。それなら多くの兵士に見回りをさせるのも分からなくはありません。戦争の成功よりも保身の為に見回りを強化したのでしょう」
「それも仕方ないわ。戦争というか小競り合いでも多くの国家予算を使う事になるもの、それが最初から失敗ともなれば……首が落ちるのも仕方ないでしょうね。兵士の給与や食糧、武具だけでも相当だもの」
「しかもだ、それがこの国の意志で行われていない可能性すらある。アサロマ王国を弱体化させる為に、エイルアーダがワザと攻め込ませている可能性が否定できない。メルが言ったように、戦争には莫大な金銭が掛かるからね」
「ただ、ベルゲストはアサロマから物を輸入する事で、ヴィラノーアに高値で売っていた筈だ。もちろん南東のオールゲントからも輸入している訳だが……。アサロマも国家予算は潤沢とは言えずとも結構持っていると思うがな」
「だからこその小競り合いというか、戦争なのかもしれないよ? アサロマがベルゲストとの間の交易で儲けた金銭を吐き出させる為……後ろにエイルアーダとかいう国があると考えれば、色々な解釈が出来ると思うけどね」
「エイルアーダという国は西の端と聞きました。となると、東にしか出て行けないうえに、東以外からは攻められない? ……エイルアーダという国は、相当有利な立場にあると考えてもいいかもしれません」
「敵が一方にしか居ないとなれば、そりゃ楽だろうね。ベルゲストはともかくとして、アサロマはそこまで強い国じゃないみたいだし。エイルアーダが版図を更に広げようとしてると考えれば、貢物を寄越せと言ったり、攻め込ませたりしてるのも分かるよ」
「しかし、一定以上に大きい国は滅びやすいんだがなぁ。元の世界というか星でも、一定以上に大きい国は、必ずと言っていいほどに割れるんだ。周りからは1つに纏まっているように見えても、内側は割れる寸前。そういうのは歴史上、普通にあった事だ」
「纏められる、あるいは1つになれる大きさには限度があるって事だね。それ以上になると意思疎通が不便になったり、好き勝手をやる者が後を絶たなくなる。何故なら監視が行き届かなくなるから。かつて色々調べたからね、私は知ってるよ」
「姉上の妙な研究ですか? いえ、今まで役に立った事があまりないんですから仕方ないでしょう。そもそも暇潰しだったんですし、暇は潰せてたんだから役に立たなくても……って叩かないで下さいよ」
「いや、さっきのはシュラが悪いだろうに。わざわざ言う必要の無い事を言ったんだから、叩かれても文句は言えないと思うけどね。それに、何処で何が役に立つかなんて誰にも分からないんだからさ、別に良いんじゃないのかい? 研究ぐらい」
それからも話をしていたら夕日が出てきたので食堂に行く。子供達はそろばんの練習をしていたし、2匹はリバーシで遊んでいたので放っておいても大丈夫だったようだ。ちょっと悪い事をしたが、後で遊んでやろう。
聞いていた食堂に行き、大銅貨13枚を支払って夕食を注文する。席に座って雑談をしていると、食事が運ばれてきた。食べていると近くから話し声が聞こえてくる。あまり大きな声では話せないらしい。
「あんまり言いたくないけど、いつまでここに兵士達が居るのかしら。嫌になってくるわ。昨日も客として来たのはいいけど、適当だし扱いは雑だし。正直に言って、町のバカどもの方がまだマシよ、下手すぎるでしょ」
「そっちも? 私の方も連日酷い客ばかり。早く居なくなってって毎日思ってるくらいよ。金払いが良いけど、本当にそれだけ。後は最低な客と何も変わらない。さっさと終わらせて出て行けとしか思えない客なんて、本当に久しぶりよ」
「2人はそんなに酷かったの? 私の方はそこまでじゃなかったから良かった。新兵が多かったからかな? 初心な子が多かったし、慌てたり頑張ってるのを見ると悪い気はしなかったよ」
「「いいなぁ……」」
「本当に羨ましい。私も少年を食べたかったわ。前に食べたのなんて10年くらい前かしら?」
「私もよ。娼館に来てくれる若い子なんて滅多にいないもの。当たり前だけど、若い子はお金持ってないから来れないのよね。そういう若い子ほど、お客にほしいんだけど……」
何だか色々と大変らしいな。それは横に置いとくとして、それよりも数日は兵士を相手に商売しているという事は、ここで軍は足踏みしているという事か? 国境に1番近い町だから分からなくもないけど、何か変だな? 腑に落ちない。
食事後、部屋に戻って送風機と冷房を設置して起動し、布団を敷いたら子供達の相手をする。神経衰弱で嫌がらせをしながら女性陣と先ほどの話をするのだが、どうも皆も気になっていたらしい。
「軍を発した以上は、無駄な滞在日数を増やすとそれだけ多くのお金が掛かる。だからこそ町で数日もの時間を潰したり、娼館に行かせるなんてしない筈なんだが……皆もやっぱり疑問に思ったか」
「そりゃね。どう考えたって無駄金だし、こういうのは国が支払うもんだ。そうしないと士気が上がらないし、士気が低いと勝てる戦いでも負ける。だからこそ無駄なお金なんて使わない筈なんだけど……」
「何かを待っている……たとえば増援というか、中央の軍を待っているとかなら無駄に足止めされているのも分かります。仮にオールゲントと連携しているのなら、完全に大失敗と言えるでしょう」
そうなんだよ、オールゲントの事があるから余計に分からない。
▽▽▽▽▽
1587終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2908枚
大銀貨1713枚
銀貨2653枚
大銅貨1897枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




