1586
<異世界783日目>
おはようございます。昨夜、寝る前に王城で邪生が発生しましたが、今も見つかってはいないようです。あのまま放置されても困るんだが、今日中に誰かは見つけるだろう。それにしても、邪生になった事ぐらいには気付けよな。
朝の日課を終わらせて、緑茶を水出ししているとイデアが起きてきた。トイレに行ったイデアを見送りながらお茶を飲んでいると、次に蓮が起きたようだ。昨夜、2人とも倒れるように寝ていたもんな。起きる時間も早いか。
俺としては、もうちょっとゆっくり静かな時間を過ごしたかったがしょうがない。イデアが戻ってきてお茶を入れようとしたので、コップに入れてやると特に問題無く飲み始めた。蓮も戻ってきて欲しがったので、入れてやると飲み始める。
やはり2人とも何の問題も無く緑茶を飲めているようだ。元の世界の外国人のように砂糖を入れないと飲めないという事も無い。まあ、古い時代だと苦味や渋味に慣れているだけかもしれないが、イデアも問題無いしなぁ……。
個人の好みも違うので何とも言えないが、子供である2人が問題無いなら特に何もしなくていいだろう。今さら砂糖などを出しても入れないだろうし、微妙な空気になっても困る。余計な事はしないのが1番良い。
女性陣が起きたので朝の挨拶をし、少しゆっくりしたら布団を綺麗に【浄化】して収納する。皆の準備が整ったら送風機と冷房を仕舞って、忘れ物が無いか確認したら受付へ。宿を出る事と返金不要を言ったら、外に出て食堂に行く。
大銅貨13枚を支払い朝食を注文し、席に座って雑談でもしようかと思ったら、近くから狩人の話が聞こえてきた。
「おい、聞いたか。ダンジョンが非常に簡単になったらしいぜ。何でも浅い層だと転移紋が近くにあるそうだ。だから深い層に行きやすくなったんだと。まあ、行っても狩れる実力がなきゃ意味がないけどよ」
「それな、俺も聞いたけどエッテオの方も同じらしいぞ? 何故か浅い層は転移紋が近くにあって、深層に行けば行くほど転移紋が遠くなるんだと。今までに比べて簡単で分かりやすくなったんだってさ。御蔭で獲物の取り合いが減ったらしい」
「次の層に行って狩りをしようって奴が増えたんだろうなぁ。俺達みたいな間引きをメインに活動してる狩人だと関係無いが、ダンジョン攻略で活動している連中にとっては大きいんだろう。楽に目的地まで行けるんだし」
「そうかもしれないが、果たしてそれで済むのかね? 俺としては実力の足りない連中が勇み足で行って、酷い事になるとしか思えないけどな。昔から自分達の実力を理解しない奴等は居るからよ」
「まあな。俺としては地道に1つずつ頑張って行けよと思うけど、どうして若い連中はああなんだろうな? 俺達の若い頃はもっと慎重だったろ? 金が無かったとも言うけどさ。でも、だからこそ慎重だったぜ」
「怪我をしたら生きていけなくなるからな。ひたすら慎重に生きてたのを俺も思い出したよ。何だか懐かしいけど、あれから10年も経ってるんだから驚きだ。いつのまにかベテランって言われる年になってるのか、俺達も」
「思い出話は横に置いといて、簡単になってるなら俺達も挑戦するか? たまには良いと思うが、今さら慣れてない事をしてもな……」
「俺は反対だ。慣れてない事をして余計な失敗をするのは嫌だしな。修理代やら何やらが掛かったら目も当てられない。今でも十分な収入があるんだし、無理をする必要は無いだろう。若い連中に譲ってやるべきだ」
「ああ。慣れてない俺達が行ったら、当然浅い層からだからな。若い連中のメシの種を奪うだけだ。結果的には嫌がらせにしかならないだろう。それなら今まで通りの仕事をするべきだろうな。間引きも立派な仕事なんだし」
若い頃からダンジョンに行かずに、間引きで生計を立てる者も居るんだな。地元というか、田舎の方は助かるだろう。田畑の事を考えても間引きをしてくれる者が居ないと大変だし、魔物は農家の手に負えない事も多い。
ウサギ系とかネズミ系なら対処も出来るが、猪系とか鹿系になると流石に農家でも厳しくなる。狼系や熊系に至っては、罠か何かを駆使しないと農民では無理だ。かつてのルーデル村のように、ダナやメルが何処にでも居る訳じゃない。
そもそも2人クラスの実力者が居る事すら奇跡に近い。今思えば大森林に隣接している村とはいえ、常駐している傭兵の実力もちょっとズレてたんだなー、あそこ。今なら分かるが、他の町や村に比べても実力の高い奴等ばっかりだ。
それでもダナやメルには勝てないんだから、2人の実力は根本的に他とは違う。そんな話を皆としていると、よく分かるのかダナとメル以外は頷いている。俺に教えられる前でも、普通にソードグリズリーをソロ討伐してる2人だから当然なんだけど。
「前にも言ったと思うけど、殺らなきゃ殺られるんだから四の五の言ってられないんだよ。そうやって言えるのは今だからさ。目の前にソードグリズリーがいれば、殺すしか生き残る道は無いんだ」
「そうよ、私も同じだったわ。目の前に居る以上は、動けないと死ぬだけよ。だから生き残る為に、必死になって盾で流し槍を突き込むの。その結果が勝利であり、生き残ったというだけよ」
「それでも動けるってだけで凄いけどね。とはいえ、動けなきゃ死ぬってのはよく分かるよ。どれだけの相手であっても、逃げる為には動けなきゃいけないからね。動けないって逃げられないって事だから、死ぬしかないのは間違いないよ」
まあ、エリアの言う通りだな。倒すか倒さないかは別にして、逃げる為にも動けなきゃいけない。立ち竦めば死しかないのが戦いであり、殺し合いだ。俺達がやっているのはそういう事だし、だからこそ死亡率が高く、男性が少ない状態になっている。
これに関してはどうしようもないと言わざるを得ない部分はある。男なんて腕っ節を除くと何にも残らない奴は多い。その腕っ節を有効活用できるのが魔物と戦う仕事だからな。一攫千金もあるなら、そこに男が集まるのは至極当然の事か。
こういった事は国とか大陸が違っても変わらないな。……さて、食事も終わったし外へ出るか。今日は何処まで行こう? 途中の町を飛ばしても良いと思ってるんだよな。もしくは夜中に移動して聖人化するか。
どっちでも良いんだが……とりあえず移動しよう。王都ベウスを出た俺達は、西へと走って行く。ルゴルの町、パーナの村、ソミニの町、テテイラの村、そして辺境の町コルドスまでやってきた。ここまで来て、まだ昼前だ。
まずはコルドスの町に入って食堂を探そう。大銅貨1枚を渡して食堂を聞き、3人から聞いたお薦めの食堂に行く。大銅貨13枚を支払って昼食を注文し、席に座って喋っていると直ぐに運ばれてきた。
運ばれてきた昼食を食べていると、周りでコソコソ喋っている奴等が居る。いったい何かと思ったら、ちょっと微妙な情報が聞こえてきた。
「南東のオールゲントから攻めてきてるって話を聞くんだけどさ、西のアサロマもなんだか怪しいって聞くし大丈夫なのか? 俺はそれ以上の話を聞いてないから分からないんだけど、何か聞いてるなら教えてくれ」
「俺もよく知らないよ。ただ、アサロマから帰って来た商隊いわく、何だか怪しい動きは幾つもあったんだってさ。もしかしたらだが、こっちを攻めようとしてるかもしれないって話は聞いたな」
「やっぱりか……。伯爵様は無理をされない方だから良いが、それでも限度はあるしな。王都から助けが来てくれればいいが、出来るなら早めに連れて来てほしいもんだ。アサロマの奴等はこっちにだけ強気に出てきやがる。属国の癖に」
「そういう言い方してやるなよ。自分の国が潰されるかもとなれば卑屈にもなるもんさ。お国はそうじゃねえが、アサロマの奴等だって納得出来てねえだろう。とはいえ、エイルアーダは大国だからなあ」
「大きさはヴィラノーアと変わらねえんだっけ? あそこ連合だから幾つもの国が1つになってるのに、それと変わらねえなんて本当にデカイ国だよ。まあ、あそこが西の端だから、東に来るのは当たり前なのかねえ?」
ん? エイルアーダ皇国が西の端?。
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1586終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1795枚
金貨2908枚
大銀貨1713枚
銀貨2653枚
大銅貨1919枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




