1581
俺達は王城に向かって歩いている。特にどうこうという事もなく、4人組と一緒なので貴族街の門も素通りだ。それはいいんだが、行きたくもない場所に行かなきゃならないのでテンションは下がる一方となっている。
皆も黙々と歩いているぐらいで、特に会話などは無い。子供達が周りを興味深そうに見ながら歩いているだけマシだと思おう。子供達まで興味無しって感じだと、本当にメリットが無いと言えるからな。
子供達とて貴族街など見た事もあるが、それぞれの国の貴族街の違いを見ているのかね? 子供達が何を興味深そうに見ているかは知らないし、聞かないけどさ。暇じゃないなら良かったよ。
王城の門まで来たので4人組が事情の説明と許可証を出し、俺達を門の内側へと通す。更に進み、城の入り口まで来るとオッサンズが待っていた。何故かその真ん中に老人が1人居て、その老人にオッサンズはビビってるけど。
「シフマード伯爵令嬢、ご苦労であった。貴方がたが不老長寿の方々ですかな? 私はベルゲスト商国の宰相、ロウブル・ディ・ニカシトアと申します。陛下と第2王女殿下がお待ちの部屋へ参りましょう」
そう言って宰相は俺達を先導するのだが、オッサンズから敵意と悪意が出てるぞ? 俺にとっては微風にもならないが、オッサンズは必死なんだろう。それはともかく、城っていっても代わり映えしないよなー。
もうちょっと個性的で奇抜なものがあっても良いと思うんだけど、何故かスタンダードな西洋風の城ばかりなんだよ。まあ、こういったスタンダードなものが1番バランスが良いんだろう。居住性も必要だし。
防御力が高くて住みにくいとか、住みやすいけど守りにくいとなったら本末転倒だからしょうがないんだけどさ。でも、何とか頑張ってほしいと思う。城なんて高い買い物なんだから、こだわって作ってほしい。
まあ、実際には奇抜な城が見てみたいだけなんだけど。そんな事を皆と【念話】で話しながらついて行くと、ある1室で宰相が止まった。
「この部屋に陛下と第2王女殿下が居られます。私達はこれより先に進めませんので、後は宜しくお願いします」
そう言って頭を下げ、横に移動する宰相。仕方なく自分でノックし、入室の許可が出たので入る。子供達も含めて全員入ったが、天井裏に2人、隣の部屋に3人控えている。そのうえ隠し扉が右の壁にある。ここだけ忍者屋敷かよ。
部屋の中には居ないのでギリギリセーフか。まあいい、さっさと飲ませて帰るか。そう思った俺は【念話】で皆に声を出さないように言い、挨拶もせずにベッドの王女に近付いて神薬を飲ませる。いきなりなので王も驚いたらしい。
「な!? 何をやっておる! 我が娘に勝手な事をするな!!」
「勝手も何も、天井に2匹、向こうに3匹も虫がいるぞ? 薬を飲ませてやったんだから感謝しろ。治さずに契約不履行で帰っても良かったんだからな。この国の奴等は契約を守る事も出来んのか。まあ、王がコレではな……」
「なっ!? おのれ……入ってこい!! この者共を殺せ!!」
馬鹿な王がそう言った途端、俺は天井の2匹と隣の部屋の3匹の首を【念動】で圧し折る。あっと言う間の出来事に、虫どもは一切反応も出来なかったようだ。今は血の泡を噴いている。大変だねえ、雇い主が馬鹿だと。
「……何をしておるか!! 早く入ってくるのだ! こやつらをさっさと殺せ!!」
「愚かなもんだ。既に天井の2匹と隣の部屋の3匹は死んでいるぞ。ついでにお前の声は外に聞こえていない。まさか、お前如きの浅はかさで俺達不老長寿を計れるとでも思っていたのか? 随分空っぽの頭をしているんだな」
「なっ!? ……ふざけるでないわ! 我を誰だと思っておる!!」
「肉の塊だろ? 王だろうが何だろうが、死ねば肉の塊、あるいは処分を待つ生ゴミでしかない。お前はそんな事も知らんのか? 本当に頭の悪い奴だな。それで……こんなゴミを生贄にでもするつもりか? これ以上下らん事を続けると、殺すぞ」
俺は隣の部屋の隠し扉を【念動】で開けながら話しかける。実は両隣が隠し部屋になっており、もう一方の隠し部屋には王らしき人物が居たのは最初から知っていた。つまり目の前で王のフリをしている奴が王でない事も分かっていた。
隠し扉から騎士が出てくるが、王らしき人物はそれを止め、自ら先頭を歩いて出てきた。
「申し訳ない。我は自らを危険に晒してでも娘を助けたかった。だが、王としてはそれが出来ぬ立場であったのだ。真に申し訳ないっ!」
「……頭を下げたので許してやるが、2度目は無い。今度下らん事をすれば即刻殺す。それだけは覚えておけ。俺達不老長寿は神に加護を賜っている。つまり人間種の王如きではなく、神を最上位とするのが不老長寿だ。後は分かるな?」
「う、うむ。胆に銘じておこう」
「それで、このベッドに寝ているのは第2王女で間違い無いな? 俺は貴重な薬を2度も与える気は無いぞ? もし王女ではなかったのであれば、御愁傷様というところだ」
「いや、寝ているのは娘で間違い無い。されど、顔色が変わらぬが……いや、少しマシになっておるのか? 我は医者ではないので分からぬが……ん?」
何だか妙に臭いと思ったら、王女の尻からどんどんと出てきている。………ああ、今回は毒だな。神薬が効いたからか、体中の毒素を強制的に排出している。それが尻からというのは……ある意味で仕方のない事かね。
「この臭いはいったい何なのだ? いや、しかしコレは……」
「王女の尻から出ているだけだ。糞もそうだが、毒も一緒に排出されているな。おそらく体を蝕んでいたのだろうが、毒という事は誰かが盛っていたのかね? 化粧品に含まれているパターンもあるが……その場合は毒じゃなくて金属か」
「毒じゃと!? いったい誰が我が娘に毒など……許せん! 必ずや罪人を捕縛させ、娘と同じ苦しみを味あわせてやろうぞ!!」
俺は王が喋っている間、怪しい奴が居ないか調べている。が、非常に近い奴があからさまな態度をしているので、即座に白い枷を2つ着けて吐かせる事にした。王は驚いているが知った事じゃない。
白い枷を着けて聞いた結果、王の弟である公爵が国の税を懐に入れており、それが第2王女に発覚したからの犯行だったらしい。つまり王の代わりをしていたコイツが犯人だったという訳だ。……おいおい、あっさり終わったぞ。
王も目が点になった後、ワナワナと震え出したと思ったら、騎士の剣を奪い殺そうとしたので止める。背後関係が明らかになっていない以上、洗い浚い全て明るみに出せ。それまでに殺すとクズがまた暗躍するだけだ。そう説得する。
王は激情を持っていく場が無くなったが、全てを明らかにしてからやればいいと言い、幾つかの拷問方法などを教えておく。それを聞いた王はニンマリとし、嬉々として騎士に命令を下していた。凌遅刑が特に気に入ったようだが、好きにしてくれ。
俺達は薬を与えたので用は無い。王には報酬として、これ以上俺達に係わってくるなと言っておく。王は「そんなものが報酬では……」と言ったので、俺達に喧嘩を売ってきた者がおかしくなるかもしれないが、それをスルーしてくれとも言っておいた。
王はそれで理解したのか、それ以上は何も言う事は無かった。騎士が部屋を出たので俺達も出ようとすると、何故かオッサンズが邪魔をし始めたので白い枷を2つずつ着けて話を聞く。すると、この馬鹿どもも第2王女の毒に係わっている事が判明。
リューとエリアが縄でオッサンズを縛りあげており、その横で王がまた怒っているのだが、何故か宰相がブチギレている。その怒りっぷりは凄まじいのだが、どういう事なんだ?。
疑問に思っていると王が教えてくれた。第2王女は側室の子であり、宰相の孫娘の子。つまり曾孫だと分かった。そりゃ、キレるわ。
王よりも怒り狂っている宰相に、王の方がタジタジなんだが……アレは良いのかね? まあ、俺達には関係無いから帰るか。
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