1580
4人組を見送った後、解体へと戻る。別に動きを止めていた訳ではないのだが、集中していなかったのは事実だ。なので再び集中しながら解体していく。フヨウも溶かしては吸収とお漏らしをしているが、ここで何かが育つんだろうか?。
立派な肥料をただ漏らしているだけなのも勿体ない気がするが、穴を掘って捨てなきゃならない以上は仕方ないか。諦めよう。といっても1番の栄養源とも言える肉は確保してるんだから、そこまで栄養は無いとは思うけど……。
そんな事を考えながら最後の1匹を終わらせ、やれやれと首や肩を回す。魔法だけではなく人力での部分もそれなりにあった。そうでないと騒ぎになる可能性があるので、意図的に人力部分を増やしたとも言うが。
それなりに時間も過ぎ暑くなってきたので宿に戻ろう。皆にそう言って、王都の中へと戻る。門番に登録証を見せて王都に入り、そのままスラムの宿に戻った。部屋に戻った俺達は送風機と冷房を設置して起動する。
【冷風】を使い部屋の温度を下げたら、後はゆっくりと過ごす事にしよう。女性陣はそれぞれ動かずに出来る修行。子供達は字の練習をしているようだ。俺は皆の修行を確認しながら、子供達の字を指導する。
そろそろ昼かと思っていたら宿の従業員が部屋に来て、俺達に客が来ていると伝えにきた。あの4人組しかいないだろうから、この部屋に呼んでくれと頼む。従業員が部屋を出たので伝えに行ったのだろうが、少し部屋の温度が上がったな。
あまり細かい事は言いたくないが、せっかくの涼しい部屋の温度を上げないでほしいもんだ。そんな事を考えているとドアがノックされたので、入室の許可を出す。すると4人組以外に2人、知らない奴が入ってきた。
4人組も知らない2人も、何故か部屋が涼しいので驚くと同時に不思議がっている。お前ら話をしにきたんじゃないのかよ。しないなら、さっさと帰れと言うぞ?。
「キョロキョロ部屋を見回すよりも、やるべき事があるんじゃないのか? ……お前さんらが用があるんだろ? 俺達には何の用も無いぞ」
「申し訳ありません。皆様の意向をお聞きした後、それを王城にお伝えしたのですが……。何と申しますか、無礼な奴等を処刑しろと言う側と、本物の不老長寿だったらどうする? という側に分かれて揉めています」
「何故かは分かりませんが、この国も下らない茶番をするようですね。しかも私達を招く目的が無い。それは神の加護を持つ不老長寿に見世物になれと言っているのと変わらないのですが……。この国の王は死にたいのでしょうか?」
リューがそう言った途端、2人の男は両方とも剣を抜こうとしたので、即座に魔力と闘気と念力の威圧を使って動きを止める。剣に手を触れながらガタガタ震えているが、俺の知った事ではない。4人組はキョトンとしているので気付いていないけど。
「あの、目的は第2王女殿下の御病気の事なのです。第2王女殿下は財務の取り纏めを行っておられたのですが、御病気になられてからはベッドを出る事はできず、もう2季節も寝込んだままでして……」
「2季節は長いねぇ……その期間生きられたという事は、そこまで深刻な病でもないのかい? もし命の危険があるなら、2季節も患い続ける前に普通は死んでるよ。となると、もっと別の病気か、それとも毒か……」
「毒の可能性は言われていますが、毒であった場合も長く保たないだろうと言われていますね。それで御病気なのだろうと。それよりも、こちらの申し上げるべき事は全て申しました、御返事はどうなりましょう?」
「行って薬を投与しろって事だろ? 条件が2つある。1つ目は、見届けるのは王族のみ。これは鬱陶しいクソ貴族どもに介入されると迷惑だからだ。2つ目は薬の譲渡および売却はしない。この薬は俺達の物なんでな、渡す気も売る気も無い」
「分かりました。私達はその御言葉を伝えに登城いたします。再びこの宿に来ますので、出来れば居ていただけると助かります」
「今日はお休みですから宿の部屋に居ますよ。先ほど見ていたでしょうが、獲物の解体をしていたから外にいたのです。今から昼食を食べに食堂に行きますが、その後は部屋に戻ってきますので心配は必要ありません」
シュラがそう言うと4人組が部屋を出たので、威圧を解除したら阿呆どもも慌てて出て行った。送風機と冷房をアイテムバッグに仕舞い、忘れ物が無いのを確認したら食堂へ。大銅貨13枚を支払って朝食を注文したら、席に座って会話しながら待つ。
昼のピークに入ったようで、予想以上に五月蝿いが諦めよう。下町の食堂なんてこんなもんだ。お上品に居なきゃいけない所でもない。それが嫌なら最初から行かなきゃいいってタイプの店だからなぁ。
「なあ、今日のダンジョン妙に簡単じゃねえか? 出てくるモンスターも昨日に比べて弱いし、それに何だか数が少ないしよ。不思議な事もあるが、楽になったのなら文句は殆どねえんだけどさ」
「殆どって事はあるんじゃねえか、いったい何だよ。弱くなった御蔭で楽が出来てるだろうに。今以上、これ以上って考えるとキリがねえから止めとけ、碌な事にならねえから」
「そうじゃねえよ。モンスターが弱いのはいいんだが、その代わりに長い距離を移動しなきゃならなくなったろ? 深層に行かなきゃ高値で売れるのが居ねえからしょうがないんだが」
「そりゃ贅沢な悩みって奴だ。今までみたいに強いのが浅層に居る所為で苦労する事に比べりゃ、歩くぐらい何でもねえだろ」
「まあ、そうだけどよ……」
死亡率は下がっただろうし、その分儲けやすくなったんだから良かったと思うけどな。歩く距離が伸びたら、それだけ体力がついて良いんじゃないか? それぐらい前向きに考えられれば良いんだろうが、それは難しいか。
昼食後、部屋に戻って送風機と冷房を設置して起動する。少し居なかっただけで室温が上がっているので、【冷風】を使って室温を下げつつ、窓から熱気を外に出す。ある程度出たら窓を閉め、【光球】を天井に出す。
ウチのメンバーの場合、大体誰かが【光球】を出すので閉めきっていても暗くはない。午後からも修行を続けるようだが、子供達はそろばんでの勉強を始めた。俺は適当に数字を言いながら、子供達に計算させる。
そんな事をしていると再び4人組が来たらしく、部屋のドアがノックされたので入室の許可を出す。すると、4人組の他に貴族のオッサンが2人来たぞ? 先ほどは騎士っぽい奴だったのに今度は貴族か? 訳が分からん。
「皆様の御言葉を陛下にお伝えしたところ、「条件を全て飲むので治療をしていただきたい」と仰っておられます。宜しいでしょうか?」
「俺達の言った条件を飲むのなら問題無い。それで治療するのは明日か? それとも明後日か? 俺達はいつでも良いが、城はそう簡単じゃないだろう?」
「いえ。出来得る限り早く、出来れば本日の午後からが良いと……」
「分かった、なら行こう。面倒臭い事は早めに終わらせたい」
面倒と言ったからか、あからさまに貴族のオッサンズが顔を歪めたがどうでもいい。俺は送風機や冷房を仕舞い、忘れ物がないか確認したら4人組とオッサンズを外に出す。もう1度確認した後で俺達も外へ出た。
スラムの宿の前に豪華な馬車が横付けされているが、オッサンズを乗せたら勝手に出発していった。俺達は特に気にしないが、4人組は呆れた表情を隠しもしない。しっかしリーダーは伯爵令嬢じゃなかったか? 馬車はどうした?。
「私は伯爵家の中でも、火傷の所為で下なのです。殆ど実家とは係わりの無い形ですので、家の紋章が入った馬車は使えません。父上も兄上も使ってよいと仰っておられるのですが、ケジメとして使っておりません」
「ふーん、いちいち面倒臭いもんだ。あたしからすれば無駄に時間のかかる馬車なんて乗らず、さっさと歩けばいいのにとしか思わないけどね。だから貴族は太るんだし、足腰が弱いんだろうさ。それって早死にするんだけど、貴族が早く死ぬなら悪くないか」
4人組が驚いてるが、歳をとっても足腰がしっかりしているかは重要だぞ?。
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銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




