1577
朝食後、食堂を出て王都の入り口へ。門番に登録証を見せて外に出たら、ダンジョン街へと歩いて行く。登録証を見せてダンジョン街に入ると、真っ直ぐ迷宮紋の列に並び順番を待つ。そこまでの人数は居なかったので、直ぐに順番が回ってきた。
迷宮紋からダンジョンに入ると、1層目は平原だった。遮るものも無い長閑な風景の中、新人と思しき狩人があっちこっちに動いている。狩っているのはネイルラビットか……それにビッグラビットも居る。ここはウサギの層なのかね?。
人の流れは南西方向なので進んでいき、転移紋を発見したので2層に進む。2~5層を進み、6層まで来てやっと地形が変わった。まさかの5層刻みらしい。次の地形は草原だった。ただし、それなりに草が長く足がとられるという微妙に面倒な地形だ。
そんな中を西へと進む人の流れを見つけ、俺達も西へと進む。もしかしたらだけど、このダンジョン体力を奪いにくるタイプかもしれない。そんな嫌な予感を抱きながら、茂った草の中を歩いて行く。モンスターは大した事がないのでスルーして進む。
6~10層を進み、11層へと移動。今度は森だった。森自体は浅いのだが根が露出していたり、草が繁茂していたりと進みにくい。次は北西だと思うが、この森は普通の狩人にとって強敵だろうと思う。
浅くとも森なので見通しにくい。下草が繁茂しているので、地面から奇襲されても気付くのは大変。ある程度は開けているので突進系のモンスターが突っ込んでくる。ある意味で三重苦の地形だと言わざるを得ない。
さっさと攻略するべく北西へと向かう。時折突っ込んでくるものの、俺達には相手にならないし此方が弾き飛ばす事すらある。特にエリアは義手で受けて放り投げるぐらいだ。ダッシュボーアが可哀想になってくる。
グリーンスネークは下草に紛れているが、【気配察知】が使える皆の敵にはならない。突き刺されたり、斬られたりして死んでいく。そんな中を歩き続け、11~15層を突破し、16層へ。今度は洞窟かよ。
北が正解だが、どういう風に行けば北の転移紋に行けるかは分からないので、1層1層調べる必要がある。愚痴を言っていても始まらないので頑張ろう。俺は歩き出しながら【探知】と【空間把握】で調べていく。
危なかったのは20層だけで、それ以外の層はそこまでではなかった。死角が正解ルートの20層を突破し、21層へと進むと沼地だった。本当に厄介というか、体力を消耗させようという面倒なパターンで確定だな。
ちょっと早いものの今の内に昼食を食べておく事にした俺は、焼き場とテーブルに椅子を準備して料理を始める。肉は殆ど残っていなかったので穴を掘って捨て、竜の塊焼きにする事にした。皆のテンションが上がったのは言うまでもない。
エリアに麦飯を任せ、メルと子供達にスープを任せる。サラダをフォルに任せたら、俺は時間を潰す。あまり早くから焼いてもタイミングを逃してしまう為、ある程度料理が進んでからじゃないと焼き始める事が出来ない。
エリアの作業が半分を過ぎた頃に焼き始める。ちょっと遅いかもしれないが、蒸らしが多少長くなるだけだ。特に気にする事でもないだろう。
塊のまま取り出した肉に【熟成】を使った後で【浄化】を使い、塩を塗したら全体に【浸透】させる。余分な水分が出てきたら、もう1度表面を【浄化】。その後に焼いて行いく。
中まで【加熱】で火を通しながら、ゆっくりじっくりと焼いていき、決して高い熱で調理しない。高熱で料理すると、中の脂と共に旨味まで出てしまう。せっかくの竜肉にやっていい事じゃない。良い匂いが広がる度にガン見してくるなあ、皆は。
目から圧が来るんだが、いつの間にそんな目力を得たのやら。馬鹿な事を考えながらも肉を最適な温度で焼き続け、出来上がったら削いでいく。削ぐ度に中の肉の良い匂いが四方八方に広がるので堪らないのだろう、子供達はともかく女性陣も凄い顔をしている。
その顔を何とかしなさいと思わなくもないが、何を言われるか分からないのでスルーしよう。さて、切り分けも終わったので幾つか用意しておいたタレで食べてくれ。それじゃあ、いただきます。
「……んーー!! おいひい!! ………。あのね、じゅわーってね、おいしいあぶらがとまらないんだよ! かんだらすごいの! りゅうはやっぱりさいこう!!!」
「うん。毎回そうだけど、竜の肉って本当に美味しいんだよね。久しぶりに食べるけど、間が空くと感動するんだ。美味しいだけじゃない、感動する味なんだよ。本当に」
「今日は岩硬竜の肉だが、熱と相性が良いのか美味しいな。もしかしたら岩に擬態して動かないから、良い具合にサシが入ってるんだろうか? どんなサシが良いか何て、プロじゃないから分からないしなぁ……」
「これ岩硬竜の肉かい? 前にも食べた事あるけど、こんなに美味しかったかねえ。それとも久しぶりで忘れてる? 本当に美味しいけど、今が美味しい所為で前に食べた味を忘れるのかもしれない」
「まあ、忘れても仕方ないほど美味しいですから諦めましょう。そもそも細かい事なんて良いじゃないですか、考えるのも面倒なので味わう事を優先するべきです。私達でも簡単には食べられないんですから」
「本当に美味しいし、何度食べても美味しさを再確認してしまうね。食べ慣れても美味しいと思うのに、期間が空くと感動が返って来る。何度も同じ事を言ってしまうほどに美味しいし、コレが食べられるのは幸せさ」
他の皆も味わいながら食べている。竜の肉だから当たり前とも言えるが、この感動は本当に驚くしかない。しかし歴史上の何人が本当の味を味わえたのだろう。神様達を除けば、殆ど居ないんじゃないかと俺は思っている。
そもそも竜の肉を熟成させる事が出来るのか謎だ。俺は強引に【熟成】させているが、自然に熟成させる事が出来るのかどうかは知らないし、果たしてそんな方法があるんだろうか? 食事が終わった後で少し本を読んでみよう。
……昼食後、アイテムバッグの中にある<魔物の活用方法>を開き、竜の事が書いてあるページを読む。そこには、自然に熟成させるのに必要な期間が100年と書かれていた。………そりゃ硬いのしか食えないわ。当然だ。
明らかになった竜肉の凄さに何度目か分からない驚きを感じながら、後片付けを行う。皆も読んでいるが、唖然としているのがよく分かる。熟成させるのに100年掛かるって、それはもう肉なのか? って言いたくなるのも仕方ない。
食事も終わり休憩もとったし、そろそろ出発しようか。その言葉に皆も腰を上げたので、焼き場やテーブルに椅子を壊して更地にする。準備が終わったら、沼地を進もう。次は北東か。
沼地を身体強化で一気に走り、目的の転移紋まで進む。直ぐに乗って22層へ。22~25層も突破し、26層へ進むと森だった。皆を綺麗に【浄化】してから森を進むが、今度は下草が腰ぐらいまで伸びている。更に足元が分かり辛い。
見通しも悪くなっているが、その反面突進系の魔物は突撃し辛い環境の筈だ。にも係わらず、ソードシープが突進してくる。タックルシープと違い速くはないが、鋭利な刃となっている角が厄介だ。振り回されるとキツイ。
広範囲なので子供達が守り難いんだ。突進してきて急に止まり、角を横薙ぎにしてくる。この攻撃が物凄く厄介で、子供達が怪我をする危険度が高い。一応子供達には盾を持つように言って持たせているが、何回か危ない場面があった。
それでも怪我をせずに進めたのは、慎重に敵の位置を把握し、確実に先制攻撃で倒しているからだろう。もちろん勾玉で吸引し続けているのもあるが、そこまでしてもギリギリが何回かあるのが怖い。本当にそのうち怪我をしそうだ。
31層に到達するのに時間を掛けてしまったが、子供達の事を考えたら慎重にならざるを得ない。そろそろ終わってほしいところだが、31層は湿地帯で普通にモンスターが居る。とはいえ、コレは……。
▽▽▽▽▽
1577終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2676枚
大銀貨1649枚
銀貨2425枚
大銅貨1124枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




