表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1575/1948

1574




 「<緑の剣>の伯爵令嬢が数年ぶりに帰ってきたんだってよ。何でも顔に大火傷を負ってたらしいんだけど、今じゃすっかり美人になっていたそうだ。まあ、元々美人だったらしいけどさ。それにしても大火傷を治す薬って凄いよな」


 「俺もその話を聞いたけど、火傷の事より美人かどうかだろ。相手は貴族だから関わりたくねえけど、美人かどうかは気になるぜ。顔に火傷を負ってたっていうなら、今までが悪かっただけになー」


 「今まで悪かったから、今は良く見えるって? まあ、そうかもしれねえけど……そんなこと聞かれたら殺されるぞ。貴族の耳が何処にあるか分からねえんだ、せめて自分の家で喋れ。俺達までとばっちりを受けるだろ」


 「お、おう………すまん」



 周りをキョロキョロして怯えるくらいなら、最初から喋るなよな。それよりも火傷を治した件は、思っていた通り話題になっているようだ。仮面で顔を隠さなくちゃならない程に酷かったのが、綺麗さっぱり治ってるんじゃ当然か。


 俺達に辿り着くだろうし、面倒臭い事にならなきゃいいが……おそらくなるんだろうな。少なくとも今日中に神殿なんかは聖人化して、俺達に絡んで来ないようにしておかないといけない。薬の事で絡んできたら鬱陶しすぎる。


 貴族と神官が同時に絡んでくるとか、想像だけでお腹いっぱいだ。何としても今日中に処理しておこう。<緑の剣>以外に気になる情報はなかったので、後は適当に皆と雑談しながら食事を終えた。


 夕食後、宿の部屋に戻って送風機と冷房を設置して起動する。子供達は絵を描いたり、字の練習をしたりしている。どうも日中にミニゴーレムで遊んでいたらしく、既に精神が疲れているようだ。それで大人しかったのか。


 俺は子供達の相手をしながらダリアやフヨウの相手もしている。女性陣は酒をチビチビ飲みながら、この国の王都の話をしている。どうやら日中に少し見回っていたらしいが本格的にウロウロする事に決めたらしく、その話し合いをしているらしい。


 商国の名前に相応しく、この国は儲かっているのか王都が広い。平民街は竜の襲撃があって1度大きく壊れているものの、それで更に大きくなったと聞いて驚く。どうも女性陣が外に出たとき、そんな情報を聞いてきたみたいだ。


 案外拡張するには丁度良いタイミングだったのかね? そんな事を考えていると、子供達が舟を漕ぎ始めた。布団を敷いて子供達を寝かせ、その左右に2匹が寝る。いつも通りのポジションに着いたら【昏睡】を使って眠らせた。


 後ろから抱きつかれて連れて行かれるが、皆は既に準備万端だ。いつも思うんだけど、準備が整うのが早過ぎないか? さっきまで飲んでたよな? ……おっと、集中しないと怒られるな。余計な事を考えるのは止めよう。


 皆を丁寧にキメて寝かせたら、部屋と体を綺麗にして勾玉を使っておく。使ってなかった所為で邪生が生まれて騒ぎなんて起きたら迷惑だからな。………それにしても邪気が多いな。儲かれば何でもいいという奴が、それだけ多い所為かね?。


 よし。【浄化】も終わったので、そろそろ行くか。俺は隠密の4つの技を使い、窓から外に出て神殿へと走って行く。場所は女性陣に聞いていたので、教えてもらった北東の区画へと移動。この国の王都はドーナツ型なので分かりやすい。


 神殿の敷地内に入り、生命反応の多い建物に入る。後はいつも通りに聖人化していくのだが、腕輪判定で赤の奴の多い事。何処の国でも組織でも、数が増えれば必ず悪い奴も増えるのだが、それにしても多いぞここ。今回も8割とかいくんじゃないだろうな?。


 それでも赤く光る奴は全員聖人化していき、洩れなく調べながら白い枷を外しては着けていく。いつもながらの流れ作業をしていると、珍しい事に役職持ちに青い奴が居た。それは副神殿長だったが、気になったので白い枷を2つ着けて聞いてみる。


 すると、必死になって他の連中がやらかした事の尻拭いをやっている人物だった。どうもこの副神殿長は孤児院の出身で、他の役職持ちは商家か貴族に係わりある連中らしい。どうりで苦労している筈だ。それも今日で終わりだが。


 俺は他の役職持ちから腐っている商会や貴族に裏組織などを聞き、全て聖人化したら神殿を後にする。次はスラムの裏組織だ。ここは早めに潰しておいた方が良い。どうやら誘拐して違法奴隷として売る拠点の1つのようだし。


 流石に王都に本部を置くような馬鹿な連中じゃないみたいだが、それでもクソッタレな組織なんぞ潰しておくに限る。さっさと移動して潰そう。おそらくそこで協力している商会の名前も出てくる筈だ。とりあえず1つ1つ潰していくしかない。


 腹立たしさを感じつつも、素早くスラムの聞いていた位置へ行く。スラムは西地区にあるのだが、そこの廃屋のような建物の地下にアジトがある。俺は廃屋の中に居る見張りを気絶させ、聖人にしたら地下への階段を探し当てて下りていく。


 どうして、こう……地下が好きなんだろうなー、こういう奴等は。不思議で仕方がないが、理解してやる必要もないか。【探知】と【空間把握】を使い、先手で気絶させながら聖人化していく。ボスや幹部らしき連中に動きは無し。


 淡々と聖人化し、最後に残ったボス連中も変えたら話を聞く。すると、グルになっている貴族や商会の情報を入手した。本当に腐りきっている国だな。そうとしか思えないほどに酷い。とりあえず今日は商会までで限界だな。そう思い、スラムのアジトを出る。


 聞いていた3つの商会の店の裏に回り、従業員から情報を聞いたら聖人化していく。次に商会長の屋敷に行き、根こそぎ赤く光る奴等を聖人化した。あー、疲れた。さっさと宿の部屋に帰ろう、本当に疲れたよ。


 宿の部屋に戻った俺は一息吐くと、布団に寝転がって目を瞑る。多分寝られても2時間ぐらいだろう。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界779日目>



 「アルド、そろそろ起きてください! もう朝ですよ。アルド! 起きてください!!」


 「う、うぅ………もう、朝か。殆ど眠れてないな、これは……」



 シュラに起こされた俺は、既に皆が起きている事を確認してから朝の日課を行う。部屋と体を綺麗にしてから起き上がり、鍋で緑茶を淹れて飲む。頭が碌に覚醒しないが、それは眠れてないからだし仕方ない。



 「どうやらアルドは昨夜、相当大変だったみたいだね。そこまで眠そうにして起きられなかったのは珍しいから当然なんだけどさ。それにしても、何をしてたらそこまでになるんだい?」


 「昨夜は王都の神殿とスラムの裏組織に、そいつらに協力していた大きな商会3つの商会長を聖人化してきた。とはいえ、係わっている貴族が残っているんでまだだ。そいつらは今日の夜に変えるが、俺がこの通りなのでダンジョン攻略は遅れる。すまん」


 「それは仕方ないわよ。最奥に関してはアルドが居ないと死亡する可能性が高いから、私達だけでは行かない方が良いし。そういう意味でも、今日はゆっくり王都を見回るくらいで良いんじゃないかしら?」


 「そうだね。僕も何か買いに行ってこようっと。この国では長粒種のお米があるって聞いてたけど、料理には出てきた事ないね? いや、今ふと思ってさ……」


 「アルドが前に言ってたけど、食堂で出すなら安いのを出すんじゃないかい? そもそもこの国で米が出るって言ってたのはヴィラノーアの王女だし。王女相手にセン麦のパンを出したりしないだろうからね」


 「そんな事をしたら国際問題か、もしくは自国の品位を著しく下げるだけです。他にあるのに敢えてセン麦のパンを出すなんて、間違いなく嫌がらせでしかありませんよ。事と次第によっては戦争案件です」


 「それは当然だけど、その話は横に置いといて食堂に向かおうか。主様の頭も覚醒してきたようだし、朝食を食べたらまた眠るだろうから早めに済ませてしまおう」



 確かに早めに済ませてくれると助かる。しかし、このままだと昼夜逆転しかねないな。何処かの時点で強引に寝るか。



 ▽▽▽▽▽


 1574終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2676枚

 大銀貨1649枚

 銀貨2425枚

 大銅貨1163枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ