1573
「起きてください。もう夕日が出ていますから、そろそろ起きる時間ですよ!」
「あ、ああ………。イデア、ありがとう」
今日はイデアが起こしてくれたらしい。俺は起き上がると部屋と体を綺麗に【浄化】する。皆も昨日と同じく部屋に居て、外には全く出なかったらしい。連日暑い日が続くし、日中に出たくない気持ちは分かる。日焼けもするしな。
送風機と冷房を仕舞い、部屋を出て食堂へ。大銅貨13枚を支払い夕食を注文すると、席に座って待つ。雑談していると運ばれてきたが……これってセン麦のパンだよな? 周りの客も嫌がってるから間違い無い。
俺はアイテムバッグからアルダのジャムを出し、それを塗って食べていく。それなりに量は多いんだが、代わりにセン麦のパンとか……ここの食堂は嫌がらせがしたいのか? それとも俺達のタイミングが悪い?。
まあ、どのみち出てくるのはセン麦のパンなので文句を言っても仕方ない。アルダのジャムで大分マシになってるんだから諦めて食べよう。周りの客がジロジロ見てくるがスルーし、俺達はアルダのジャムで乗り切った。
いやぁ、やっぱりセン麦のパンは強敵だ。宿の部屋に戻ってゆっくりしながらも、皆の話題の中心はセン麦のパンになっている。俺は子供達のミニゴーレムを使い、何故か対戦相手をさせられているので会話には混ざれない。
初めに言い出したのは蓮だが、俺はイデアのミニゴーレムを借りてあっさり勝利した。ちなみにスカして送り出しで勝利しただけで難しいことなんてやってない。八双飛びでも良かったのだが、面倒なのでスカす事にした。
張り手やぶちかましが好きな蓮を相手にしていると投げ技が面白いほど決まるのだが、それにムキになって突撃してくるのでそこを指摘する。何度も指摘すると流石に突っ込んで来る事は無くなったが、それでも押してくる。
後はイデアに任せてと思っていたら、何故か蓮のミニゴーレムでイデアの相手をする事に。イデアは小奇麗に投げようとするので、そこを押し引きしてやると直ぐにバランスを崩す。後は倒してやれば俺の勝利だ。
イデアも負けず嫌いだからかムキになって向かってくるが、そうなると簡単に投げ飛ばされるので余計にムキになる。その悪循環を指摘して直させる。腹立たしいものの、言われている事には納得したのか落ち着いたようだ。
後は2人に任せておこうとミニゴーレムを返すと、今度はダリアがきて胡坐の中に入る。俺はダリアを【念動】で出した後、ブラッシングを始めたのだが、今日はあっと言う間に撃沈した。既に眠たかったのだろうか?。
フヨウもブラッシングしてみたが、少し時間が掛かったのでダリアが眠かっただけなのだろう。そう結論付けた。そうこうしていると子供達も布団に寝転がったので、2匹も左右に運び【昏睡】を使う。
子供達を寝かせた後は女性陣の番だ。今日は久しぶりに【集中】まで使って丁寧に精密に技を使ったからか、何人かダメな顔になってしまった。誰とは言わないが、さっさと忘れて綺麗にしよう。
部屋と体を綺麗にした後、勾玉で邪気を【浄化】したら行動開始。窓から外に出て、昨日と同じ様に神殿に行く。神殿長や副神殿長に聞いたところ、どうやら派遣されている代官と共に3者でボッタクリをしているらしい。
神殿と代官とドグル商会が結託して、王の直轄地でボッタクリをさせて賄賂を受け取っている。塵も積もれば何とやらで、なかなか儲かっているようだ。まあ、それも今日で終わりなんだが。
それにしても直轄地って自分のお膝元だろうが、そこぐらいしっかり統治しろよな。それすら出来ない愚王となるんだが、理解してないのかね? まあ、俺には関係ないが。……よし、代官も終わり。後は商会だけか。
ドグル商会の店に行き、従業員の宿舎で聖人化と尋問を終わらせたら商会長の屋敷へ。そこで赤く光る連中全員を聖人にしたら終了、帰って寝るか。それにしても、まさか商会長が死んでいるとはな。
誰に殺されたのかは知らないが、毒殺されたのは間違い無い。俺が侵入した日にするなよなー、疑われはしないが微妙な気分になるだろうが。多分だけど、聖人にした中に犯人が居るんだろうな。興味無いけど。
さっさと宿の部屋に戻り、部屋と体を綺麗にしたら布団に寝転がる。昨日より早く寝られて助かるが、それでも疲れた。さっさと寝よう。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界778日目>
おはようございます。今日はようやく商国の王都へ行く日です。とはいえ北に行けば朝の内に王都に着くんだけどね。大した距離は離れていない筈なんで、今日は移動が殆どないと思われる。面倒な貴族が出てきたら分からないが。
朝の日課を終わらせて、お茶を淹れたら適当に過ごす。せっかくなので皆を丁寧に【浄化】しよう。精密に緻密に丁寧に丁寧に1人1人【浄化】していく。ここまでする事は滅多に無いが、たまには良いだろう。
そう思って【浄化】していると、何故か邪生が発生した。……なんでだよ。場所は市場の方だが俺は手を出さない。というより、朝から多くの人が居て手を出せないんだ。こればっかりはしょうがない。いきなり【浄化】されたら意味不明だし。
邪気を感知したのかダリアとフヨウが起きたが、俺達には関係無いと言うと2度寝を始めた。まあ、好きにしなさい。そう思い放っておくと、皆が続々と起きてきた。結局眠れなくなったのか、起きてきたので水皿に神水を入れて出してやる。
皆と邪生が出た話をしながら布団を片付け、飲み終わったら送風機や冷房も片付ける。忘れ物が無いか確認したら、宿を出て食堂へ。大銅貨13枚を支払って朝食を注文したら、普通の食事が出てきた。
昨日の夜に聖人にしたのであって、まともになるには早い気がするんだがな? ……別に損してる訳じゃないから良いか。普通の朝食を食べた後、町の入口へと行き門番に登録証を見せる。外へと出たら北に向けて出発。
多少歩いて離れたら、身体強化をして走り出す。朝早くに出たからか、狩人も馬車も殆どいない中を走って行く。爽快な気分ではあるものの、そんな気持ちは10分もしない内に終わる。後は惰性で走り続け、目的地の王都に到着。
まだ朝早いからか並んでいる人は多くなく、すんなりと王都に入る事が出来た。7人に大銅貨を1枚ずつ渡して情報を聞きだし、お薦めの宿へと行く。ここでもスラムの中にある宿がお薦めのようだ。ボッタクリばっかりかよ。
早速聞いた場所に行き、宿へと入る。受付に居た子供に大部屋が空いているか聞くと、今日の朝に空いたばかりならしい。運が良かったと思いながら10日の代金である銀貨4枚を支払う。
部屋に入り送風機と冷房を設置して起動、布団を敷いて寝転がる。皆は「えっ!?」という顔をしたが、俺は神殿以外にどれだけの奴を聖人にするか分からないので、今の内にしっかり寝ておく事を説明した。
皆も納得してくれたので、おやすみなさい。
「アルド、そろそろ起きな。もう夕方だから、そろそろ起きなよ」
「う、ん。……もう夕方か? 朝の内に到着してた筈じゃなかったか?」
俺は部屋と体を【浄化】しながら、ボーッとする頭で考える。確かに朝の内に着いていた筈だ、それが気づいたら夕方まで寝てるって……。もしかしたら自分で思うより疲れてたんだろうか? もう少し気を付けておこう。
部屋の中を片付けて忘れ物がないか確認したら、昼に皆が行ったという食堂へ。聞き込みの時に薦められた食堂だが、可も無く不可も無くという店だったようだ。そういう店の方が安心できるので助かる。
中に入り、大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら席に座って待つ。それなりに客が入っているものの、犇き合うほど多い訳ではない。代わりに凄く五月蝿いが、こればっかりは下町の店ではよくある事だ。
そんな五月蝿い中で、少し気になる会話が聞こえてきた。
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1573終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2676枚
大銀貨1649枚
銀貨2425枚
大銅貨1163枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




