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 目の前のゴーレムがゆっくりと動く。高さは7メートル程で、漫画やアニメでありがちな姿をしている。額に文字が書かれている事も無く、腕や足が動くだけのシンプルなゴーレムだと思う。流石にレーザーを撃ってきたりはしない筈。


 ゆっくりと足を上げて、ゆっくりと下ろす。凄いな、片足でも体重を支えられるらしい。人間種の体もそうだが、あれって地味に難しいとか聞いた事があるんだが……。確か片足でバランスをとるのは、相当に大変だとか何とか。


 ロボットってそんなに難しいのかー、と動画を見ながら思った記憶がある。それはともかく、皆がゴーレムに近付いて攻撃を開始しようとしたその時、ゴーレムの前に魔法陣が現れ魔法を連射してきた。【火弾】の魔法だが、数が随分多いな。


 少なくとも15個は同時発動しているので、迂闊に近寄る事も出来ない。そのうえゴーレムの腕の振り下ろしなどがくるので、そう簡単に攻める事が出来ず、皆は攻めあぐねている。特に腕や足の攻撃は受けられないから回避するしかない。


 皆は仕方なく魔法に切り替えたようだが、それは悪手だろう。あそこまで魔法を使って牽制してくるって事は、近付かせたくないと考えるべきだ。皆は人数が多いんだから、誰かがフェイントを掛ければ近付く事は出来る筈。


 後は少しずつでもいいから切り裂いていけばいい。神の金属製である以上、ゴーレムが切れない何て事は無い。足首を切ってやれば、まともに歩く事も出来なくなる。後は全員でボコればいいだけだ。


 問題はその状況までもって行けるかどうかだが、今のところは難しいと言わざるを得ないな。ゴーレムの使う魔法の牽制に、ちょっと及び腰だし。迂闊に近付くと連射されるので仕方ないんだが、それにしても膠着してるなぁ……。


 おっと、子供達が木像で近付くフリをした際にゴーレムから魔法が飛んだが、その隙にエリアが一気に近付いたな。今はゴーレムの足首に鉞を叩きつけている。うんうん、攻撃するならソコだよな。ゴーレムも明らかに嫌がってる。


 今度はエリアに対して魔法の連射と足での踏みつけ攻撃に出たが、エリアは盾で防ぎながら身体強化のバックステップで回避した。それを見たダナが一気に接近し、もう片方の足首にメイスを叩きつけている。もちろん身体強化をしてだ。


 ガァンっ! と凄い音がしているが、結構なダメージらしくゴーレムが嫌がっている。今度はダナに対して魔法の連射を行ったが、ダナも盾で防ぎつつバックステップで後退。エリアが再び近付いて鉞での攻撃を始めた。


 これはパターンに入ったなと思ったその時、エリアが足首を破壊してゴーレムが前に倒れる。うつ伏せになったゴーレムは起き上がろうとするものの、それより早くダナがもう片方の足首も破壊。完全に立てなくした。


 後は皆で囲んでボコるだけ。足元から近付いた皆が一気呵成に攻撃し、次々にゴーレムをバラしていく。最後は頭だけになったゴーレムは全身を邪気にして襲ってきたが、勾玉を使っていた俺に【浄化】されて終わった。


 流石に7メートル級の大きさのものが一気に邪気になると、勾玉だけでは対処できないので【聖浄世界】を使ったものの、その御蔭で被害は一切無し。なかなか上手く対処出来たんじゃないかと思う。どうせ邪気になるだろうと予想してたし。


 ゴーレムを倒した皆を労っていると脱出紋が現れたので、どうやら最奥のボス戦は終わりのようだ。ついでに何かが現れたようなので、俺はそれを取りに行ってくる。最奥に物は出にくくなっているが、今回は何が出たんだろう?。


 そう思って確認に行くも、そこにあったのはミニゴーレムだった。なんだこれ? と思ったものの、ミニゴーレムの足元に紙がある。折り畳まれたソレを読んでみると、神様が創った玩具らしい。どうやら魔力で動くようだ。


 背中から線が出ていて、4メートルくらい伸びている。その先端には棒のような掴む部分があり、そこから魔力を流すと動かせるらしい。ミニゴーレムの大きさは50センチくらいで2つあり、子供の玩具サイズだ。色は赤と青。


 俺はそれを持って皆の下に戻り、子供達が乗っていた木像を回収しながら説明する。蓮もイデアも面白がって動かしているようだが、アレって魔力操作の練習になる気がする。何故か押し合い引き合いをしているが、相撲でもさせるか?。


 俺は地面に丸を描き、縦線を2本書いたら相撲の説明をする。子供達は左右に分かれ「はっけよ~い、のこった!」の合図と共に、張り手を叩きつけながら押してゆく。最後には2体とも滑って倒れたが、なかなか白熱した試合だった。


 子供達は気に入ったのかポーチに仕舞おうとしたが、どうやら入らないらしい。仕方ないので小型のアイテムバッグを渡し、そちらに入れるように言う。ついでに色々な物を小型のアイテムバッグに詰め、ポーチの容量を空けている。


 皆も休めたようなので、そろそろダンジョンを脱出しよう。そう言って皆を立たせ、脱出紋に乗ってダンジョンを出る。外に出ると、まだ夕方には早い時間だった。なので今の内に解体所に行き、さっさと獲物の売却を終わらせておく。


 俺は何も狩ってないので待っているだけだが、子供達も同じなので適当に遊ぶ。そこまで待たされる事も無く査定は終わり、皆は登録証やお金を受け取っていた。一応ギルドに報告するべきなんだろうが、面倒臭いらしく行かない事に決める。


 ダンジョン街から町に戻り、少し早いものの食堂に行く事にした。宿に戻っても少し休んだだけで夕食の時間になるのなら、食堂で早めに食事を終わらせて宿に戻ってゆっくり休む。皆もそれでOKしたので、最初から食堂だ。


 食堂の中に入り、大銅貨13枚を支払って夕食を注文すると、まだ夕食の料理は完成していないと言われた。俺達は店の中で待たせてもらうから出来たら運んできてほしいと言い、皆の下へと移動する。


 皆に夕食がまだ出来ていない事を説明し、適当な雑談で時間を潰す。それなりに時間が経ち、客が入り始めた頃に俺達の料理はやってきた。その頃にはある程度の体力は回復していたが、会話の内容も減っていたので丁度良いタイミングだ。


 夕食後、宿に戻って送風機と冷房を設置し起動する。子供達は早速ミニゴーレムを出して遊んでおり、女性陣は酒を飲み始めた。今日のゴーレム戦の感想を言い合っているが、やはり突っ込むまでに時間が掛かった事を問題視している。


 何が有効なのか、敵の攻撃はどういうものなのか? それが分からないままに突っ込むのは悪手だが、ある程度判明したうえで打開策が突っ込むしかないなら、協力して突っ込むべきだった。最初にエリアが突っ込んだのも、自分勝手ではあるからな。



 「とはいえ、エリアが突っ込んでくれなかったら膠着状態は続いてただろうし、そうなるとズルズル長引いて余計な失敗をしていたかもしれない。そういう意味でも、早めに突っ込む意思ぐらいは見せるべきだったね」


 「でしょうね。それで相手の反応は変わったかもしれませんが、少なくとも膠着状態は打破できた筈です。結局のところ、消極的と言いますか慎重にし過ぎたのが失敗の原因ですから、セシルの事を笑えませんね」


 「そういえば、あの子も消極的すぎて失敗したのよね。あまり変わらないけど、皆に被害が出なくて良かったわ。流石にあの子達と同じ失敗は悲しすぎるから、そうでなくて安堵といったところかしら?」


 「消極的な事と慎重な事は同じじゃないし、私達はどちらかと言うと慎重になり過ぎた方だろう。あれほどの大きさの相手は今まで戦った事も無いし、そのうえ生き物でもないからね。私も焦ったのが正直なところさ」


 「流石にあの大きさは私も躊躇したし、それが当たり前な気もする。あのゴーレムとやらに殴られたり蹴られれば、ほぼ確実に死ぬとなれば慎重にもなる。そもそもアルドが知っていて私達が知らないという事は……」


 「確実に神様達のお遊びで創られたって事だよね。あんな大きさの人形と戦うなんて勘弁してほしいよ。正直に言って、ヘイバヨウ? とかいう陶器人形の方が100倍以上マシだったんじゃないかな」


 「アレもアレで皇帝の人形を倒すまで終われませんけどね。それでも、あの大きさの人形に踏み潰されるよりはマシでしょうか。15個同時に魔法を発動しますし、思っている以上に厄介な相手でした」


 「皆が行かないからあたしが行ったけどさ、近付いちまえばどうって事なかったね。足を動かしたって遅いし、腕を動かしたって遅い。しかも体が大きいから、近付いた方が攻撃し辛いみたいだったし」



 そりゃ、アレだけ大きいゴーレムだからなぁ……。大きい敵の弱点ってそんなもんじゃないか?。



 ▽▽▽▽▽


 1570終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2676枚

 大銀貨1649枚

 銀貨2429枚

 大銅貨1347枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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