表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1569/1948

1568




 未だに感動のナニカが目の前で行われているが、そろそろお前ら空気読めや。そういう言葉が聞こえてきそうな雰囲気になってきている。嬉しかったのは分かるし、顔が治った伯爵令嬢は美人なんだが……そろそろどっか行ってくれないかな。


 そろそろ我慢の限界かと思われたその時、「ぐー」と誰かのお腹が鳴った。その瞬間、周りの空気をようやく感じ取ったのか、4人は慌てて姿勢を正して俺達に質問をしてきた。



 「申し訳ございません。私達が邪魔をしていたようですね。しかし、これほどの薬の対価……どれほどお支払いすれば宜しいのでしょうか? 例え実家に頼る事になろうとも必ずやお支払い致します」


 「いや、支払いなんていいから帰ってくれないか? 俺達そろそろ食堂に行って夕食食べたいからさ。子供達も限界に達しているし、あの薬はまだまだ余っている物でしかないから。対価は別にいい」


 「それは、いけません! あれほどの効果の薬を、私は一度も聞いた事がないのです! それほどの薬を分けて頂いたにも係わらず対価をお支払いしないなど、あってよい事ではありません」


 「言いたい事は分からなくもないが、さっきから言ってるだろう。子供達がお腹を空かせてるんだよ。こっちにとってはお前さんの火傷より、子供達がお腹空かせている方が大事なんだ。という事で、帰ってくれ!」


 「あ、はい。あの……すみませんでした」



 いい加減、自分が邪魔をしている事を理解したのか、4人は頭を下げた後すぐ部屋を出て行った。俺達は部屋の片付けと忘れ物がないかを確認し、部屋を出たら食堂へと移動する。大銅貨13枚を支払って席に着くと、直ぐに夕食が運ばれてきた。


 俺は子供達が笑顔で食事をしているのを見て、安堵しながら自分も食事を楽しんだ。夕食後、部屋に戻って送風機と冷房を設置し、起動してから布団を敷く。子供達はお腹がいっぱいになったからか既に眠そうだ。


 ダリアとフヨウが子供達の前でちょこちょこ動きながら相手をしているので、子供達も何とか起きている。流石に食後すぐに寝るのは体に良くないので、30分ほど起きていてほしいのだが……大丈夫か?。



 「それにしてもさ。嬉しいのは分かるし、今まで苦労してきたのが爆発したんだろうけど、「いい加減にしろ!」と心の中で何回も思ったよ。お腹空いている子供達が白い目で見ている事すら気付かないなんてね」


 「まあ、それほど嬉しかったのでしょうし、その気持ちも分からなくはないのですが……。だったら尚の事、恩人に迷惑をかけるのは止めてもらいたい、というのが正直なところでしょうか」


 「感極まっての暴走というなら分かるのだけれど、タイミングがあまりにも悪すぎたわね。夕日が出ているんだもの、普通の人は夕食を食べる時間よ。いつ終わるのか分からないまま待たされれば、怒るのも当然でしょう」


 「神薬を使って治すのは良い事だし、私も女として顔が火傷を負えば絶望する気持ちはよく分かるんだ。でもリーダーの子はともかく、他の子が余計な事を言い触らしたりしないか心配だよ」


 「それは分かるが、心配してもキリがないと私は思う。言葉は悪いかもしれないが、聖人化する者を炙り出すと考えればいい。それならば、あの者を治した事は間違いではなくなる」


 「ようするにトラップにする訳だね。リーダーの子が伯爵令嬢だったから、他の子も貴族令嬢かな? 誰かに命じられれば喋らざるを得ない立場だろうし、ある意味で都合が良いね。喋って引け目というか負い目を感じてもらおうか」


 「そうすると、必ず欲深い者は動き出すでしょうからね。この国は儲かるなら何でも良いという者が多いようですし、一気に話は広がるでしょう。商人にでも話せば、あっと言う間に拡散するのは簡単に分かる事です」


 「そして押しかけてきたバカが聖人にされて、この国はマシになっていくんだろうね。そういえばアルドは昨日、男爵、神殿、商会を聖人化してきたんだよね?」


 「それとスラムの裏組織もだ。オムドン商会と裏組織も繋がってたんで、纏めて全て聖人にしてきた。ここもスラムの一角だが、スラムの連中に襲われる可能性は殆ど無いと言っていいと思う」


 「そこまでしてあるなら間違いなく安全だろうさ。聖人にしてあるから表通りの宿より安全っていうのも、これはこれで面白い話なんだよねぇ……っと、蓮とイデアに2匹は寝たみたいだよ?」



 ダナの言葉で子供達の方を見ると、確かに蓮もイデアも2匹も寝ていた。【念動】を使って子供達と2匹を布団に寝かせたら、【昏睡】を使って深く眠らせる。腕を持たれたので確認すると、既に女性陣は裸だった。


 相変わらず脱ぐのが早過ぎませんかね? そう思いながらも黙って連れて行かれる。【房中術】【鋭覚】【精気】で相手をし、全員を満足させたら少しゆっくりとしよう。部屋と体を綺麗にし、勾玉で邪気を【浄化】。


 終わったら少しだけ緑茶を入れて、飲みながらボーッとする事にした。今日は長く寝ていたので眠たくはない。とはいえ【昏睡】を使えば寝る事は可能だし、神酒を飲めば意識を簡単に失うだろう。それが良いとは思わないが。


 それよりもダンジョンを攻略したら、次に行く場所を聞きこみしなきゃいけないな。この国にダンジョンが幾つあるのか知らないが、少なくとも2つはあるだろう。何処の国も王都の近くにはダンジョンがあるし。


 やはり無限の食料庫とも言えるダンジョンの近くに都を作るのは、この星では当たり前の事だと言える。国にダンジョンが無いならまだしも、在るなら絶対にその近くに都を作るだろう。俺が国を興すとしても、必ず同じ事をする。


 そう断言できる程にダンジョンの資源は魅力的だ。穢門と呼ぶヤシマの国でさえ、京の都にはダンジョンがあったしな。まあ、途中から現れたらしいんだけど。おそらく神武天皇が潜ってたダンジョンは大和の国のものだと思う。


 何か頭の中がとっ散らかってきたな、もう寝るか。緑茶を飲み干し、布団に寝転がった俺は目を瞑る。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界774日目>



 おはようございます。今日はダンジョン攻略の日ですが、1日で攻略出来るかは微妙でしょうか。俺自身が確認していないので何とも言えないというのが1つ。もう1つは地形が変わっている可能性だ。それが起こると事前情報の意味が無くなる。


 朝の日課を終わらせ、椅子に座って緑茶を水出ししているとイデアが起きてきた。トイレに行ったので見送り、何も考えずに椅子に座っていると、突然近くで邪気が膨れ上がる。近くと言ってもスラムの中という意味での近くだ。


 慌てて【探知】と【空間把握】で確認すると、どうも廃屋で寝ていた老人が邪生になってしまったらしい。周りに誰も居ないので、今の内に俺が【浄化】しておこうと思い権能を使用した。


 あっさりと【浄化】されて息絶えた老人の邪生を、遠隔の【念動】で廃屋から出し、【浄炎】で燃やして灰と骨にする。後は穴を掘って灰と骨を【粉砕】し、放り込んで埋めれば終了だ。全て遠隔でしたが大変だな、コレ。


 部屋に戻っていたイデアが俺をジッと見てくるので、何をしていたかを話すとホッとしたようだ。流石に邪生の発生には気付いたようだし、暴れまわっているというのも気分がいいものではないからな。


 とはいえ邪生をどうにかするのは神官の仕事だし、俺が勝手にやるのは本来あまり良くない事だ。神殿の神官達で何とかするのが1番いいんだが、流石に早朝で誰にも見られないなら構わないだろう。聖人は居るが直ぐに来れる訳でもないし。


 2人で話をしながら過ごしていると、次に起きたのは蓮とフヨウだった。水皿を出して神水を入れると、いつも通りに吸い上げて首へ。2人での雑談を再開して話していると蓮が戻ってきた。


 何故か俺の膝の上に座り、コップを出して頼んでくるので緑茶を入れてやる。今日は甘えん坊の日かな?。



 ▽▽▽▽▽


 1568終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2676枚

 大銀貨1649枚

 銀貨2429枚

 大銅貨1373枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ