1564
「ココを通る為にゃ通行税が必要だぜ。お前等なら……1人金貨10枚だなぁ。どうする? 払えなきゃテメェらは奴隷落ちだが、心配すんな。俺達が可愛がってやるぜ!」
「皆、何を言うか待っていたが、典型的な下らない連中でしかなかった。聞きたい事があるんで殺しはするな、それ以外なら構わない。それじゃ……戦闘開始!」
何を言うかと思っていたら、結局下らない事しか言えない連中だったな。もうちょっと言い回しを含めて色々あるのかと思っていたが、ビックリする程つまらない奴等だ。それより、俺も子供達を守る形で動こう。
皆は暴れており、既に盗賊をボコボコにしているが、コイツら驚くほどに弱いな。流石にここまで弱いとは思わなかった。今まで数を頼りにしていたのか、それとも何がしかの秘策でもあるのかね?。
ボコボコにされている雑魚を見ている限り、そんなものは無さそうだが……。あーあー、もう終わりかよ。皆も消化不良みたいな形になってるな。とりあえず盗賊共を縛り上げ、1人1人白い枷で尋問していく。
「何故お前等のような盗賊が、こんな所で堂々と襲っているんだ? 他に仲間が居るか、それとも後ろ盾があるんじゃないのか? あるならば、さっさと喋れ」
「仲間はここに居る者以外はアジトに留守番が3人居る。俺達の後ろ盾は、この辺りの商売を牛耳っているオムドン商会だ。捕まえた奴等は全部纏めて奴隷として売り払っている。そこから先は知らない」
よくあるパターンと言うべきだろうか? ラノベとか漫画でありがちな展開だなぁ。盗賊共の裏にデカイ商会があって、そこが後ろ盾をしているから捕まえて兵士に突き出しても釈放される。うん、ありがちなパターン、つまりテンプレだ。
俺の場合は白い枷を使って聖人にしてしまうので、兵士に突き出す事すらしないんだけどな。この盗賊のボスを聖人に変えたら終了だ。他の奴等はすでに聖人に変えて【昏睡】で眠らせてある。コイツが最後だが、アジトへ行って来ないと駄目か。
ちなみに盗賊団のアジトは、この森を南に行った所にある洞窟らしい。こいつらが溜め込んだ金には興味が無いが、残っている奴は聖人にしておきたい。なので全員で移動し、アジトを一気に強襲する。どのみち3人しか残ってないし。
森の中を走りながら【探知】で生命反応を調べていると、3つあった反応が1つ減った。慌てて急行するも、フォレストベアに喰い殺されている盗賊を発見。しかし既に2人目が殺されていて、最後の1人は半狂乱になって逃げていく。
フォレストベアからは逃げられず、爪で切られながら押し倒された。首を後ろから噛み千切られて死亡し、これで盗賊は全滅だ。聖人にされるか、ここで死亡する。どちらが本人にとって良いのだろうか? 俺には分からない。
フォレストベアは俺達の匂いに気付いたのか、直ぐに後ろを振り返り走ってきたが、シュラがウォーハンマーで頭をカチ割ってしまい終了。見せ場も何も無かった。とはいえ魔物に見せ場があっても、それはそれで困るのだが。
盗賊の死体もフォレストベアの死体も纏めて穴に入れて【浄炎】で燃やし、灰と骨になったら【粉砕】して埋める。これでアンデッドになる事も無いが、この国では死体の処理をどうしてるんだろう? ヴィラノーアは酷かったからなー。
ちゃんと処理してほしいもんだ。そう思いながら盗賊のアジトを【探知】で調べるものの、生命反応は一切無かった。どうやら捕まった奴隷なんかは居ないようだ。捕まえたら直ぐに連れていって売り払うんだろう。
俺達は盗賊のアジトを後にし、森の中を再び北上。誰も見て居ないのを確認してから、森の小道に何食わぬ顔で出る。盗賊共が気絶したままだが、スルーして町への道を走って行く。余計な時間を喰ったが、それでも昼には間に合いそうだ。
森の小道を抜けると、向こうの方にエッテオ町が見えてきた。見た感じ、それなりに大きい町のようだが、ダンジョンが近い町っていうのは大抵こんなものだ。俺達は町にある程度近付くと、速度を緩めて歩きに変える。
そのまま近付いていき、門番に登録証を見せて中に入った。ダンジョンが近くにある町としては普通な町並を歩きながら、大銅貨1枚を渡し4人から宿と食堂を聞いていく。すると治安の悪い所にある宿を勧められた。
何でも、この町の多くの宿はボッタクリらしく、治安の悪い所にある宿は良心的な値段らしい。ただ、危ない連中も居るらしいので、そういう意味ではお薦め出来ないとも言われたけど。
ボッタクリか、それとも危険か……。どちらを取るかと言われたら危険かな? どのみち腐った連中は聖人にするんだし、そうすれば安全になるんだからボッタクリを選ぶ理由が無い。普通なら安全を取るのは当たり前だが、俺達にとってはなあ……。
皆も納得しているので、さっさとスラムに行って宿を確保しよう。教えられた南東地区に行き、聞いていた看板を見つけた。黒い丸が描かれた看板が特徴と聞いたが、本当に真っ黒な丸しか描かれてないので分かりやすい。
入り口の扉を開けて中に入り、受付に居た子供に大部屋があるかを聞く。空いているようなので10日間を頼み、銀貨3枚を支払う。次に昼食を食べに行く事を伝え、この宿の近くにある食堂に移動した。
こちらも直ぐに見つかったが、宿とは違ってスラムと普通の区画の境界上だ。ある意味では分かりやすく、ある意味では分かりにくい店だと思う。俺達は食堂に入り、大銅貨13枚を支払ったら昼食を注文する。
席に着いて雑談していると、近くの狩人がヒソヒソ小声で喋っているのが聞こえてきた。何を言っているのかまでは分からないので、【空間把握】で音を拾うか。
「いったい、いつまでこんな事をしなきゃいけないんだ? オムドンの奴等め、デカイ商会だからって好き勝手しやがって。それに男爵も男爵だ。玉を握られているのか知らないが、まるでオムドンの奴が領主みたいに振る舞ってやがる」
「あまり大きな声で喋るな。誰が告げ口するか分かりゃしねえんだ。それよりも、神殿までオムドンの野郎にべったりな所為で浄化代が高すぎるぞ。少し前にも値上げしやがったしよ。このままじゃダンジョンがあっても生きていけねえ」
「そうなんだが、オムドンの野郎から妙な物とか買って借金塗れだって聞くしな。神殿も男爵も何の役にも立ちゃしねえ。この町は完全にオムドンに支配されてやがる。兵士も何もかもがだ。情けねえとは思わねえのか……」
「誰もがそうだが、家族を犠牲には出来ねえよ。奴等は何でもしやがるし、秘密裏に始末されたなんて話も聞こえてくる。この町で奴等に逆らって生きていける者はいねえよ。俺だってそうだが、お前だって無理だろうに」
「………」
コソコソ話しているが、相当鬱憤が溜まってるんだな。暴発して暴れまわったら解決するだろうが、連座で処刑が何処まで広がるかってところか。どれだけ悪事を働いて強い力を持っても、最後には民衆の暴力で引っ繰り返される。
この星でも多くの国で同じ事があった。今さらと言えるが、我が世の春を謳歌する連中は大事な事を直ぐに忘れるんだよな。好き勝手に出来るので優越感に浸れるのか、それとも万能感にでも浸れるのかね? 薄い氷の上に立ってるだけなんだけど。
いつ転落するか分からないのに、我が世の春と思い込めるのは怖いねー。まあ、何代にも渡ってやってきたのかは知らないけどさ。俺がこの町に居る時点で終わりだし、もっと言えば、俺に喧嘩を売ってきた時点で終わりだ。
相手は何も知らないだろうけど、だからと言って此方が引き下がるなんて事は無い。昼食後、宿に戻って部屋に入る。送風機と冷房を設置して起動し、キンキンに冷えた神水を入れておく。俺は買い物に出掛けると言って宿を出た。
とりあえず決めていた紅茶を買いに行こう。後は米の種類も確認しておかないと。もしかしたら短粒種もあるかもしれないし。
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1564終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1649枚
銀貨2429枚
大銅貨1412枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




