0155
「そこまで! ……今日やった訓練を続けていけば、魔力と闘気の扱いも上手くなっていくだろう。それは【魔法】や【闘気術】にも影響を与える。だから毎日少しずつ続ける事が大事だ」
「「「「「はい!!」」」」」
「そういえばアタシ達も随分上達したね。今なら【魔法】も【闘気術】も強力なのが使えると思うんだけど……」
「その前に戦いが終わるんですよね。強力な力の使いどころが無いと言いますか……」
「身体強化だけで、十二分に戦っていけるのよね」
「まぁ、強い力が必要な相手に出会うまで、鍛錬していれば良いと思うよ」
「命の危険は無い方がいいからな。ただ、本当の命の危険は向こうからやって来るから困るんだよ……」
「本当にね。アンタ達も、いきなり避けようもない危険に晒されるって事を、ちゃんと考えておきなよ」
「「「「「……はい」」」」」
「別に脅している訳ではないですけど、私達はそういう”死”を沢山見てきましたからね」
シュラの話を聞いて顔色が悪くなったな。しかし、シュラは事実を言ってるだけだから誰も否定出来ないし、ベテラン連中なんかは神妙な顔で聞いている。……何でベテラン連中が?。
居たのは知ってたけど、危険性が無いから放っておいたんだ。横で同じ訓練をしていたのは知ってるが、5人組は新人で金払ってるんだが……こいつら図太過ぎないか?。
「気を付け過ぎて損をする事は殆ど無いんだ。だから警戒は怠らないようにね」
「だからと言って、誰も彼もを敵として見てはいけませんよ」
「適度な警戒というのは難しいのだけれど、そのうち貴女達にも分かるようになるわ」
「まぁ、敵だと分かったら直ぐに殺せばいいよ。敵になる奴が悪いんだ。人を殺す覚悟は持つようにね」
「傭兵でも犯罪者みたいな奴等はいるからなぁ。そういう奴等はさっさと始末していいと思う」
「5人が身体強化を正しく使えるようになれば、後は連携だけで蹴散らせるようになるだろうさ」
「キチンと連携できれば、5人という人数はなかなか強いですからね」
5人がリラックスしたのを見計らい訓練の終了とする。ルタと一緒にミュウさんの所へ行き手続きをしてもらう。待っている間ボーッとしていると、アホが絡んできた。
「オイ! そこの女! そこのカスじゃなくてオレ達の方へ来いよ!」
なんかまたバカが……おいおい、本物の”モヒカン”が目の前に居るぞ! マジか!? コイツ等本物のヒャッハーじゃないか! 俺が驚いていたらモヒカンどもはルタの肩を掴み……?。
「ガッ!? ……アゥ……グ………ガ」
おおーっ。股間に蹴りが綺麗に入った。咄嗟の身体強化は出来ていたし、案外本番に強いのかもしれない。声を掛けてきたモヒカンは悶絶しているが、他はウチの皆に連れていかれた。
モヒカン軍団は6人居たんだが、現在訓練場から物凄い悲鳴が聞こえてくる。おっ、身体強化した5人組が最後のモヒカンを引き摺っていくらしい。手続きは終わっているから、好きにしなさい。
ちなみに報酬は銀貨3枚だった。新人だし、割と頑張った方ではなかろうか。5人組は未だにギルドの宿泊所で寝泊りしているらしいので、銀貨3枚は結構大変な筈だ。
貴族令嬢だから普通の傭兵よりは遥かに楽だろうけどさ。魔銅の武器とか持ってるし。それでも他の所で傭兵をするよりは、俺が武器を作ってるルーデル村の方が楽だろうな。
最悪の際の保険があるのは安心感が違うと思う。俺が作った武器はどうなったんだろうな? 早速新人が買っていって在庫が残ってなかったりして。……俺も、訓練場行こっと。
「グボォッ………ガブッ……ゲフェッ……」
「本当にバカどもは居なくならないねぇ。何でこんなゴミがイキがってんだい?」
ブチブチブチっ……ブチブチブチィッ………。
あーあー……。モヒカンが引き千切られてる。哀れ、モヒカンは雑草のように引っこ抜かれた。しかも、他の奴等のも引き千切ってる……5人組が喜んでやってるが、笑顔は止めろ。
「グゾッ……デメェラ……ユルザネェゾ………」
「ならここで死ねよ、な?」
俺は小太刀をゴミの首筋に沿える。イキがってるだけだったんだろう。一気に顔色が悪くなり辺りを見回すも、誰も助けてくれない事を理解したらしい。怯えた目でイキがり続ける。
「テ、テメェ。オレを殺したら……」
「なら殺さないようにしようか?」
俺はアイテムバッグから真っ黒な金砕棒を取り出し2度3度と振る。ボッという音がすると、顔色が真っ青から土気色になっている。しかし、それでも謝罪をする気は無いらしい。
「そんなもんでオレが……」
「ふんっ!!」
ドゴッ!! という音がしてゴミが飛んでいった。もちろん吹き飛ばすように鎧に当てているので、体が潰れたりはしていない。この金砕棒なら一撃で殺せるが、殺す意味も無いしな。
丁度ダナの近くに飛んだからか、ダナは体を掴んで身体強化で放り投げてきた。また俺の所に戻ってきたので金砕棒で殴り飛ばす。なんか、こういう遊びってなかったか?。
今度はシュラの方に飛ばしたのだが、笑顔で投げ返された。次は……と順番にやっていたら、アルメアが投げ返した後に下半身が出やがった。誰がそんなもん人前で出せって言ったよ!。
「グゾ………ユルザネェ……デメェラ……」
「お前さ、そもそも俺達が不老長寿だと分かってて喧嘩売ってんのか? だとしたら本当に今すぐ殺すが?」
「アァ!? ……不老……長寿………?」
「どうやら気付いて無かったらしいな。俺達は5人全員が不老長寿なんだよ。誰に喧嘩売ったか理解したか?」
「う……あ……なん……で………」
「理解したらコレかい? 途中までは根性があったけど、所詮こんなもんか。……ついでに縮こまってて、小さいしねぇ」
「貫くなら最後まで貫けばいいものを……。それにしても、本当に小さいですね」
「そうねー。男性は大きくなるから、今の大きさじゃ分からないけれど……」
「アルドに怯えて縮こまってるね。これじゃあ駄目だ。大きさにどうこうは言わないけれど、恐怖で小さくなってるのは話にならないよ」
皆さん本当に容赦が無いですね! そっちを攻撃しますか? まぁ、大きさそのものには攻撃してないから、慈悲はあるんだろうけど。5人組もジロジロ見てるし、首を左右に振ってる。
君等も容赦が無いな! はぁー、やれやれ……っていうそのポーズ、この世界にもあるんだな、初めて見たよ。ちなみに最後まで頑張ってたモヒカンは、完全に心が折れたらしい。
ズボンを履いて逃げて行った。他のモヒカンも追いかけて行ったが、あいつ等見た事が無い奴等だったな。色んな奴等が村に来るが、全員同じ装備って流行りなのか?。
「あいつ等は全員が同じ装備を着けてるが、チームなのか? それともクランなのか?」
「多分チームじゃないかと思います。全員が同じ髪型のクランなんて聞いた事がありません」
「アタイもそう思う。あんなバカみたいな髪型、普通はしないよ」
「何だったのでしょうね。ルタを無理矢理連れて行こうとしてましたけど」
「ただの性欲よ。下卑た臭いしかしなかったもの」
「サリーがそう言うなら間違いありませんね」
「そういえば、サキュバスは性的な匂いを感じ取れるんだったかな?」
「正確には、肉体や精神の性的な匂いです」
「ふーん。アタシの眼よりは分からないみたいだね」
「ダナ……。【神眼族】と同じな訳がないでしょう? あり得ませんよ、そんな事は」
「私は魔女族だから、特別な力が無くて助かるわ」
「アタイ、魔女族って魔力薬が得意って聞いた事があるんだけど……」
「私もよ。エルは霊薬が作れるけど、凄く大変だって言ってた」
「霊薬って材料も魔力も凄く大変なの。魔力薬の方が簡単なぐらい。それでも、魔女族とそれ以外だと品質が全然違うのよ」
「でも私達魔女族は霊薬の作り方も知らないし、確か私達には作れない筈よね?」
「私は子供の頃から、自分達エルフと一部の者しか霊薬を作れないと聞いています」
こっちを見ないでくれますかね? 説明しろって? ……しょうがないな。
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0155終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨62枚
大銀貨81枚
銀貨50枚
大銅貨51枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
ヒヒイロカネの小太刀
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ