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 今回の相手も同じで、タワーシールドを前面に押し出してゆっくり近付いてくる。右手に持っているのは短槍でリーチは片手剣より長く、最初に出てきた相手より厄介だと言えるが……。


 ディルは無造作に近付いていき、相手の距離に入った途端、即座に短槍が突き出された。それを半身になってかわし、左手に持っていた木剣を首に向かって突き出す。当然、相手は避けるものの首を掠める形になった。


 相手は一旦離れて距離をとろうとするも、それより早く首を切り裂くように剣を動かして試合は終わった。流石に判定としては首を切り裂かれている形なので、相手がギブアップを宣言して終了だ。


 気を失ったりはしていないものの、本人に首をやられた感触が残っているので言い訳出来ない。何故か近衛騎士団長はブツブツ文句を言っていて、周りから白い目で見られていたが……。


 ディルの試合が終わったので、次はアルメアの試合だ。アルメアは何も持たずに試合の開始位置へと進む。俺達は素手で相手をするつもりだと分かるが、相手からすれば武器も持たずに出てきた相手でしかない。


 侮辱されたとでも思ったのか文句を言っているが、対戦相手は渋々といった形で出てきた。オーソドックスな剣と盾。剣は片手剣で、盾はラウンドシールド。軽戦士というか、スピードに重点を置いた騎士って感じ。



 「それでは両者構えて………第五試合、始め!!」



 相手は軽快に接近してくるが、アルメアは無造作に接近する。近付くと速度を生かして袈裟に切り込んできたが、アルメアはそれを避けつつ更に踏み込む。相手の腕が戻る前に、剣を持つ腕を持って引きながら相手の右足を払う。


 当然のように相手は前のめりに倒れ、アルメアは上から覆いかぶさるようにして即座に腕を回し首を絞める。血神から教わったのか、完璧に腕で絞められているうえ、相手の体に抱き付くように足で動きを封じている。


 両腕の外側から足で締め上げられている相手はもがく事しか出来ず、最後には動きも止まった。アルメアが離れた後に審判役の者が近付いて確認するが、気絶していると認められアルメアの勝利となった。


 実際に呼吸が出来なくて気を失っているので、アルメアの勝利は間違い無い。相手は実際の戦争云々と言っているが、実際の戦争なら首を絞めるんじゃなくて、頭から投げ落とされて叩きつけられている。


 そう言うと相手の陣営も黙った。本当の戦争であれば手加減なんてしないし、アルメアの場合はおそらく大太刀で斬り殺すというか真っ二つだ。今は”試合”だからこそ、命が助かっていると理解しろ。


 次の番であるメルは既に盾と木槍を持って開始位置にいる。相手は慌てて出てきたが、試合だという事を忘れているのか? こいつらは。メルの相手も同じく盾に木槍だが、相手の物は短槍の長さだ。


 単純に言うとメルの持つのは3メートルほど、相手の持つ短槍は2メートルほどの木槍となる。メルはタワーシールドで、相手はラウンドシールドだ。軽戦士と同じく、速度で戦うタイプなんだろう。


 それでも装備がバラバラなのは問題だと思うんだが、いいのかね? 騎士っていうのは武器を同じくして隊で運用するんじゃなかったか? 槍なら槍、剣なら剣で部隊を作らないと、運用し辛いと思うんだが……。


 それは兵士であって騎士じゃないのかね? その辺りは分からないな。おっと、そろそろ試合が始まる。集中して観戦しよう。



 「それでは両者構えて………第六試合、始め!!」



 相手よりもリーチが長いのは初めてか? メルはタワーシールドを構えゆっくりと近付く。相手は盾を構えて軽快に接近していく。メルの間合いに入ると思われたその瞬間、メルの木槍の先端が相手の喉に直撃していた。


 それでもメルは手加減したんだろう、相手は咳き込むだけで済んでいる。本気なら喉が潰されているのだから、それよりは大分マシだ。あっさりと試合が終わった事に対して、向こうは唖然としている。


 俺達にとっては、リーチが長いのなら当たり前の結果でしかない。次の試合の為にシュラはとっくに開始位置についている。合法的に相手を殴れるからか、鼻歌まで歌う始末だ。ちょっと嫌な予感がするぞ?。


 出てきた相手は190センチぐらいで、ロングソードを持っている。普通ならリーチが長く厄介な相手なんだろうが、殴る為に最速で近付くんだろうなぁ……。女性陣も予想しているのか、少し笑っている。



 「それでは両者構えて………第七試合、始め!!」



 シュラはボクサーのように構えると、軽快なステップで相手に近付いていく。相手はロングソードを正眼に構えて、シュラが接近すると一気に突き出してきた。だが、シュラは踏み込みながらかわし、更に接近していく。


 相手は剣を引きながら後方に跳ぶが、それより速くシュラが踏み込んで右ストレート。相手は顔を殴られたものの、ロングソードを滑らせるように水平に振り抜く。しかし、それより早くシュラは相手の側面に移動していてジャブを放つ。


 後は相手を中心にして、回避しながらジャブを放ち続ける。ロングソードの適性距離以上に接近している為、相手の有効打などあり得ないし、ひたすら殴られ続ける相手がいるだけだ。御愁傷様でーす。


 最後に右フックを顎に決められて気絶した相手は、2人の騎士に運ばれて試合場から出ていった。シュラは大変良い笑顔だが、ボコられた相手は堪ったもんじゃないな。そこまで殴る事に拘る訳じゃないが、それでも嬉しそうなのは変わらない。


 深く考えたら負けな気がするので考えないが、ストレス発散では無くなっている気がする。おっと、ダナが両手にショートソードの長さの木剣を持って出た。相手は再びロングソードか。


 それはいいんだが、相手の陣営が既に悲壮な雰囲気になっている。1人も勝っていないからだろうが、そもそも勝てる相手じゃなかったと気付いたか。ちなみに絶望の顔をしているのが近衛騎士団長だ。処刑が決まっているしな。



 「それでは両者構えて………第八試合、始め!!」



 ダナは軽快に相手に近付き、相手は構えて動かない。ダナが間合いに入ったら全力で袈裟に振るってきたが、右の剣で逸らされ、左の剣で首を突かれる。その後、ダナは後方に跳んで離れたが、相手からギブアップが宣言された。


 流石に戦いなら死んでいる攻撃を受けて、試合だから続けるという恥は晒せない。近衛騎士だからこそ絶対にやってはいけない事がある訳で……悔しいだろうが仕方がない。諦めてもらうしかない事だ。


 さて、次は俺の番なんだが……ここは敢えて浄化棍棒と浄化盾でいこうと思う。あまりにも無骨な、見た目は木を削り出しただけの棍棒。そして何故か石が前面に被覆されている木の盾。普通なら新人ぐらいしかしない装備だな。


 相手からは何故あんな物を持ち出してきたのかと訝しがる視線と、自分達を舐めきっているという怒りの視線を感じる。まあ、別にどんな視線を向けられようが構わないのだが、それより早く出て来いよ。


 俺は試合の開始位置で待っているのだが、いつまで経っても相手が出てこない。すると今のタイミングでようやく装備を身に着け始めた。着けているのはプレートアーマーだが、これは反則ではない。この試合は例外だからだ。


 殺し合いに卑怯もクソも無いので、真剣だしプレートアーマーも着ける。ただ、それで勝てるかどうかは別の問題だ。そもそも俺が棍棒を持っている時点で相手に勝ちの目は一切無いのだが、相手さんは欠片も理解していない。


 何と言うか、頭の出来を疑うレベルではあるものの、地位と家柄で近衛騎士団長をやっている奴はそんなものか。そもそもこんな奴を近衛騎士団長に任命している時点で、この国大丈夫か? としか思えないしな。


 案外こう見えて、事務仕事は得意だったりして。



 ▽▽▽▽▽


 1558終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1649枚

 銀貨2439枚

 大銅貨1559枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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