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1554




 「我が国には侯爵家は3家あるの。ヴォンデオ家はその1家なんだけど、代々近衛騎士団長を輩出している家でもあるのよ。ただ、今代のヴォンデオ卿はあまり能力が高くないらしく、それが心にも影響をしていると言われていたわ」


 「代わりになる奴は居ないのかい? あれじゃあ、勝てる戦も勝てない気がするけどね。アタシが良く知ってる近衛騎士団長なんて1人しか居ないけどさ。ライブルは多少高めのプライドを持ってたけど、元々優秀な人物だよ?」


 「アルドに凹まされましたけどね。とはいえ近衛騎士団長など、本来は優秀な人物しかなれない筈でしょう。にも関わらず、あのヴォンデオという輩は随分お粗末ですね。平民だから云々というのは、戦場において何の価値も無いのですが」


 「そもそも戦場で戦った事はあるのかしらね? 後方で指揮をするんじゃなく、前線で一兵卒として戦った事があるのかという事よ。経験があるのなら、あんな事は言わない筈だけれど……無いんでしょうね」


 「無慈悲に不条理に矢や魔法が降り注ぎ、接敵しても四方八方から剣や槍が向かってくる。それを経験していれば、誰も彼もが容易く死ぬという事が身に沁みて分かる筈さ。分かってないなら経験が無いんだよ」


 「ヴォンデオ卿が騎士団長になって5年ですが、隣国との戦争は30年ほど前にあったのが最後です。それ以降はありませんので、ヴォンデオ卿が近衛に入団してから1度も無い筈です」


 「ヴォンデオ卿が近衛に入団されたのは、確か16年前だった筈です。当時15歳で近衛に入り、その後は順調に上へと上がっていって、現在は近衛騎士団長になっていますが……指揮能力などは不明です」


 「まあ、戦争が無いからね。あたしは良い事だと思うけど、指揮する能力あんの? って問われたら難しいところだろうさ。マッコール伯爵だって指揮する能力があるのか疑問だったし」


 「指揮するって簡単じゃないし、ましてゴブリンの森は罠だらけ。兵士と兵士がぶつかる戦争とは違うけれど、根本的な部分は変わらない筈……。思い出してみると、確かに疑問符が付く結果ね」


 「お前さん達に言っておかなきゃいけないんだが、明日はダンジョンの最奥まで突破するから宿には居ない。それは覚えておいてくれ」


 「「「「「えっ!?」」」」」



 ちょうど城門を出た後に一方的に告げ、俺達は振り返らず歩いて行く。後ろから五月蝿い声が聞こえるが知った事じゃないのでスルーし、貴族街を抜けて平民街まで戻った。


 一直線に食堂まで向かい、大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら席に座る。それにしても開いていて良かった。余計な話し合いの所為で時間が掛かったからな、店が閉まってる事も覚悟してたんだよ。


 本当に危なかったと思っていたら、出来る限り早く食べてくれと言われた。どうやら店仕舞い前ギリギリだったらしい。そりゃ悪い事をしたなと思いながら、【光球】を使って食事を始めた。


 暗くなったら何処でもそうだが店を閉める。一応この食堂も蝋燭は使っているが、蝋が勿体ないので早く出て行ってほしいのだろう。俺達は【光球】の魔法が使えるので明かりは問題無いのだが、迷惑を掛けるつもりもない。


 皆も急ぎで食べて直ぐに店を出た。慌ただしいが仕方がない。宿の部屋に戻り、送風機と冷房を設置したら布団を敷いて一息吐く。早速ダリアは送風機の近くに陣取り涼んでいるが、いつも通りの行動だな。


 汗が噴出す程の暑さじゃないんだから、まだ問題無いだろうに。冷房もそこまで必要じゃないので、キンキンに冷やした水は入れていない。皆はアイテムバッグから酒を取り出して、飲みながら話している。



 「あの近衛騎士団長、どう出ると思う? アタシは最後に懇願するんじゃないかと思うよ。ああいう貴族は追い詰められると形振り構わなくなるからね。どれだけ醜くとも卑しくとも、泣いて許しを乞うだろうさ」


 「もしくは自分が助かる為に卑怯な事を行うかですね。特に珍しい事ではありませんし、場合によれば近衛に大量の死人が出るくらいでしょうか。どうせ近衛騎士団長という肩書きを利用するくらいが限界ですよ」


 「でしょうね。それ以外に出来る事があるとは思えないわ。それはそうと、明日ダンジョンを攻略したら、この国のダンジョンは終わりね。次は南西の商業国かしら? 南東の国はダンジョンが無いそうだし」


 「ダンジョンの無い国に行ってもしょうがないからね。邪気が溜まっている場所があるなら行かなきゃいけないけど、そんな場所はダンジョン以外に無いよ。邪気もまた巡るモノである以上は、普通は一ヶ所に留まらないし」


 「それを留めてるというか、利用しているのがダンジョンだもんね。とにかく中の邪気を減らせば良いだけなのは助かるけど、僕達が居なくなってもちゃんとしてほしいよ。まあ、無理だろうけど」


 「攻略はともかく、浄化はしてほしいですよね。ただでさえ、この国は死体の処理も正しく行っていないというのに……。色々な意味で汚い国だという自覚は無いのでしょうね。あったら直しているでしょうし」



 子供達は疲れていたのか、割と早くに寝てしまったので布団に寝かせる。2匹も左右に陣取り、あっさり寝てしまった。【昏睡】を使って深く眠らせたが、今日はダンジョンで疲れたんだろう。その後に城だったし。


 襲ってきた女性陣を丁寧に優しく撃沈し、部屋と体を綺麗にしたら勾玉で【浄化】した。俺も明日に備えて早く寝よう。今日も一日お疲れ様でした。



 <異世界769日目>



 おはようございます。今日はダンジョン攻略の日です。昨日は勾玉を使ってないから、おそらく地形の変化は起こってない筈だ。それに乱獲した訳でも無いし。それでも攻略には時間が掛かるだろうが、昨日の攻略情報があるし大丈夫だろう。


 朝の日課を終わらせて椅子に座りゆっくりしていると、イデアが起きてきて部屋を出た。今日は何だか早起きだな? そう思いながらも神水をコップに入れて出しておく。【冷却】は自分でやるだろう。


 戻ってきたイデアは一口飲んだ後、自分で【冷却】して飲んでいた。なかなか上手くなったようだが、それでもブレているので注意しておく。注ぐ魔力が一定でないと効果がブレて安定しない。そこは戦闘でも重要なところだ。


 そんな事を話しながら【微風】で教える。常に一定の風力で風が吹き続ける。これが扇風機ならスイッチを入れれば済むが、魔法だと、常に団扇を一定の力で扇ぎ続けている様なものだ。


 考えただけでも難しいのが分かるが、練習を重ねれば可能な事でもある。見せてやれば理解するので、後は同じように出来るまで練習あるのみだ。急ぐ必要もないから、ゆっくりと追いつけば良いさ。


 そんな話をしていると、続々と皆が起きてきたので朝の挨拶をする。1人と1匹だけまだ寝ているが、【覚醒】を使ってさっさと起こした。布団などが片付けられないので起こすしかない訳だが、寝起きは悪くない。


 布団などを片付けた後で少しゆっくりし、忘れ物が無いか確認したら食堂へ。大銅貨13枚を支払って朝食を注文したら、席に座って雑談をしながら待つ。特に面白い話も聞けなかったので、食べ終わったら直ぐに店を出た。


 王都を出てダンジョン街に行き、迷宮紋の前で順番を待つ。前の連中が入ったので、少し待ってから中に入る。1層目は荒地だったので、おそらく昨日と変わりは無い筈だ。勾玉で吸引と【浄化】をしながら東に進む。


 昨日と同じく東に転移紋があったので、それに乗って2層へ。そのままどんどんと進んで行くのだが、吸引と【浄化】が終わるまでは先の層には進めないので、少し時間が掛かっている。


 もちろん、そこまで長い時間が掛かる訳じゃないんだけど……。1層毎に無駄な時間が積み重なると、結果としてロスする時間は大きくなるかもしれない。もうちょっと吸引を強めた方が良いかな?。


 でもなー、今度は【浄化】の方が大変になるし……何とか頑張るかー。



 ▽▽▽▽▽


 1554終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1649枚

 銀貨2439枚

 大銅貨1585枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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