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0154




 2匹と一緒に木のボールで遊んでいると、昨日の女版ヒャッハー3人が来た。何しに来たんだ? と訝しげな視線を向けると若干怯えたものの、意を決して声を掛けてきた。



 「あの……済みませんでした!」


 「「済みませんでした!!」」


 「まぁ、謝罪があれば水に流すが……。何であんな事をしたんだ? 誰彼構わず喧嘩を売ってる訳じゃないんだろ?」


 「はぁ、その……実は……」



 聞いてみると想像した通りだった。この3人は、かつてレイプ未遂の被害にあった事があるらしく、それで男への警戒心が強いらしい。騙されている女性を助けたりもしているそうだ。


 で、そんな3人の前に、4人の美女を侍らせている男が居たと。敵意剥き出しで挑発したら、美女4人にボッコボコにされたのが昨日の顛末らしい。……俺ってチャラ男に見えるのか?。



 「成る程ね。余計なお世話と言いたいけど、騙されている女性も居ない訳じゃないから……難しいところだね」


 「そうね。男と女が居れば悲しい事はあるわ。私も昔よく見たもの」


 「そんなに昔から……男って奴等は!」


 「……私が見たのは女がした事よ? 男に自分を抱かせてる最中に、背中を刺してお金を奪ったり。2人組で、1人が抱かれてる間にもう1人が後ろから斬り殺したり」


 「私も見た事あるよ。男を誘惑して連れて行ったら、囲んで嬲り殺しとか。男に毒を飲ませて殺したりとか、昔からよくある事だからね」


 「「「………」」」


 「男も女も汚い事をする奴等は居るって事さ。男と女で分けるより、綺麗な人と汚い人で分けたらいいんじゃないか?」


 「そう……ですね」


 「そもそも誰だって両親は居る訳だしな。つまり、良い男も良い女も、世の中には最低1人ずつは居る訳だ」


 「まぁ、最低な親も居るけどね。思い出したくもない、クソみたいな親は居たよ」


 「確かに、そういうのも居るのよね。色々考えるしかないけれど、決め付けるのだけは良くないわ」


 「「「はい!」」」



 この世界は男性と女性の差が少ないんだよな、地球に比べて。善くも悪くも魔力や闘気があるから、相手に抵抗したりするのは難しくない。女性でもあっさり男性を殺せる世界だ。


 だから同じような文明の時代で比較すれば、この世界の方が性犯罪は少ない筈だ。殺されるリスクがかなり高いから、二の足を踏む奴は多いだろう。


 リスクが高くないと止まらないのか? と言われそうだが、結局はそんなものだ。それに地球でだって、大多数の男は性犯罪などしていない。彼等だって迷惑でしかないだろう。


 男は全て性犯罪者と見る女性も居たりするが、同じ女性からも否定されたりしているからな。男も女も、あんなのと一緒にされたくないって事だろう。気持ちはよく分かる。



 「はぁっ……はぁっ………はぁっ」


 「はぁっ……は……ごほっ………はぁっ……」


 「足が……もう………あ……足が」


 「「………」」


 「はい、一旦休憩! ただし、休憩中も魔力と闘気は動かす!」


 「ララ! ちゃんと魔力と闘気を動かしなさい!」


 「ファレン。適当ではなく、意識して動かしなさい」


 「ルタ。君はもう少しゆっくりと動かしなさい。丁寧に自分の意思で動かすんだ」


 「はぁっ、はぁっ。は、はい……」


 「う、動かし……動かしてます」


 「い、意識……。意識が………」


 「そこの2人! そろそろ座って魔力と闘気を動かしな!」


 「「……はい………」」



 大変そうだな。とはいえ、根本的な体力の無さは走って鍛えるしかない。膝に問題があるなら歩いても良いが、どのみち体力強化には走るか歩くしかない。苦しいだろうが頑張れよ。


 それはいいが、何で他の傭兵まで混ざってるんだ? まぁ、指導を受けてる訳じゃないが、一応彼女達は依頼料を支払ってるんだけどな。ただ、5人組が特に文句を言っていない。


 そんな体力も気力も無いだけかもしれないが、大丈夫かね? 続けていかないと体力の向上はないんだが、今日で挫折しそうな気もするな。強くなるかは彼女達次第か。



 「そろそろ昼だが、この5人どうする? 昼食を食べられそうか?」


 「うーん……。大丈夫じゃないかい? 昼食が出てくれば食べそうだけど」


 「そうですね。若いですし、息が整ったら普通に食べるでしょう」


 「そうね、問題ないと思うわ。それにお昼からは魔力と闘気の訓練だから」


 「今度は精神的に大変だけどね。集中力がどこまで続くかな?」


 「5人組、立ち上がれー。昼飯食べに、宿へ戻るぞー」


 「「「「「はーい……」」」」」



 フラフラだな。宿に着くまでに倒れたりするのは勘弁してくれよ? ゆっくり歩きながら宿へと戻る。フラフラしながらも倒れる事はなく、宿の食堂へと辿り着いた。


 大銅貨12枚を支払い昼食をとる。5人組は体力が無いのか、ゆっくりと食事をしている。昼からの訓練は急いだりしないので、ゆっくり食べればいい。キツかっただろうしな。


 全員の食事が終わり、ゆっくりと休憩したらギルドの訓練場に戻る。午後からは俺が担当する事になった。とは言っても、皆は一人一人を重点的に指導していく。


 俺は5人組の前に立ち、ゆっくりとラジオ体操第一の動きをする。この動きの最中に魔力と闘気を使い、練り上げていく。動きは簡単だが、魔力と闘気の併用は難しい。


 適当にラジオ体操を選んだだけで、動きはなんでも良かったりする。自在に動きながら魔力と闘気を使い熟す。要するに正しい身体強化をマスターさせるのが目的だ。


 今日やって直ぐ出来るなんていう、アルメアレベルの天才など殆どいない。殆ど居ないから天才でもあるんだが……5人組は四苦八苦している。前にも教えた筈だが練習してないな?。



 「動きだけなら簡単なのにーっ!」


 「ほらほら、泣き言いわずに集中しな!」


 「うぅ……あーっ! また失敗したー!!」


 「集中しながら動くんですよ! それが正しい身体強化です!」


 「ん……! こう……。………あっ!?」


 「おしかったわね。なかなかセンスは良いのよ? でも集中が上手くいってないわ」


 「うぅ……これ、難し過ぎませんか?」


 「闘気が……闘気が難しい………」


 「サキュバスとエルフだから大変だとは思う。でも、闘気の扱いが上手くない、吸血鬼である私でさえ出来るからね。努力すれば出来るようになるよ」



 まぁ、種族毎に差はあるとはいえ、多少の差だけだからな。ゲームみたいに、この種族は無理なんて事は現実ではあり得ない。どの種族でも魔力や闘気が扱える以上は可能な事だ。


 ただ地球でもそうだが、努力して出来るようになるかは才能なんだよな。出来る人は”努力が足りない”なんて言うが、それは出来るから言える事だと理解していない。


 何でも努力では解決しないんだ。種族は関係ないが個人の才能はある。地球でも、運動音痴がプロのサッカー選手になれるか? と聞いたら、誰もが無理だと答えるだろう。


 本人が幾ら努力しても無理な事は無理だ。だから5人組の中で無理な奴が居たら、違う方法を教える予定だったんだが、全員大丈夫なようで何よりだ。駄目な方の才能は無いらしい。



 「魔力と闘気を動かす事、身体強化をする事に集中しろ! 体を動かす事に集中し過ぎだ!」


 「そ、そんな……事言われても………」


 「うぅ……? 何で上手くいかないんだろ……」


 「こう……! そこから……こうして………」


 「少し……少しずつでも……」


 「闘気にこんなに集中したの、生まれて初めてよ……」


 「どうやら、狼人族のファレンが1番才能がありそうだね」


 「そうですね。ララは虎人族ですが、大雑把過ぎます」


 「ルタはバランスが取れているけれど、強みが何も無いわね」


 「サリーとエルは、ある一点を越えたら伸びそうだよ。あの子達は闘気に苦手意識があるみたいだ」



 皆さん結構な辛口コメントですね。ハッキリ言えば5人組は普通なんだよな。ウチの4人は才能があるから評価が厳しいが、俺はこんなものだと思う。



 ▽▽▽▽▽


 0154終了時点


 大白金貨1枚

 白金貨2枚

 大金貨14枚

 金貨62枚

 大銀貨81枚

 銀貨47枚

 大銅貨51枚

 銅貨5枚


 ヒヒイロカネの矛

 アダマンタイトの小烏丸

 ヒヒイロカネの小太刀

 真っ黒な金砕棒

 剣熊の爪のサバイバルナイフ

 アダマンタイトの十手

 二角の角の戦斧

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 剣熊の骨の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 強打猪の革のジャケット

 強打猪の革のズボン

 真っ黒なブーツ

 大型のアイテムバッグ


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