1548
ブラッシングしているとダリアは撃沈し、次にフヨウが撃沈した。順番を待っている間、暇なのか俺の前に座った蓮も撃沈。その後、イデアもブラシで撃沈した。神獣の毛のブラシが強過ぎるが、子供達を寝かせるには丁度良いか。
子供達を布団に寝かせ、2匹をその左右に寝かせる。女性陣は酔っ払っていて収拾が付かないので、1人1人ブラッシングして寝かせていこう。最後に残ったディルを満足させて寝かせたら、部屋と体を綺麗にする。
勾玉を使って吸引と【浄化】をしたら……うん? 邪気が膨れ上がった? ……どうやら領主館のようだ。俺達には関係無いし、どうでもいいな。今日も一日お疲れ様でした。
<異世界767日目>
おはようございます。今日は王都に向かって移動する日です。何処に王都があるか知らないが、王女一行に聞けば分かるだろう。特に情報収集なんかはしなくていいな。少なくとも王女一行が居るので、情報的には助かっている。
朝の日課を終わらせて、椅子に座って目を瞑る。眠りはしないが、ウトウトしている状態を維持する感じだろうか? そういった状態を維持する。瞑想と言えるかどうか分からないが、そんな感じを続けていると誰かが起きたようだ。
気にせず維持していると、誰かは知らないが矢鱈にキスしてくる。結構な邪魔をしてくれているが、だからこそ意地でも目を開けない。そんな下らない事をしていると、満足したのかトイレに行った。あーあ、完全に意識が覚醒したぞ。
仕方なく【空間把握】を使って状況を調べる。起きたのはアルメアか。その割には結構しつこかったな? まあ、たまにはそういう事もあるだろう。気にせずに居ると、戻ってきたアルメアは出していた小樽から神水を入れて飲み始めた。
その後は続々と起きてきたので目を開け、挨拶をしていく。もちろん最初にアルメアに挨拶したのだが、何故か頑なに目を開けなかった件で文句を言われるとは……。瞑想状態が上手くいっていたと言うと、伝わらなかったのか首を傾げた。
王女一行を確認したら起きていなかったので、【覚醒】を使って無理矢理起こしておく。皆と話しながら部屋を片付け、終わったら部屋を出て食堂へ。大銅貨13枚を支払って朝食を注文すると、王女一行が部屋を出てきた。
向こうも朝食を注文しているようだが、近くに座っている狩人の話が気になってしょうがない。
「それでゴブリンの森はどうなったんだ? ……貴族様が倒しただぁ? そんな事がある訳ないだろ。あそこの伯爵様は武人の家だって言われちゃいるが、所詮貴族の中の武人なだけだしな。ありえねえよ」
「いや、分かるぜ。俺も聞いただけだから何とも言えねえけど、ゴブリンの森に住まうゴブリンの王を倒したんだってよ。知り合いの商人が、森の産物を扱うかどうか悩んでた時に聞いただけだからなぁ」
「成る程な。あそこの森からゴブリンが居なくなったのなら、こっちからの木材とか売れなくなるかもしれないしな。それに、あそこは確か良いキノコが採れる森なんだろ? 精力剤の原料だっけ?」
「そうそう。俺も知り合いの薬師に聞いた事ある。あそこのキノコは強力な薬の原料になるキノコがあるってさ。高値で買うから持ってたら売ってくれって言われたな。森に行った事はあるが、採った事は無いんだよな」
あそこの森のキノコにそんな物があったんだな。まあ、毒キノコかもしれないけどさ。毒抜きしなきゃ使えない物とかありそうだし、少し前に手に入れた本を読んでおいた方が良いかね? ……後で考えるか。
朝食後、宿を出て入り口の門まで歩いて行く。門番に登録証を見せたら町の外に出て、少し移動したら木像を出す。王女一行が諦め顔になったが、そろそろ慣れてほしいもんだ。とりあえず乗せて、さっさと移動しよう。
エットンの町から西へ向かう。西へ行くと別の貴族領に入り、更に西へ行くとソントン村が見えてきた。勾玉で吸引しながら最後尾を走っているが、孫も三男も特に問題無いようだ。ちゃんと吸い込んで【浄化】できているな。
ソントン村を越えて今度は南西へ。ある程度の距離を走ると、パットン村が見えてきた。そこも通り過ぎ、1度休憩を挟んで進んでいるとリトンの町が見えてきた。ここから南へ行けば王都ヴィラに着くんだが、時間が掛かる。
理由は簡単で、ここから南へ行く道はそれなりに長いのと、馬車などが多く速度が出せない事が原因だ。それでも通常の馬車どころか、早馬などと比べても圧倒的に速いのだが、それでも遅くなる事に変わりはない。
まあ、ゆっくりと行きますかね。そう思いながらリトンの町を通り過ぎる。途中で休憩を挟みながら進んでいき、昼になる前に王都に着けると思っていると、何やら事故現場に遭遇した。……嫌な予感しかしない。
道の真ん中で馬車が倒れているので速度を落とし、横に逸れて抜けようとすると目敏く話し掛けてきた。何やら偉そうな小太りのオッサンだ。
「おい、キサマ! 平民の癖に良さそうな物に乗っておるではないか。我が家で使ってやるから献上しろ!」
「何を言ってるんだい、コイツは? この国の貴族は頭がおかしいのか、それともコイツの頭がおかしいだけなのかは知らないけどさ。言ってる事は盗賊となんら変わらないし、その自覚も無いのかい?」
「なんだと、キサマ!! 私を誰だと思っているのだ、薄汚い平民めが! 私はデルオン子爵家の当主、サイメク・エノ・デルオンであるぞ!! おい、この薄汚い者どもを殺して奪え!!」
「「「「「「「ハハッ!!」」」」」」」
近くに兵士っぽい奴等が居たんだが、気にせずにウチの女性陣はボッコボコにしている。【念話】で殺さないように指示しておいたので殺す事は無いが、代わりに滅多打ちだ。殺されるよりはマシだが、不憫な気はしないでもない。
あっと言う間に叩き潰された兵士は放っておくとして、小太りのオッサンはまだ喚いているぞ。先ほどまで怒っていた王女も、今は呆れている。
「キサマら、我が家の兵になんという事を! 抵抗などせず、さっさと死ぬのが平民であろうが! まったく、これだから礼儀も無い卑しい者どもは困るわ。お前達も何を呻いておるか、さっさと殺せ!」
「流石にここまでのクソ貴族は珍しいですね? 色々な国に行ってきましたが、ここまで頭が悪いのは随分と久しぶりです。昔ダナを手篭めにしようとした馬鹿な貴族も似たような者でしたが……」
「あら? あの話の貴族ってこういうクズだったの? まあ、それなら仕方ないし、当時の皇帝が降爵させる筈だわ。妄想の中に生きて、何でも自分の思い通りになると思っていたら、兵士300人を1人に切り殺されたと」
そう言った瞬間、小太りのオッサンだけでなく王女一行まで驚いた。やっぱり兵士300人を1人が殺すというのは凄いよな。本人は特に誇るでもないけど、周りが凄い凄いと持て囃していて、少々辟易してる感じかな。
「ほう、そこの女……キサマか。腕が立つ様だから、私の妾にしてやってぼぉっ!?!!」
カチンと来たので腹を蹴り飛ばしてやった。死にはしないだろうが、内臓がどうかは知らん。貴族はクズだクズだと聞いていたが、ここまでのには初めて会ったかな? 俺は蹴り飛ばしたゴミに近付き、髪を引っ張りながら顔を持ち上げる。
魔力と闘気と念力の威圧を周囲に撒き散らしながら、俺はゴミに死刑宣告を始めた。
「お前は自分の命が要らんと見える。俺をここまで怒らせたんだからな。なあ、ゴミ……お前、俺の女をどうするって言った? ……答えろ。俺の女をどうするって言った!!!」
「「「「「「「「「!!!」」」」」」」」」
全力には程遠い威力でしかないというのに、あっさり気絶しやがった。もうちょっと引っ張って身の程を教えてやろうと思っていたんだが、兵士も含めてここまであっさりだと拍子抜けするな。
ついでだから、聖人にしておこう。誰も文句は言うまい。
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1548終了時点
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銀貨2442枚
大銅貨1655枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




