1545
「魚を和えたおにぎりも久々で美味しいね。スープの方も旨味が濃いし、新鮮だからかとても美味しいよ。どちらも十分満足出来る味だけど、これは新鮮だからこその味なのが残念さ」
「だからこそだと思うけど、いつでも味わえたらって思う気持ちは分かるよ。とはいえ気楽に味わえないからこそ、余計に美味しく感じるんだろうけどね」
十分に満足した昼食も終わり、更に先へと進む。1層~4層は石壁で北東、5~8層は森で北、9~12層は山で北西、13~16層は石壁で西、そして17層は海。ほぼ間違いなく方角は南西だろう。
ひたすらに進み20層まで突破した。次の21層に到着したら、再びの石壁だった。しかし……何かがおかしい。動かないモンスターの気配が幾つかあるだけで、しかもその位置がバラバラだ。
とりあえず近くのモンスターを調べてみると、【空間把握】には通路を塞ぐ巨大なミノタウロスが映る。別に斧を持ってはいないが、筋骨隆々で物凄くパワーを持ってそうだ。英雄じゃなくても倒せるのかね?。
短剣は持ってるが普通の武器を持ち、皆に指示しながら進む。天井まで4メートルほどあるがミノタウロスの身長はギリギリで、頭を天井にぶつけそうな程だ。普通のミノタウロスよりも大きい。
まずは盾を持ったエリアが1人で挑むのだが、これは敢えてそうした。通路の幅は3メートルほどで、並んで戦うのが難しい。後ろからの支援もし辛いので、1対1の方がマシなくらいだ。
そして、それなら真正面からの殴り合いが1番戦えるという結論になった。義腕の御蔭で防御が1番優秀なエリアから戦い、少しでも戦いに関するヒントを見つけるという形だ。そういうのを予定していたのだが……一撃か。
ミノタウロスのパンチは強烈だったが、盾で防いだ後の鉞の首への一撃でミノタウロスは死亡した。死体が邪気になったが、俺が吸引しているので問題無し。しかし、1体倒したら他のミノタウロスが動き出した。
このままだと挟み撃ちされかねないので、とにかく移動を始めよう。何故か的確にこちらに近付いてくる他のミノタウロス。こっちの位置を完全に把握しているようだ、動きに無駄が無い。このままだと挟撃は確実だ。
それを話すと、殿にシュラが立った。どうやらミノタウロスと殴り合いがしたいようだ。………はぁ、好きにしなさい。ただし止めたら後の味方と交代する事、それが条件だ。そう言うと楽しそうに笑った。
後ろから迫ってくるミノタウロスは任せ、一応保険としてアルメアとリューを後衛に置いておく。通路が狭い為に援護が出来ないが、それでも交代する事は可能なので上手く交代の隙を作りたい。まあ、楽しんで戦っているみたいだけど。
エリアは盾で防いだり往なしたりしているが、シュラも変わらず避けたり流したりして戦っている。足を攻撃して壊したのはいいが、後ろで待機していたミノタウロスが、前に出てこようとした時には焦った。
天井で頭を打ったので出て来れなかったが、後ろが支えているので一斉に来られると危ない。身長が4メートルもあるので碌に攻撃が届かず、素手ではまともに戦えてないし。いったい何を思って素手で戦おうと思ったんだろうな?。
結局アルメアが隙を突いて鎖鞭で始末する形にし、数を減らしていく事にしたようだ。エリアの方は全てエリアが倒したらしく、今は休憩をしている。ダナとディルが警戒しているので、隙を突かれる事も無いだろう。
シュラも素手で奮戦しているが、碌に敵を倒せぬまま最後の1体もアルメアに頭を潰されて死亡した。最後まで何がしたかったのか分からないまま終わったなぁ……。
「シュライア。素手で戦ったところで結局なんの役にも立ってないけど、いったいどういうつもりだい? 敵の数も減らせず、単なる自己満足で下らない事をやったんじゃないだろうね?」
「あの、姉上。そこまで怒る事では無いような……。いえ、別に遊んでいた訳ではありませんよ。私の全力の一撃がどこまで通用するのか見てみたかっただけです。硬い者を殴ると拳を痛めますので……」
「ああ、成る程。最大威力で殴っても拳を痛めない相手で調べておきたかったという事ですね。それで、どうだったんですか? 倒せなかった攻撃ばかりでしたけど?」
何気にリューの言葉にもトゲがあるな。とはいえ、1体もミノタウロスを倒せていないんじゃ仕方ない。ミノタウロスが生きているという事は誰かが怪我を負う、もしくは殺される可能性が残る。つまりは皆を危険に晒す行為だからな。
敵は速やかに排除する。これは戦いの鉄則なんだが、先ほどのシュラは幾らなんでも遊び過ぎだと言えるだろう。だからこそアルメアは怒っているのだし、リューの言葉にもトゲがある訳だ。
「いや、あのですね。天井スレスレな程に大きいミノタウロスなんです、素手での攻撃がそうそう届く訳がないでしょう。攻撃が届かなければ、倒す事は難しいですよ」
「それは戦う前に分かっただろう。それに戦いの途中で武器を取り出す隙もあった筈さ。その割には武器も出さずに遊んでいたね? ……戦いは遊びの場じゃないんだよ、この愚妹が!!」
「イタタタタタ!! 痛い!! 痛いです、姉上!! 待って、待って。ミシミシいってますって!! しちゃいけない音がしてますからー!!」
まあ、アレは放っとこう。アルメアがああしないと、皆の中に何かが溜まるところだ。こんな下らない事が不和の原因とか御免被るので、皆の溜飲が下がるように折檻してもらおう。
普通に考えればここのミノタウロスは強敵なのだが、倒れても1対1を維持できるのは体が大き過ぎると思う。確かに体が大きいと強く感じるだろうが、動きが鈍重で却って邪魔にしかなっていなかった。
いつ頃からこういう最奥だったのかは知らないが、今のシステムならこんな最奥にはしないような気がする。もしかして、1度最奥の構成を決めたら突破されるまで変えられないんだろうか?。
いや、そんな事も無いのか。古代のダンジョンはアレだったし……でも古いと言えば古いものなんだよなー、蠱毒って。その発想というか考えが、この星の古い時代にあったかは別として。
まあ、考えても分からない事は放り投げよう。それより新しく出てきたものも無……仕方ない取ってくるか。俺は皆にこの場に居るように言い、石壁迷路を進んで行く。
全て倒し終わったからか脱出紋は出ているが、同時に魔力の塊が出現した。間違いなく何かが出現したんだが……あれはアイテムバッグか。しかも中型だ。とはいえ、中にどれほど入っているかは分からない。
中に何も入っていない事もあるし、手に入れて調べてみない事には分からないんだが……。よし、着いた。さて、アイテムバッグの中には何が……って、何だコレ?。
水晶玉が付いた腕輪みたいな物が入っていて、もう1つ説明書も入ってる。えーっと………成る程な。俺にとっては便利だけど、俺以外が持つ意味は殆ど無いな。これは罪を持つ者かどうか写すらしい。
相手に向けて魔力を通すと、青か赤で淡く光る。光神と善神の合作らしく、これで赤く光る奴は全て聖人にしろとの事だ。といっても手当たり次第にやれと言われている訳では無いみたいで助かる。
浄神なら手当たり次第にやれと言われても、俺は驚かない。あれだけ殺したりしてきたのに、手緩いとか言うからな。っと、それは横に置いといて今は腕輪だ。腕輪は普段はせず、聖人に変える時にだけ着けよう。
普段身に着けていても、水晶玉の部分が邪魔だしな。コレ、それなりに大きいんだよ。何処かに当たって壊れたら目も当てられないので、普段は無しで決定。とりあえず、さっさと皆の下に戻ろう。
帰ってきたら、何やら疲れたような皆が見えた。シュラは撃沈したのか倒れているが、いったい何があったんだ? アルメアは笑っているし、子供達は我関せずだし。随分と珍しい状況だなぁ。
▽▽▽▽▽
1545終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1636枚
銀貨2438枚
大銅貨1681枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




