1539
王女一行にも同じ物を食べさせるのだが、大量に作るのは面倒なのでステーキにした。それと【念動】で空中に浮かせて一気に焼くのも解禁し、さっさと大量に焼いていく。前はフライパンの上で焼いていたが、今回は空中に浮かせての直焼きだ。
脂が溶けて地面に滴り落ちているが気にしない。そんな光景を見て唖然としているが、そういう技術があると言うと一応納得していた。まあ、目の前で見ている以上は納得せざるを得ないだろう。無理矢理にでも。
スープも大量に作ってくれているので、向こうはそのまま任せてしまい焼くのに集中するか。焼けた肉から皿に乗せて出していく。ソースはメルと子供達に任せたが、良い匂いがしているので大丈夫だろう。竜の脂も使ったようだし。
全ての肉が焼けたので皿に乗せ、麦飯を椀に入れれば準備完了だ。それ以外の物の配膳はとっくに終わっていたので、後は食べるだけとなる。それじゃあ、いただきます。
「このステーキ、ソースもさる事ながら焼き加減が絶妙で硬くなってないわ。それに脂が無くてスカスカのお肉でもない。肉の味が強いのに、絶妙な柔らかさと負けていないソースの味が見事ね」
「何だかよく分からないけど、こういうのは美味いって一言で良いと思うよ。いやー、それにしても凄く美味しいよ。ビックリするね」
「ここまでのお肉は、実家に居た時でも食べた事がありませんね。ただのステーキだからこそハッキリ分かる美味しさです」
「肉の質もさる事ながら、絶妙な焼き加減が見事としか言えません。肉が空中に浮いていたのも不思議ですが、これほど絶妙な火の通り方をするのも不思議です。私でも理解不能ですよ」
「いやー、こんな美味しい肉を食べるのは初めてです。我が家は男爵家でしかありませんが、子爵家や侯爵家の方だけではなく姫様まで驚かれる美味しさなんですね。出来得る限り味わって食べないと……」
何だか矢鱈に五月蝿いが、冷凍して保存している肉だから質は落ちているぞ? そう言うと唖然としていた。肉の質が落ちている事に驚いているのか、それとも冷凍して保存している事に驚いているのか、いったいどっちだ?。
何だか妙に驚いているが、そこまで驚く事ではないと思うがな。そんな食事も終わり、一息吐くと同時に色々と聞かれた。特に聞かれたのはさっきの肉の種類なので、素直にヘビーブルだと教えておく。
そのヘビーブル自体を知らなかったので教えると、それなりに強い魔物だと分かったからか黙ってしまった。俺達にとったら大した魔物でもないが、王女一行にとっては死を覚悟するべき相手かもしれない。
そんな事を話しながら夕食後を過ごし、お腹も落ち着いたのかカマクラへと入っていった。俺達の方はもう少しゆっくりとしてからカマクラに入ろうと思っていたのだが、どうやら子供達が怪しい。既に舟を漕ぎ始めている。
椅子に座ったまま舟を漕ぎ始めた子供達を抱きかかえ、俺とメルはカマクラの中に子供達を連れて行き寝かせる。ダリアとフヨウも左右に並んで寝転がったが、まだ【昏睡】は使わない。皆も外に居るしな。
この後の予定を皆に聞かれたが、集落へと進んだ後に怪しいゴブリンを殺していく事になると説明した。少なくとも見分けがつかない以上は、怪しい奴は手当たり次第に殺害する必要がある。とはいえ奥か中央だとは思うが。
知恵のある奴は、多分他のゴブリンより良い扱いをされているだろうからな。知恵のある奴を敢えて悪い扱いにして隠してしまうという知恵は無いだろう。所詮ゴブリンだし、他者より上に立ちたいという欲には抗えないと考えている。
それを皆に説明すると、皆も納得していた。特に欲望の部分は分かりやすかったらしい。罠を作る知恵はあっても、欲を我慢するだけの理性は無いと皆も納得している。後はゴブリンの集落に行って、俺が直接調べるしかないな。
女性陣に連れられてカマクラへと戻り、【法悦】【極幸】【至天】でキメて寝かせたら綺麗に【浄化】しておく。カマクラの外に出て入り口を閉じたら、【探知】と【空間把握】を使用しながらゴブリンの集落へと移動する。
罠の類は全て排除し、ゴブリンの集落へと素早く近付く。隠密の4つの技も使用しているので見つかる事は無い。既に【探知】の範囲に大量のゴブリンの反応が入っているので、手当たり次第に【昏睡】を使い深く眠らせていく。
ドンドンと眠らせていくのだが、深く眠っただけなので異変に気付けないのだろう。集落に大きな動きは無い。その中を更に近付きながら【昏睡】で眠らせていき、集落内の全てのゴブリンを深く眠らせる事に成功した。さて、先ずは実験だ。
俺は【人形】を使い、適当なゴブリンを立たせる。次にそのゴブリンに対し、【念話】を使って集落のトップの所に案内する様に言う。……どうやら、こちらの言っている事が伝わらないみたいだ。まあ、これは予想通り。
次に罠を思い浮かべて【念話】でイメージを直接ぶつける。念神いわく、これでも多少は伝える事が出来ると言っていた。練習は然程しなかったものの、直接イメージ自体を伝える事は不可能じゃない。これなら………お?。
伝わったのかどうかは分からないが、歩きだしたのでついていく。すると中央付近のゴブリンの前で止まり、そこで寝ている奴等を順に指差していく。どうやら中央に集まっている奴が罠の作れる奴等で間違い無いらしい。
【人形】で操っている奴の首を刎ねて死体を収納し、新たに罠が作れるであろうゴブリンを【人形】で操る。立たせた後で罠のイメージを【念話】で送ると、隣の奴を指差したので首を刎ねて収納した。
その後もウロウロしながら指差していくので首を刎ねていき、どんどんと収納する。指を差す相手も居なくなったので、最後に王様のイメージを【念話】で送ってみた。すると、【人形】で操っている奴は歩き始める。
おいおい、もしかして下っ端の奴等の所に隠れてるのか? そう思いながらもついて行くと、集落を出て歩き始めた。……マジか、1番知恵のある奴は集落に居なかったのかよ。取り逃がすところだったぞ、本当に危なかった。
歩きながら進んで行くと、やがて妙な洞穴の前で立ち止まる。こんな場所があったのか……。おっと、見てないでさっさと中を調べよう。入ってすぐの所には金属鎧を着たゴブリンが5体ほど眠っているようだが、この鎧……。
伯爵のところの兵士が着ていた鎧じゃないか? 多分間違い無いと思う。死体から剥ぎ取って手に入れたんだろう、兵士の剣も持っている。そいつらを【昏睡】で眠らせたら、奥に居る連中を調べよう。
【空間把握】で確認すると、老人のように皺だらけのゴブリンが中央に居て、周りをメスゴブリンが囲む形で寝ている。知恵のある個体は、知恵を持つ為に長く生きてきたんだろうか? 老人と言えるぐらい皺だらけだぞ。
ゴブリンとして優秀な頭脳を持つには、それだけの年月が掛かるという事なんだろうな。そして、その知恵を手に入れた奴の1部が長い年月で知恵を磨く。その繰り返しで、ゴブリンの危険度が上がっていく訳か。
洞窟の中のゴブリンを全て【昏睡】で寝かせたら、まずは【人形】で操っている奴の首を刎ねて収納する。次に洞窟に入り、金属鎧で寝ているゴブリンの首を刎ねていく。終わったら収納し、最後は最奥の連中だ。
老人の様なゴブリンを【人形】で操り、それ以外のメスゴブリンを始末する。殺して収納したら、老人ゴブリンに罠のイメージを送る。すると自分を指差したので、おそらくコイツが思いついて伝えたんだろう。
一応集落の方まで歩かせて罠のイメージを送るも、中央付近に移動して見渡した後、最後に自分を指差した。やはりこの老人ゴブリンが最後のようだ。俺は老人ゴブリンの首を刎ねて収納し、ゴブリンの集落を立ち去った。
俺達だけなら殲滅して終わりなんだが、アホ伯爵と軍が居るからなぁ……。
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1539終了時点
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