0153
「えっ!? ならないんですか!?」
「そりゃそうだろ。言葉は悪いが体にダメージを受けるって事だ。でも、皆の体はそこまで弱くはないだろ? その程度じゃダメージにならない」
「だから、腰に力が入らないって事もない訳か……」
「それはそれで、ちょっと悲しいわね……」
「皆、よく考えな。幾らヤっても体に負担は残らないんだよ?」
「「「!!!」」」
「あー……。限度はあるからな、限度は!」
「それはそれで、体に力が入らないのを味わうだけさ!」
「そういえば、立ち上がれない事が何度かありましたよ?」
「それは負担じゃなくて、余韻だろ?」
「「「「//////」」」」
「……思い出しちゃったみたいだね」
放っといて朝食食べるか。ダリアとカエデはもう食べ始めてるしな。何で今日は猥談に付き合ったんだろ? 一応言っておくべきだと思ったのが間違いだったんだろうか……。
食事後、部屋に戻って準備をし、宿を出てギルドへ。ギルドに着くと朝の時間なので混雑していた。喧騒をスルーして訓練場へと向かう。まだ5人組は来ていなかった。
「あの子達はまだ来てないね」
「俺は依頼されてる武器を作るから」
「分かりました。私達は準備運動でもして待ちましょう」
「ええ。ゆっくり体を動かす準備をしましょう」
「偶には朝から運動するのも良いね」
俺は石と木をアイテムバッグから取り出し、依頼された武器を作成していく。剣はスタンダードな物が1番良いだろうという事で、グラディウスにした。幅が広い、よく知られた剣だ。
刃長は50センチ、幅は5センチの剣だ。と言っても、石と木で作るので全く違うとも言えるが。木でグラディウス形の木剣を作り、刃の部分に石を被覆していく。
限界まで圧縮した石はかなり硬く、黒曜石なんて足元にも及ばない切れ味を生む。だから新人や若手なら十分に使える武器になる。流石にベテランは金属の武器を持つだろうが。
剣を10本作り終えたら、次は短槍だ。穂は20センチで柄は180センチにする。つまりは全長2メートルにするのだが、もっと短い短槍もあったらしいので悩んだ。
とはいえ全長が2メートル以下の物は、殆どが室内用だった事を考えるとこれぐらいの長さで良いと思う。ちなみに、この長さでは普通の槍とも言えるので、短槍かは微妙なのだが。
槍を20本作り終えたが、思っているよりは素材を消費してないな。槍の柄を作るのさえ、丸太を2個ちょっと消費しただげだ。まだ半分以上は残ってる。
次はメイスだが、これは前に作った物と変わらず、棒の先に球体が付いている物で良いだろう。柄の長さは70センチで、球体の大きさは直径10センチで作る。
【変形】を使えば簡単に作れるので、そこはありがたい。とはいえ、剣も槍も言うなれば一体成型なので、簡単と言えば簡単なのだが。球の部分に石を被覆して終了。メイス10本も、これで終わり。
後は斧だが、これは俺の持つ戦斧と同じ物にすればいい。80センチの柄の上部に三日月形の刃がついた斧だ。せっせと量産して10本を作り終えた。
これで依頼されていた武器は完全に終わった。あー疲れた! 伸びをして立ち上がると、目の前で5人組が倒れていた。……どういう事? 何があったんだ?。
「随分怠けていたんだねぇ。そんな事じゃ直ぐに殺されるよ! もっと早く動きな!」
「気合いと根性で動きなさい! 命が無くなってもいいのですか!!」
「う……うぅ……はぁっ……はぁっ」
「あ……足が……ガクガク……動……けない」
「き……厳し……い……」
「「………」」
「あら~。こっちのサキュバスの子とエルフの子は駄目ね」
「これは休ませるしかないね。それにしても体力が無いな。今の子はこんなに体力が無いのかい?」
「この子達の戦い方もあるんだろうね。勝てる相手と戦い、勝てない相手からは逃げる。間違ってはいないし、むしろ正しいんだけど……」
「本当に勝てない相手って、逃がしてくれないわ。昔、それで仲間が死んで解散したのよ」
「そういうチームって沢山ありますからね。私も何度も見てきましたよ」
「私も見てきた。何度も何度も嫌になるぐらいね。だからこそ、最悪逃げられるように訓練しておかなきゃいけないんだけど……」
「この子達は今まで上手くいってた分、危機感が足りてなかったんだろうね。まぁ、アタシ達がその分シゴいてやるさ」
「そうですね。依頼してきたのは5人の方ですから」
「苦しくても頑張れるわよね?」
「そうだね。その覚悟はあると見なすよ? 当然」
「「「「「………」」」」」
5人組の顔が恐怖に引き攣ってるが仕方がない、諦めろ。4人が言う通り、お前たちが頼んできたんだ。だからこっちを見るな! 俺に助けを求めるな! 俺は見ない、何も見ていない。
そうやって横を向いてたら、ヴェルがこっちに来るのが見えた。5人組を見て一瞬ビクッとしたが、平静を保って歩いてくる。トラウマは本当に大丈夫そうだな。
「丁度よかった。依頼の品はここにあるぞ」
「もう終わったんですね、ありがとう御座います。私が来たのは、お伝えする事があるんです」
「どうしたんだ? もしかして昨日のゴミか?」
「ええ。あの者が、サブマスターを辞めて帰りたいと言い出しまして」
「故郷に帰って適当な事を喚き、手を出してくるんじゃないか?」
「昨日の内に、故郷に複数のルートで手紙を送っています。<剣の踊り子>と<血狂い>と呼ばれる方を激怒させたと……」
「つまり、帰ってから処刑される訳か」
「恐らくは……。流石に不老長寿の方を激怒させたとなれば、誰かが責任を取らねばなりません。そこに都合良く帰ってくる……となれば」
「まぁ、体の良い生贄だな。1番生贄にしやすく、誰からも文句は出ないだろう。何たって激怒させた本人だからな。ただ、あのゴミが素直に帰るのか?」
「帰るしかありません。あの者はどこに行ってもあの調子で、爪弾きにされていたようですから」
「成る程、所詮ゴミはゴミか。まぁ、了解だ。後で皆に説明しておく。話は変わるが、完成した武器はどうする?」
「それなら、今の内に倉庫へ持って行きます。鍵を取ってくるので手伝ってもらえますか?」
「ああ、分かった。とはいえ、アイテムバッグを使えば直ぐに終わるがな」
ヴェルが鍵を取りに行ってる間に作った武器を収納する。全部収納して一息吐くと、ヴェルが来たので倉庫に持って行った。全てを倉庫に出して武器作成の仕事は終わりだ。
「そういえば、農具なんかの話はどうなったんだ?」
「それが、どうやら揉めているそうです」
「はぁ!? 何で農具で揉めるんだ? どこに揉める要素があるんだよ」
「それがですね。少しでも安く作ってもらおうって派閥と、ちゃんと対価を払うべきって派閥で揉めてるそうです」
何だその揉め方は……いや、払うものは払ってもらうが、そんなに安く買い叩こうとしてるのか? ヴェルに聞いてみたら、ちょっと安いかな? ってぐらいだった。
別にその金額でも仕事はするが……と思ったら、安く買い叩いたというイメージが付くのが嫌なんだそうだ。要するに村の建前の問題だった。……そんな事は好きにしてくれ。
とにかく、揉めている所為で農具の仕事はいつになるか分からないらしい。逆に迷惑な事態になってるな。まぁ、好きなだけ揉めてればいいよ。俺は一切関わらないし。
ヴェルと一緒にギルドに戻り、ミュウさんに手続きをしてもらう。全部で大銀貨2枚の仕事だった。相変わらず、武器を作ってた方が実入りが良いんだよな。
訓練場に戻り2匹と遊ぶ。余っている木で小さなボールを作り、それを目の前に転がしてやる。すると、早速猫パンチを繰り出す2匹。そんな2匹と楽しく遊ぶ事にした。
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0153終了時点
大白金貨1枚
白金貨2枚
大金貨14枚
金貨62枚
大銀貨81枚
銀貨47枚
大銅貨63枚
銅貨5枚
ヒヒイロカネの矛
アダマンタイトの小烏丸
ヒヒイロカネの小太刀
真っ黒な金砕棒
剣熊の爪のサバイバルナイフ
アダマンタイトの十手
二角の角の戦斧
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
剣熊の骨の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
強打猪の革のジャケット
強打猪の革のズボン
真っ黒なブーツ
大型のアイテムバッグ