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 朝食後、後片付けや準備を終えて出発する。森はそれなりに広く見通しが悪い。特に火の季節の本番なうえ今日は急激に暑いので、体力が奪われるのと汗を掻く。王女一行は革鎧なので助かるが、伯爵軍は兵士でも金属鎧だ。大丈夫なのかね? アレは。


 湿度が高いから、今回の遠征で駄目になる鎧が続出しなきゃいいけど。それにガチャガチャ音を鳴らしているし……あれじゃあ獲物の位置を教えるだけなんだがな。むしろ敢えて向こうを囮にするか? それも良い案かもしれない。検討の余地ありってところか。


 下らない事を考えず、黙々とゴブリンを処理しよう。どのみち伯爵軍は横に置いても、ここのゴブリンを捨て置く訳にはいかない。賢いゴブリンは殲滅しておかないと犠牲者は多数に上るだろうし、それだけの邪気が放出されてしまう。そっちの方が問題だ。


 放出される邪気の量を減らす為にも、ここでキッチリ死んでもらわないと。最悪は、俺が血眼になって探す羽目になるかもしれないし、失敗で何らかの神罰を喰らうかもしれない。それは嫌なので、必ずトドメを刺さないと後が怖すぎる。


 それと、どれだけのゴブリンが罠を覚えたかも気をつけないといけないし、罠を作れるゴブリンは積極的に殺していかないと……。皆も意外にやる事が多くて大変だと分かったんだろう、気合いを入れ直している。


 俺達はある程度に分かれて狩りをしている。元々王女一行を守る気は無いと言うか、王女を守るのは向こうのメンバーの仕事なので、俺達は分かれた方が都合が良かった。女性陣には、殺したゴブリンはアイテムバッグに入れて持ち帰るように言ってある。


 俺は子供達と森の中を歩きながら、罠の場所を教えたり、ゴブリンの場所を教えたりしながら狩っている。狩り自体は子供達の練習に丁度良いので利用させてもらっているが、ゴブリン以外は俺が倒して処理。こいつらも特には要らないな。


 ダッシュボーアや鉄蟷螂などのゴブリン以外は出来得る限り回避しているのだが、それにも限度がある。この森はゴブリンの森と呼ばれているが、ゴブリンをエサにする魔物も集まってくる訳で、ゴブリンとて王者として君臨している訳では無い。


 その魔物連中から逃げ延びている頭の良い個体が居るのは間違いなく、そいつがゴブリンの森から逃げ出してしまうと被害が広がる恐れが高い。だからこそ、ここで始末しておかなければいけない訳だが、あの腐れ伯爵が邪魔してきそうなんだよな。


 今はゴブリンを処理して数を減らさなきゃいけないのだが、そこでもガチャガチャ音を鳴らしながら罠に掛かる阿呆が居る訳で……。さっきも悲鳴が聞こえたが、どうして学習しないんだ。ゴブリンより頭が悪いのか? まったく。


 子供達の集中が悲鳴で毎回逸れるんだよ。だから……うん? ゴブリン6体が何やらゴソゴソとして……こいつらか、罠を作っているのは。もちろん他にも居るだろうが、初めて遭ったこいつらをどうするかな?。


 子供達とも色々話したが、罠を作っている奴を含め素早く倒し、1体だけ残して殲滅する。………それじゃ、行くぞ!。


 合図と共に子供達と飛び出し、罠を作っている奴は確実に始末する。他のゴブリンもいきなり護衛対象が殺されたので慌てているが、行動は出来ていない。そんな中、子供達が綺麗に心臓を貫いて始末している。素早く殺す為に全力を尽くしている様だ。


 1体だけ残した奴は地面に押し倒しているが、コイツに【洗脳】を使い拠点へと帰らせる。人型生物なら、巣に帰るという程度の洗脳は可能だ。細かい洗脳は言葉が通じる相手でないと無理だが、大雑把には可能なので、まずは拠点の場所を探る事にする。


 洗脳したゴブリンを歩かせてゴブリンの巣の場所を探っていく。道中ゴブリンを喰おうと襲ってきた奴等を逆に始末しつつ尾行すると、森の奥にそれなりの集落を発見した。数で言うと400は居るかもしれない。結構デカイぞ。


 流石に何も無しにアレを攻め落とすのは無理だな。夜中に暗殺するのは可能なので、暗殺して収納を繰り返した方が良いかもしれないが、まずは皆と相談だな。子供達にもそう言い、俺達はコソコソと来た道を戻る。


 あのゴブリンの集落は規模が大きいし、奴等は濡れようがお構いなしに地面で寝ている。迂闊に近付くと地面の振動とか音を感知して起きる可能性もあるので厄介だ。地面で寝ているのは侮れない。


 そんな事を考えつつ、ゴブリンの森を出て拠点に戻った俺と子供達は一息吐く。神水をコップに入れて冷やして飲んでいると、皆も少しずつ拠点に戻ってきた。無理はしないように言っておいたので、安全な内に引き返してきたんだろう。


 神水の樽をアイテムバッグから取り出して置き、【冷却】してから好きに飲むように言っていると皆が続々と帰って来た。帰って来た皆も暑かったのか、冷たい神水に喜んでいる。とはいえ自分で【冷却】出来るよな?。


 ゆっくりしていると、王女一行も帰って来た。ゴブリンを4体ほど倒したらしいので、多少の戦果はあったようだ。椅子に座って戦果を語っているが、それよりも俺から皆に話しておこう。



 「とりあえず戦果の話は横に置いといてくれ。それよりもゴブリンを逃がして追跡したら、400ぐらいの群れというか集落があった。おそらくだが、そこの何処かに賢いゴブリンが居ると思うが、どれだけのゴブリンが罠を作製できるかは分からない」


 「流石に400は厳しいね。数が多すぎるし、一斉に逃げられると追えなくなる。唯でさえ面倒臭い貴族の軍が居るっていうのに、逃がしたらアタシ達の所為にしかねないよ。王女相手に舐めた態度をとるぐらいだからね」


 「逃がしても勝利宣言して引き上げそうですけどね。自分の領地から居なくなったらそれで良いとしか考えないでしょう、あの手の輩は。そして賢いゴブリンが量産されると。何と言うか、伯爵領の町を奪い取るゴブリンの集団が出来かねませんね」


 「あの伯爵が、そこまで考えられる人物には見えないわね。コボルトとオークの方が強いけれど、ゴブリンは知恵があるから侮れないのよね。オーガは知恵どころじゃないから例外として、ゴブリンは厄介よねぇ」


 「昔から、アレらは頭が良い方だからね。コボルトもオークも獣の部分が強いんだろうが、ゴブリンは獣じゃなくて人間種寄りの人型だ。だからこそ元から賢いとも言える。その所為で知恵を持つと何処まで賢くなるか……」


 「賢いゴブリンは早めに処理しろと言われる所以だな。知恵をつけていくと、そのうち手に負えなくなるかもしれない。ゴブリン自体が弱くとも、この森のように罠で殺せば済む。明らかな失態なのだが、あの伯爵は理解しているのか?」


 「さあ? 流石に私もあそこまで愚かとは知らなかったから、事態を正しく理解しているかは怪しい気もしているのよ。私達は狩人をしてきているから賢いゴブリンの話も知っているけれど、伯爵が知っているとは……ね」


 「割と有名な話だし、庶民なら知っている者も多いんだけどね。お貴族様だと知らないのも仕方ないのか、それとも伯爵が知らないだけなのかは分からないよ。どっちでもいいけど、責任は重いだろうさ」


 「責任どころの話では無いのでは? 賢いゴブリンというか、知恵のあるゴブリンが脅威なのは私でも知っている事だし、仕えている貴族家の領地で話を聞いたら直ぐに報せろと言われたぐらいよ」


 「王都では聞いた事が無かったので、父や祖父は知っていたかもしれませんが、私自身は狩人になってから知りました。近くに森などが無いからでしょうか? 王都ではダンジョンの魔物の話はよく聞くのですが……」


 「私もそうですね。王都ではダンジョンの話はよく聞きますが、周辺の魔物は狩人が狩っているからか聞きませんね。だいたいが何層まで行けたとか、どんなダンジョンモンスターが出たかという話が多かったです」



 この国も同じで、やっぱり王都近くにはダンジョンがあるんだなー。



 ▽▽▽▽▽


 1537終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1635枚

 銀貨2445枚

 大銅貨1750枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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