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夕食を作り始めるのだが、面倒なのでニョッキにする事にした。ただし寸胴鍋で骨の出汁をとり、濃いスープに入れたニョッキに決定。いつも通りに素早く出汁をとるのだが、その間に王女一行にはニョッキを作ってもらう。
それ以外には口直しのサラダぐらいなので、それは子供達に任せた。俺はデスボーアの骨で出汁をとりながら、その横でグレイトシープの肉を焼いている。十分に焼けたら皿にのせ、ある程度の厚さに【分離】しておく。
十分に出汁がとれたら、焼いたグレイトシープや野菜を入れて煮込んでいく。別の鍋でニョッキを茹でておき、火が通ったらスープの鍋へニョッキを移す。味が染み込むように少々煮込んだら完成だ。
全員の椀に入れていき、配膳が終わったので食べよう。それじゃあ、いただきます。
「芋は我が国にもあるけれど、小麦と混ぜて料理出来るなんて聞いた事が無かったわ。まあ、料理の事は詳しくないけれど、それでも聞いた事は無いわね。意外と言ったら何だけど、十分に美味しいわ」
「これはいいね。小麦よりも安い芋を使って嵩増し出来るなら、庶民は大助かりさ。実家に帰る事があったら母親に教えておこうっと。少しでも安くなれば、ウチの食堂も楽になるだろうしさ」
他のメンツは骨で出汁をとっていた事に思うところはあったらしいが、これほど濃いスープになるとは思っていなかったようだ。雨も大分あがったのか、そこまで振ってはいない。明日は晴れるだろう。
雑談をしながら食事を終え、食器などを綺麗に【浄化】して収納する。カマクラは土で作った扉付きの物にしてあるので、自分達のタイミングで入って休むだろう。俺達は気にせずゆっくりとする事にした。
王女一行はカマクラの中に入って行ったので、もう休むのだろう。食べて直ぐに寝転がるのは良くないんだが、それをいちいち言うのもな。面倒だし、余計な情報まで口走りそうなので止めておく。
子供達が【光球】を変形させて遊んでいるが、魔法の練習でもあるので遊ばせておこう。意外と言ったら何だが、こういう遊びでも個人のセンスはハッキリと出る。前衛芸術のような物が無いのは何よりだ。
そんな物に対しての評価を求められても困るし、何かを言うにも言い辛い。色んな意味で、ああいうのは止めてほしいものだ。おっと、そろそろカマクラに入るか? 少し眠たくなってきた様なので、子供達をカマクラに入れる。
女性陣も2匹も入ったので入り口を閉じ、布団を敷いていく。子供達は既に舟を漕ぎかけているが、それでも何とか起きている。今日は雨で遊んでいただけの筈だが、既に耐えられないらしい。
蒸し暑さはそこまで無いが、それは俺が【凝水】を使ってカマクラ内の湿度を減らしてるからだし、そろそろ送風機ぐらいは出していいか。そう思い、送風機を設置する。早速ダリアが浴びに行ったが、子供達は布団に寝転んだ。
どうやら風が起きて気分が良くなったのだろう、子供達は直ぐに寝てしまった。こちらの大陸は向こうと違っているからか、暑くなる時季が分かり難い。向こうでは火の季節の中盤から暑くなるんだが、今はまだそこまででは無いしなぁ。
2匹も寝転んだので、【昏睡】を使って眠らせる。女性陣はいつも通りに満足させて眠らせ、体を綺麗に【浄化】しておく。最後に勾玉で吸引と【浄化】をしたら、おやすみなさい。
<異世界763日目>
おはようございます。今日は雨がすっかりあがった様で、【空間把握】でも晴天なのが分かります。朝の日課を終わらせて、カマクラの入り口を開けて外に出る。その瞬間、ムワっとした熱気が体を覆った。……マジかよ。
何か急に暑くなってるんだけど? これは昨日の雨の影響なのか、それともアレが季節の変わり目の雨だったのか? 季節の変わり目と言うか、夏本番を告げる雨と言ったところかな。いや、冗談抜きで暑い。
水を汲みに南東へ行き、川に神水を捨ててから補充する。相変わらず小さい魚などが猛烈に動いて、水面が波立ったりしているものの、俺はスルーして水を持ち上げ神水に変えて樽に入れる。
拠点に戻ったら周辺を【乾燥】で乾かしてしまい、蒸し暑さを少しでも和らげておく。とはいえ、吹いてくる風が蒸し暑いので効果はあまりない。【冷風】を使えば和らぐが、一時的なものでしかなく魔力の無駄だ。
冷たくした神水を飲みながら頭を空にしていると、蓮が起きて入り口を開けた。外に出た瞬間「うわっ」と顔を顰めたので、思わず笑いそうになる。それに気付いたのか、怒った蓮は俺の膝の上に座ってきた。まあ、好きにしなさい。
冷たくした神水をコップに入れてやると、少し機嫌が良くなったのか大人しく飲んでいる。2人でゆったりした時間を過ごしていると、次々に起きてきては、外に出た瞬間、顔を顰めている。蓮はそれが面白いのか笑っているが、自分の事を忘れたのか?。
皆と朝の挨拶をした後で王女一行も起きてきたが、5人も同じく顔を顰めている。その後、朝の挨拶をしてから聞いたのだが、例年これぐらいの時期から暑くなってくるとの事だった。今年は急激に変わったようだが、例年はもっと緩やかなんだそうだ。
皆が起きたので朝食の準備に取り掛かろう。今日の朝食はプレーンの饅頭とスープに、味付けしたチーズとハチミツか。まあ、何を付けるかは適当に決めればいいや。早速練ってもらい、その間にスープの出汁をとっておく。朝は鰹出汁だ。
5人にも練らせた饅頭の生地を次々に蒸し器で蒸していく。こちらの国にも蒸し器が無かったらしく、巨人まで驚いている。どうも下町の食堂でも見た事は無いらしい。蒸しあがった饅頭から食べさせていくのだが、まずは王女一行と子供達に2匹だ。
次に俺達の分をセットして蒸していく。既にスープやらチーズやらは出来ているので、王女一行はそれを付けて食べている。蓮が負けじと付けて食べているが、大量に付けて食べるのは止めなさい。他の人の分もって、あーあー。
これは新しく作った方が良いな。そう思い、蒸している横で新しくチーズを溶かして味付けしていく。ミードを使って水分を足し、香辛料で味を整える。俺達の分の饅頭も蒸しあがったので、更に2度目をセットして蒸していく。
そうやって朝食を食べていると、何故か伯爵が護衛を連れてこっちへ来た。いったい何の用だよ。面倒臭い事じゃないだろうな?。
「おや、食事中でしたかな? これは失礼。実はですな、昨日森に入っていないという報告を受けまして。狩人としての仕事もせぬとは、いったいどうなっておるのかと聞きにきたのですよ」
「何を言っているのか分からないけれど、雨の日に兵士を罠のある森に突っ込ませるのは、指揮官としてどうなのかしら? 兵士は移動で疲れているうえ休みも無し。更には視界の悪い雨の日に突っ込ませる。まともとは思えないわね」
「………」
おーおー、伯爵のオッサンは額に青筋立ててるなー。とはいえ言い返さないという事は、少なくとも自分のやっている事は理解しているらしい。問題は理解しているにも関わらず、王女一行が居る前で何故やらかしたのか。そこが分からない。
「おそらく私に良いところを見せて、陛下に報告させようとでも思っていたのでしょうけど……その程度も知らないと思っているのかしら? このまま報告したら伯爵の評価はどうなってしまうのでしょうね?」
「……っ! 失礼する!!」
足をダンダン踏み鳴らしながら、バカ伯爵は去って行った。いったい何をする為に此方に来たのか分からないが、おそらく王女を牽制しにきたんだろう。ところが的確に指摘されて、ぐうの音も出なかったと。
「危なかったわ、まさか私を牽制しに来るなんてね。指揮の仕方とか戦術とか、私まったく知らないもの。昨日そちらから聞いてなかったら、言い返せなかったでしょうね。本当にありがとう」
「成る程。強攻策が失敗したから、姫であるアンタを丸め込みに来たのかい。武人じゃなくて、保身の貴族じゃないか。下らない」
バカはどうでもいいが、今日はある程度のゴブリンを間引いておくか。あんな貴族が居るんじゃ、足を引っ張られかねない。
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1536終了時点
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神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




