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 俺は気にせずゴブリン肉の野菜炒めを作り、塩と魚醤で味付けする。いつも通り竜の脂で炒めているので、脂だけでもとんでもなく良い匂いがする。まあ味も文句無く美味いので、これだとゴブリン肉そのものの味が分からないか? これは失敗だな。


 そう思った俺は野菜炒めを作った後のフライパンを【浄化】し、塩をふっただけのゴブリン肉を焼いていく。油を使っていないのでフライパンに引っ付くが、そこは諦めて焼いていく。終わったらもう1度【浄化】しよう。


 それでも肉の脂が出てくるので、それで大量に焼いていく。臭くないからか、こちらに近付いてきた王女一行は椅子に座って自分達の食事を取り出した。王女がアイテムバッグを持っているので、そこに詰め込んできたのだろう。しかし、中型を持っているとはな


 そんな事に関心しつつ、焼けたゴブリン肉を皿に盛って王女一行の前に出した。「騙されたと思って食べてみろ」、そう言って俺は料理に戻る。王女一行も匂いを嗅いでいるが、臭くないので困惑しているようだ。経験があるほど混乱するのかね?。


 俺達の方は気にせず玉子焼きを作って終わりだ。さて、それじゃあ麦飯も炊けたようだし、そろそろ食べようか。いただきます。



 「うん。久しぶりに食べたけど、ゴブリン肉も普通に食べられるね。まあ、竜の脂が使ってあるから普通とは言い難いけどさ、それでもゴブリン肉が食べられない程にマズイって事は無いから十分だよ」


 「この味なら十分ですし、竜の脂を使わなくても及第点でしょう。食べられるように出来るだけで十分と言えますが、コボルトの肉より美味しいのですから十分過ぎますね。向こうも驚いているみたいですし」



 確かにな。俺達にとっては普通のことだが、知らない奴等にとっては驚天動地の出来事だろう。臭くてマズくて食べられない物の代名詞だった筈が、普通に食べられる肉になるんだからな。そりゃ驚くわ。



 「う、嘘でしょう……コレがゴブリンの肉だっていうの? じゃあ、あの時の悪臭が漂ってた肉は何よ。アレの所為で鍋が使えなくなって、1食抜く羽目になったのよ? こんなの、あり得ない……」


 「いや、姫。目の前で見てたし、何だったら解体するところすら見てたじゃないか。そもそも不老長寿の方々はゴブリンが食べられるって言ってたんだし、あたし達の知らない方法があるんだと思うよ。食べないならあたしが貰うけど?」


 「メリー、貴女1人で全部食べようとしないで下さい。普通に食べられるお肉なんて野営では簡単にはありつけないんですから、私だって食べますよ! と言うより、今日の朝に食堂で食べた肉より柔らかくない?」


 「確かに、今日の朝食で食べた肉より美味しいですね? 臭い筈のゴブリン肉だという事は横に置いても、何故狩ったばかりの獲物の肉が、こんなに柔らかくて美味しいのでしょうか?」


 「ゴブリン肉がこんなに美味しいなら、今まで食べていた肉は何なのかと言いたくなりますね。いやぁ、それにしても美味しい。夜の食事は買ってきた物で済ませますけど、明日からは我々も料理をした方が良いですかね?」


 「私は料理なんて習ってないから出来ないわよ? 子供の頃に憧れて、ちょっとやろうとしたら料理長に怒られてしまったの。それ以降、手を出そうとした事も無いわ。まあ、王族が怪我をしたら困るのも分かるんだけどね」


 「流石に姫が怪我しちゃ、首が飛ぶかもしれないからね。そりゃ無理ってもんさ。あたしは家で料理なんてした事は無いって言うか、下町の庶民なんて大抵は食堂に行って食べるもんだからね。料理なんて出来ない奴等ばっかりさ」


 「私は……実家が子爵家ですので、料理は料理人の仕事でしたから1度も無いです。そもそも貴族の家の者は1度も無いでしょうし、少なくとも王都民の大半もした事が無いと思いますよ。薪代が馬鹿になりませんので」


 「私もありませんね。まあ、我が家は侯爵家ですから余計に無かったというべきでしょうか? それぞれ仕事に従事している者の領分を侵す事は禁じられていましたので……知る事はしていましたが、手を出す事はありませんでした」


 「我が家は男爵家でしかありませんが、その私でもありませんので、メリウェス殿を除くと料理経験は誰も無いでしょう。更に言えば、今まで私達は料理をした事もありませんし。精々、鍋で肉を焼くぐらいではありませんか?」



 流石に王族や貴族が料理をする事は無いか。当然と言えば、当然だな。それよりも野菜が結構減ったし、1度町へ帰って買い物をしてくるかな? 予想よりも長丁場になりそうだし、あいつらも料理しそうだから、誰か連れて戻ろう。


 昼食後、久しぶりに米を食べたエリアと蓮が満足そうな顔をしているのをスルーし、王女一行に俺が一旦町に戻る事を伝える。木像で行って木像で帰ってくる事を話すと、誰が行くかで揉め始めた。余程キツかったらしいが、さっさと決めてくれないか?。


 結局、1番下っ端の男爵家の奴に決まった。俺が男なので男2人のどちらかだったのだが、侯爵家と男爵家じゃねえ……勝負の前に決まっている。木像を出して乗り、一気に駆け出す。後ろで何か喚いているが、そのうち飽きるだろう。


 2時間も掛からず戻り、町の手前で徒歩に変える。既に地面に腰を下ろしているが、多少休まないと動けないらしい。仕方がないので待ってやり、回復したら町へと行く。門番には不審がられたが、登録証を見せて通る。


 真っ直ぐ食料店に行き、小麦を銀貨3枚分、大麦を銀貨3枚分、野菜を銀貨3枚分購入した。隣で三男が驚いているが俺はスルーする。ああ、男爵家と呼んでたら名前で呼んでくれと言ってきたので、今は三男と呼んでいる。男爵家なのは事実だろうに。


 更に酒屋や油屋に行って買い物をし、アルダ酢を銀貨2枚分、シードルを大銀貨2枚分、植物油を銀貨2枚分購入。十分に満足する買い物となった。買い過ぎだったのか、横で三男がドン引きしているが、白金貨を使った訳でもないのに驚くなと言っておく。


 目が点になった後、恐る恐る持っているのか聞かれたので、500枚近くある事を伝えると奇声を上げた。そこまで驚く事だったらしいが、金貨5万枚と考えたら仕方ないのかねぇ? 俺は特に驚きも何も無いが……。


 最後に雑貨屋と鍛冶屋に行って料理道具を買うのだが、ある程度の物しか買えなかった。足りない分は俺が作ってやると言い、三男はよく分からないまま頷いていた。とりあえず理解できない事は棚上げにしたらしい。


 再び木像に乗って帰るのだが、帰りでは眼を開けて外を見るようにしていた。怖くて目を瞑るから具合が悪くなるのであって、開けて景色でも眺めていればそこまで具合は悪化しない。そう言ったので、今は大人しく景色を眺めている。


 俺としたら五月蝿く無ければ何でも良かったのだが、存外に意識を上手く誘導できた様だ。今の内にさっさと進んでしまおう。再び2時間も掛からずに帰って来たが、少し疲れたくらいで足元がふらつく事は無かった。


 戻ってきたので確認したが、午後からは狩りに出掛けてないらしい。疑問に思って聞くと、あまり大量に狩ると伯爵が余計な口を出してくる可能性もあるので、午後からはゆっくり休んでいたとの事。まあ、今日来たばかりでもあるしな。


 俺は皆にシードルの大樽を4つ出し、好きに分ける様に言っておく。椅子に座った俺はアイテムバッグから鉄を出し、フライパンの形にしたら三男を呼んで渡す。三男は見ていたものの、見ていた光景が理解できないらしく素直に受け取っていた。


 向こうで王女が五月蝿いが、俺は無視して押し麦作りを始める。それも直ぐに終わらせたのだが、それでも時間は経っていたらしい。そろそろ夕食の準備に取り掛かった方がいい時間なので、早速始めよう。


 俺が置いておいた木とウインドチキンの羽で、矢を作っているフォルはそのままにしておき、とりあえずエリアに昼と同じくサーサの麦飯を頼む。メルに向こうの料理指導を頼み、アルメアに子供達の監督を任せた。


 俺はヘビーブルのステーキを焼いていこう。



 ▽▽▽▽▽


 1532終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1635枚

 銀貨2445枚

 大銅貨1750枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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