1531
朝食後、食堂を出て狩人ギルドへと行く。まずはここでゴブリンの森での討伐依頼を請けないといけない。俺達は足早に行き、討伐依頼を請けたい旨を受付嬢に話して木札を貰う。手続きは終わったので、そろそろ出発しよう。そう言って町の入り口へと行く。
俺達が今居るこちらは東側の出口だが特に変わった所などは無く、狩人の登録証を出して門番に見せたら外へと出た。王女一行も外へと出たので少々歩き、ある程度離れたら木像を出す。こいつらに合わせていると日が暮れるからな。
「おや……アルド、木像を見られても良いのですか? 権力者に見られると面倒な事になりますが……いえ、それも利用するという事ですか。いつも通り潰せば、それで終わる程度の話でしかありませんね」
それぞれの木像を出して乗せていく。俺は男2人を後ろに乗せたが、ダナが王女を、シュラが狼人族の女を、エリアが巨人族の女を乗せている。ちなみにエリアは象の木像だ。アレが1番パワーがあるから、巨人族2人でも大丈夫だ。
子供達も乗ったのを確認したので、一気に北東へと走って行く。掴まっていないと振り落とされる可能性があるから、しっかり掴まってろ。と言ったにも関わらず、聞いているのか分からない程に五月蝿い。そこまで騒ぐほどの事かよ。
いい歳の奴がギャーギャー喚くなよな、まったく。そう思いながらもスピードは緩めない。ひたすら速く進んで行き、半日どころか2時間ほどでゴブリンの森に到着した。時速100キロは出してないが、それぐらいの速さだから着くのも早いな。
そう思いながら木像を片付けるも、王女一行は吐く者が続出した。王女と巨人族の女以外が耐えられず、現在吐いている。別に速度が速いとはいえ、吐くほどの事か? ウチの皆でも始めての時に吐く事は無かったぞ。もう慣れたものだし。
そんな事を考えながらも、離れた場所から徒歩でゴブリンの森に近付く。大規模なテント群というか、それに近い物が設営されている。あれで兵士が休んでいるらしい。大規模な討伐が終わるまでは、この状況は続くようだ。
王女一行は再びあの伯爵に挨拶しに行くらしいが、俺達は行く必要は無い。ああいう面倒な手合いをどうにかしてくれるらしいので、俺達はその言葉に素直に甘えさせてもらう。そもそも面倒な輩と関わる気なんぞ一切無い。
俺達は大量のテント群から離れ、空いている場所に土でテーブルや椅子を作って座る。子供達も疲れただろうし、皆のコップに神水を入れて休む。ゆっくり飲みながら雑談していると、王女一行がこちらにやってきた。面倒な話は終わったのかな?。
「ええ。伯爵も依頼を請けた狩人をいちいち拒む事は無いわ。それに私が頼んだ狩人ですもの、ケチを付ける訳にはいかないでしょう。前にも言ったけれど、伯爵はまだマシなのよ」
「アレより酷いのが居るっていう時点で、救いようが無いと思うのは気のせいかしら? 武人気質と言えば、頭が悪いのが許される訳では無いのだけれど……まあ、これ以上は言わないわ」
王女一行の分のテーブルと椅子も作っておいたので、現在は座ってゆっくりしている。少々硬いが俺達は慣れたものであるが、土なのに汚れが付かず硬いのが気になるようだ。そんな事は気にせず、今はゆっくり体力を回復させろ。
そう言って休むように言う。ちなみに南東の方に川が流れているらしく、そこに行けば水は手に入るそうだ。ただし汲んできた後に【清潔】を使ってから、上澄みを掬って飲まないとお腹を壊すらしい。煮沸しなくても飲めるだけマシと言うべきかね?。
聞きたい事は聞けたので、俺達は早速ゴブリンの森に入る事にした。王女一行もついてくるらしいので許可したが、とにかく音を出さない様に注意しておく。近衛とか騎士団の奴等は音に無頓着な奴が多い。特に金属鎧の連中はな。
そう言ってから森の中に入る。後ろから付いてくる王女一行の足音が五月蝿いので注意し、音をなるべく出さない様に歩けと言っておいた。ウチの子供達でも音を出さないように歩いているんだぞ。戦いを何だと思っているんだろうな、こいつらは。
【気配察知】で魔物が何処に居るかは分かっているので、ゴブリンだけを手早く殺害していく。子供達も武器を持って歩いているが上手く戦っているようだ。ゴブリンの血抜きをして収納しているが、異常と言えるほどの多さに呆れてくる。
まさか、これだけの規模の群れになるまで放置しておくとは、幾らなんでも馬鹿すぎる。そんな事を皆に教えながら進むのだが、ゴブリンどものエサがどうなっているのか心配になるレベルで数が多い。共食い……はしないだろうが、じゃあ何を食べてるんだ?。
人間種を食う事もあるだろうが、他には森の魔物か? とはいえ、ここまでゴブリンが多いと食料が足りない気がするがなぁ……。疑問はあれど、それを解き明かす仕事じゃないからスルーするか。数を減らすのが先だな。そう思いながら、足元の罠を指摘する。
火の季節だから草が生い茂っていて分かり難いが、スネアトラップや落とし穴などがある。人間種を罠に嵌めると言うよりは、森の魔物を狩る為のトラップっぽいな。そんな事を考えながらも皆を一時的に止める。こういうトラップもかよ、危ないなー。
「ほら、よく見ろ。地面から突き出てるだろ? 太い木の枝なんかを斜めに削り、地面に埋めて見え難くするだけで十分トラップになるんだ。知らないで踏めば、自分の体重でグサッといくぞ? 場合によっては足を貫通する」
「これが本当にゴブリンの仕掛けた罠かい? 幾らなんでも聞いた事が無いくらい危険なんだけどねえ。何と言うか、昔のあたし達の真似をしていると言われた方がしっくりくるね」
「あんたらの昔の真似って、いったい何だい? こういう風に魔物を狩ってたんじゃないって事?」
「他の皆は違うさ。あたしだけは元盗賊なんだよ。あたしの出自は公爵家らしくって、元は嫡流の王族なんだとさ。ただ、色んな事に巻き込まれて誘拐され、子供の頃から盗賊の親父に育てられたんだよ。こういう悪質な罠に関しては馴染み深いんだけど……ゴブリンがコレをねえ?」
「「「「「………」」」」」
王女一行は何か言いたそうにしているが、それを飲み込んだ。他人のプライベートだし、そこに土足で踏み込む訳にはいかないと思ったんだろう。
まあ、普通の気遣いは出来るらしい。とはいえ、王族が誘拐されるというのも聞きたくはなるんだろうな。まだ聞こうか迷ってるみたいだし。
ある程度ゴブリンも殺せたので、一旦森を出て昼食にしよう。そう言って、来た道を逆に辿る。同じ道を進むのは、少なくとも罠が無いと分かっているからだ。ゴブリン共が大量の罠を仕掛けているので、面倒な事このうえない。
帰りで怪我をするのも癪なので、真っ直ぐ来た道を戻らせる。途中、間伐できそうな木を見つけたので伐り倒し、木材をゲットして出る。王女一行は薪にするつもりだと思ったのか、生木は煙が出て使えないと言ってきた。それぐらい知ってるよ。
椅子とテーブルのある場所まで戻ってきた俺達は、焼き場を作って昼食の準備をする。初めて作っているのを見たからか驚いているが、俺は精霊石の土鍋を取り出して麦飯と神水を入れてエリアに渡す。エリアは喜んで焼き場にセットし、早速【加熱】し始めた。
10分掛けてゆっくりと沸騰させていくエリアに任せて、俺は少し離れた所でゴブリンを取り出す。【神聖八重浄化】を使った後に【聖潔】を使い、肉とそれ以外に解体していく。
肉を切り分けたら権能を使いながら【熟成】させていき、出来たら収納する。要らない物はフヨウにお任せだ。
料理をしている俺達を見ながら驚いているが、俺達はいつも通りなので気にしていない。メルと子供達はスープ作りをしてくれていて、俺は肉作りが終わったところだ。早速ゴブリンの肉を焼いていくのだが、今日は普通に野菜炒めにしよう。その方が分かりやすい。
俺がゴブリン肉を焼こうとしたら、あっという間に王女一行が離れた。やはりゴブリン肉を知っているのは間違い無いが、王女が手を出すかね? 普通。
▽▽▽▽▽
1531終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2458枚
大銅貨1750枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




