1528
適当に歩きながら平原をウロウロする。既に子供達もネイルラビットを倒しているので、血抜きをして収納させている。俺達が何も言わずとも魔物の位置を理解して攻撃をした子供達に、向こうのチームは驚いていた。どうやら【気配察知】は使えないらしい。
「貴方達はともかく、あの子供達まで強いのね? 幾らなんでも、と思ったけど、5歳であそこまでの魔法を使い熟すなんて……そのうえ、ちょっと顔と雰囲気がおかしいと言うか、尋常じゃないと思うんだけど?」
「それを言われても困るねえ。イデアはイデアだし、別にアンタ達に迷惑掛けた訳でもないだろうに。たとえ子供に対してでも、言い方ってもんがあるだろう」
「ああ、いえ。そういうつもりじゃなかったの。私は高位の家の出だけど、あそこまでの雰囲気というかオーラを持っている者はまず居ないのよ。訓練で身に付けた覇気というより、自然に滲み出てくるオーラよ、アレは確実に」
「そこまでですか……? 確かに驚くほどの美形ですが、そこまでのものは感じませんよ? 何と言いますか、圧倒されたり圧迫されたりはしませんし……」
「それは貴女が分かっていないだけよ、ティア。この世には様々な者が居るけれど、ああいう自然なオーラというのは怖ろしいのよ。こちらに警戒心を抱かせずにスルリと入ってくる。そんなオーラを持っているという事よ」
「それは危険なのではありませんか? もちろん子供に対して何をするという事はありませんが、そういうモノを持つ暗殺者が居ないとも限りません。対処の方法などを考えておきませんと……」
「おっ! 上手く当たったね。思っていたよりしっかりと練習させられたみたいだけど、そこまで一気に上達する修行っていうのも大変だ。私達とは別の意味で苦労が耐えなかっただろう事は分かるよ」
「本当~に! 大変だったんだよ。こんな小さな的がヒューンって飛んでさ、それに当てろって言われるんだ。ひたすら当てろって言われるんだよ? 何とか熟したら次はジグザグに飛んだり、その後は適当にビュンビュン飛ぶしさ! 勘弁してほしいよ」
「「「「「「「うわぁ……」」」」」」」
穴から顔を出した瞬間のネイルラビットをフォルが射抜いたが、そうなるまでに地獄の特訓をさせられたらしい。大変だったろうと思うが、だからと言って同情はしない。神様達がやった事だし、下手な事を言うと何をされるか分からないからな。触らぬ神に祟りなし。
適当に魔物を狩りながらウロウロしつつ話をしていると、向こうが立場を明かしてきた。何でだよ、余計な事しやがって……。
「貴方達の事を聞いていいかしら? 当然、私達の立場も話すわ。私はユイルファーネ・サリサ・ヴィラノーア。この国の第4王女よ。と言っても、姉上方と違って放蕩王女とか呼ばれてるけど」
「姫……自分から放蕩王女はどうなのさ。あたしはメリウェス。姫に付けられた護衛で、第1近衛騎士団に所属してる。今は出向中というか、姫様付きにして厄介払いされた形だね」
「厄介払いと言いますか、第1近衛の中では突出して強いので使い難いと言われただけでしょう。私は第4近衛騎士団所属の騎士団員でティアルヌです。今さら渋っても仕方ないですが、情報系だと思ってください」
「殆ど答えを言っているようなものですけどね。私は宰相をやっているオルドヴァーンの孫でオルトーザと言います。宜しくお願い申し上げます、始祖様」
「始祖……? えーっと、自分は宰相閣下の下で文官仕事をしていたナウロと言います。一応男爵家の者ですが、三男なので気にしないで下さい。下っ端なんで」
個性的と言うか、いつもどおりと言うべきか。判断に迷う連中だな。そして、何故に王族がサラっと出てくる。別に関わりたくなどないのだが、なんでこんな面倒事に巻き込まれるんだろうな。王女が市井に居るってオカシイだろう! 城で大人しくしてろよ!。
「ふーん。まあ、いいか。アタシの名はディアーナ。皆からはダナと呼ばれてる。額の眼を見れば分かるかもしれないけど、【神眼族】であり不老長寿だよ」
「私の名はシュライア。本当は長い名前がありますが、いちいち名乗っても意味が無いので名乗りません。まあ、吸血鬼族の不老長寿です。証明は出来ないんですけどね、ダナと違って」
「私の名前はメルファラム。皆からはメルと呼ばれてるわ。魔女族であり不老長寿だけれど、ダナやシュラやアルメアと違って、後から不老長寿になった者よ」
「先ほどメルが言ったけれど、私の名がアルメアだ。シュライアと同じで長い名前があるが、そこはいちいち言わないよ。私も吸血鬼族の不老長寿であり、シュライアの姉となる」
「次は私か。私の名はディルファグル、皆からはディルと呼ばれている。私も後天的に不老長寿になった者だが、幽人族の不老長寿だ。元は暗殺業をしていた」
「そこは言わなくてもいいんじゃないかな? 僕はフォルディアルデ。皆はフォルと呼ぶよ。元は男だったんだけど、森神様の加護を得て女性になったのと、始祖の方とそっくりの見た目に変わったんだ」
「私はリューエンディドラといい、皆からはリューと言われています。海神様の加護を賜り不老長寿となりましたが、それまでは帝国で諜報部隊を率いていました。まあ、裏切られた後に不老長寿となりましたが……」
「あたしの名はエリシャヴァエナ、愛称はエリアさ。左腕をぶった切られた後に奴隷として買われてね、今は不老長寿さ。巨人族で巨神様に加護を頂いたんだけど、どうも本当は王女らしいんだよ、あたし。どうでもいいけどね」
「蓮はね、土御門蓮っていうの。ヤシマの国っていう所の京に居たんだけど、あにうえが死んじゃって、それから皆と一緒に居るんだよ。えーっと、白狼族? っていう珍しい種族なんだって。後ね、蓮も不老長寿なんだよ!」
「ボクの名はイディアルマと言います。皆さんからはイデアと呼ばれていますが、蓮と同じでまだ5歳です……多分。ボクは一応ですけど、呪神様の因子を持つ呪人族の始祖なんだと思いますが、正確には分かりません。ちょっと特殊な生まれなので……」
「俺は人間族で、名はアルドゥラム。皆からはアルドと呼ばれている。宜しく。で、こっちがダリアで、こっちがフヨウだ」
「ニャー」 「………」
両手でダリアの前足の両脇を持ち、目の前まで上げて挨拶させる。俺の事をいちいち説明する気は無いのでダリアとフヨウを利用した。女性陣からも子供達からもジト目が飛んできているが気にしない。
向こうの女性3人はダリアの可愛さに注目し、ツインホワイトである事に更に驚いていた。実際には違うと思うが、説明が面倒なのでスルーしておく。フヨウもセイントだと思われているが、そこもスルーだ。
「不老長寿かどうかは分からないけれど、まあ一応信じておくわ。それはともかく、貴方達にも協力をお願いしていいかしら? 私が放蕩王女と言われて、国の中をうろうろしているのには理由があるの」
「まあ、当たり前だと思われたでしょうが、御内密に。一応は放蕩王女だという体で噂は流されていますので。それはともかく、私達の仕事は国内の監視と情報収集であり、必要ならば権力の行使も認められています」
「別にあんた達を脅す訳じゃないんだけど、一応ね。今回は国内の貴族の悪事を調べたりする訳じゃなく、奴隷密売組織を捜すのと、北東のゴブリンの森をどうにかする仕事なんだよ。それに協力してほしいって訳さ」
「特にゴブリンの森は迂闊に行くと殺される可能性もあり、極めて危険なのです。どうも頭の良いゴブリンが統率しているらしく、罠を幾つも設置している様で……」
「自分達も戦えはしますが、どちらかと言えば後方担当、もしくは交渉担当でして。ちなみに交渉担当はオルトーザ様で、自分は後方や補給担当です。そもそも戦い方とかを習った事はありませんので……」
「貴族家も三男ともなれば適当と言いますか、雑な扱いを受けてしまいますからね。そのうえ、教師を付けるとなると結構なお金も掛かりますし」
とりあえず言い訳の分の魔物は狩ったので、そろそろ帰るか。
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1528終了時点
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神鉄の刀
神鉄の槍
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精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




