1526
「あそこの森の木は古くから間引きして使われてるが、ゴブリンの所為で森の手入れも儘ならないし……。このままだと悪い森になりかねないから、領主様には何とかしてもらいたいところだ」
「ゴブリンなんて食えもしねえし、肥料にするぐらいしか出来ないから安いしな。おかげで狩人の連中も狩るのを嫌がるし、本当に厄介な魔物だよ。だれか沢山倒してくれねえもんかね?」
「だったら、お前がやれって言われて終わる話だ。あいつら狩人だって自分の命が掛かってるんだ、慎重にもなるし儲からない事はしないだろ。それは仕方ないさ。俺達だって儲からない仕事はしないしな」
「しょうがねえか……。それ言われたら言い返せねえしな」
ふーん。ゴブリンの森はともかく狩人という職業があるのか。おそらくは傭兵や冒険者、魔戦士と同じ仕事だろうけど。似た様なものは本当に何処ででも生まれるんだな。明日、狩人ギルドがあるなら登録しに行くか。
そんな事を考えながら夕食を終え、宿の部屋に戻って休む。子供達はトランプで遊ぶようで、俺とディルも加わる事となった。女性陣は酒を飲んでいるが、ダリアとフヨウも飲んでいる。何か2匹は直ぐに寝そうだな。
そんな事を考えながらトランプで遊んでいると、ダリアとフヨウは早々に撃沈したようだ。女性陣は未だ飲んでいるが、そろそろ怪しげになってきている。子供達はまだまだ元気なので酒を飲んだのは失敗じゃなかろうか。
子供達が舟を漕ぎ始めたので、そっと布団に寝かせてやる。その両隣にダリアとフヨウを寝かせ【昏睡】を使う。その後は女性陣をベッドに寝かせ、ディルをキメたら同じように布団へ。さて、そろそろ出かけよう。
領主様が云々と言っていたという事は、ここは少なくとも領主が居る町だという事だ。となると、当然神殿も大きなものとなる。ならば聖人化するのが俺の仕事だ。浄神も見ているだろうから頑張ろう、神罰は喰らいたくないし。
隠密の4つの技を使ってから、窓を通って外へと出る。神殿の位置が分からないので調べるものの、敷地が広いので直ぐに分かるだろう。そう思って調べていると、案の定すぐに見つかった。領主の屋敷より広いとかさー……。
色々言いたくなるが、堪えてさっさと侵入しよう。生命反応の多い宿舎を見つけたので中に入り、早速聖人化を始める。聞きたい事を聞いたら聖人化。そうやって繰り返し、気付いた時には9割を聖人化していた。幾ら何でも多くない?。
地方だからか、そこまで数は多くないけどさ。それでも割合は酷いな。大半が神殿の金に手を出したとか、お布施を余分に取ってたとかだったけど。それに、上が把握していなかったのかと思ったら、実は古くからやっていたとは……。
呆れるものの、これが神殿かと思うと違和感はあまりないな。極めて普通の神殿の連中でしかない。何処でも変わらないと言えば終わる程度の連中か。神官の連中が1番分かっていないのかもな、古くからやってると。
とりあえず聖人化は終わったのでさっさと帰ろう。そう思って戻るも、何やら宿の周りをウロウロしている奴が居る。明らかに怪しげな奴なので、【衝気】で気絶させてから白い枷を嵌めて聞き出す。
すると、食堂の帰りの俺達を見かけ、宿の近くまでついて来ていたらしい。目的はイデアだそうだが、本当に碌でもない奴だ。俺は情報を聞きだした女にもう1つ白い枷を嵌めて聖人化しておく。これでイデアを手篭めにしようなどとは思わないだろう。
白い枷を回収し、俺は宿の部屋へと戻った。皆はぐっすりと寝ていて、何かをされたような形跡は無い。外におかしな女が居たからな、少し心配したが大丈夫なようで良かった。部屋と体を綺麗に【浄化】した後、勾玉を使う。
思っているよりも汚かったが、腐っている神官が多かったのでこんなものだろう。最後に【神聖世界】を使用して、おやすみなさい。
<異世界760日目>
おはようございます。今日は情報収集と、狩人に登録しようと思います。まあ、もしかしたら傭兵なんかとは違うかもしれないが、何処にでも似た職業はあるので間違ってはいないだろう。魔物を狩らないと増える一方だし。
この星は人間種の生きている場所の方が少ないからな。今までにも様々な国に行ったと思うかもしれないが、その国の国土の大半は魔物の領域だ。田畑だって柵で囲わないといけないのが、この星の現状でもある。それに魔物は居なくならないだろう。
特に虫系の魔物が居るからな、駆逐するのは殆ど不可能だ。そのうえ人間種だって間引きされるんだ、神様達に。
どのみち人間種も魔物も、この星に覇を唱えるのは難しい。神様達に調整されて失敗に終わるだけだし、最悪は竜を嗾けられると思う。逆に言えば、どれだけ頑張っても駆逐できずに終わるという事だ。
おっと、下らない事をつらつら考えていたらイデアが起きたらしい。部屋を出て行ったのでコップに水を入れていると、リューが起きてきた。
周りを見渡してから直ぐに立ち上がり、俺に近寄ってきてキスを始める。随分情熱的だが、一昨日、昨日と無かったからかな? イデアが戻ってくるまで情熱的にキスをした後、名残惜しそうに部屋を出て行った。
イデアが起きていなかったら、いつまでキスし続けるつもりだったんだろう。流石に2日連続で無かったから溜まってるんだろうなと思うも、それって普通は男じゃね? とも思ってしまう。とはいえ、それは元の世界基準だしなぁ……。
女将さんやヴェルもそうだったが、この世界の女性って性欲が強い気がする。それが時代的なものなのか、この星だからなのかは分からない。魔力に闘気に念力が使える星では、何が理由なのかなんてサッパリ分からないので考えるだけ無駄か。
リューが戻ってくるのに合わせて皆も起きてきたので、朝の挨拶をしたら神水をコップに入れて用意をしていく。皆が戻ってきた後、少しゆっくりしつつ今日の予定を話す。
「昨日、食堂で聞いた狩人ねえ。アルドが考える通り、おそらくは傭兵と同じだろうとは思うけど……本当に、何処にでも似たような仕事はあるもんだ。傭兵、冒険者、魔戦士。で、今回が狩人ね」
「まだ決まった訳ではないのですが、おそらく間違っていないと思います。朝食を食べた後に探しましょう、どうせ直ぐに見つかるでしょうし」
狩人に関して話しつつ、部屋を片付けて忘れ物がないかチェックする。無かったので、部屋を出て昨日の食堂へ。大銅貨13枚を支払い朝食を頼んだら席に座る。ゆっくりと待っていると、近くから気になる話が聞こえてきた。
「今日、領主様がワルダンを出発して北東のゴブリンの森に行くんだと。北のテス村や、その北西のアンジ村は大丈夫かねえ。山奥のクズどもはどうでもいいけどな」
「そういう言い方すんなよ。山奥の連中だって仕方ない部分は多くあるだろ。あそこの連中は元スラムだけど、それは4代も5代も前じゃねえか。お前の祖先が悪い事してたら、お前まで悪人かよ?」
「そうじゃねえけどさ。でもよー……」
「今の俺達には関係無いだろ? それともあれか、難癖付けて虐めたいだけか?」
「んな訳あるかっ!!」
本当か? 俺も虐めたいだけだとしか思わないな。どれだけ理不尽な環境でも、自分より下の者が居たら虐げるのが人間だし、そうしていれば満足するのが人間だ。虐げる連中の価値観なんてどうでもいいが、それが無くなるのは遥か先だろうな。
朝食を終え、皆で移動しつつ大銅貨を渡して道行く人に話を聞く。4人から話を聞いた結果、やはり傭兵なんかと変わらない組織だった事が判明。早速、聞いた場所にある狩人ギルドへと行く。
町の入り口近くにあるが、何か物々しい雰囲気がするぞ? 何故かは分からないが、とにかく中に入ってみない事には始まらない。そう思って入り口に近寄ると、ドンッ!! と大きな音がした。
慌てて【空間把握】で調べると、誰かが入り口の扉に背中を向けて倒れている。その向こうには、体のデカイ女1人と背の高い女が2人、それと軽装の女が2人居る。喧嘩でもしてたのか?。
▽▽▽▽▽
1526終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2480枚
大銅貨1784枚
銅貨50枚
神鉄の刀
神鉄の槍
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




