表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1526/1948

1525




 「しかし……村1つがゾンビになっているとは、困った事になったな。これでは何処に行けば別の村や街が在るのか分からない。おそらくは南に行けば良いのだろうが、だからと言って正しい訳では……」


 「御主人様の【探知】に頼る他ありませんね。【気配察知】でも大丈夫かもしれませんが、御主人様が使う【探知】の方が範囲が広いですから、私達が調べるよりも確実に見つけられると思います」


 「どうも、この村から伸びている道が見当たらないんだよね。もしかしたら相当の田舎で、獣道よりも酷い道しかないのかもしれないけどさ、それにしても見た目にも無いってどうかと思うよ。この村の連中はどうしてたんだろ?」


 「村の中で生きていけるなら、村の中に閉じ篭るもんさ。アタシの生まれた里だって元々はそんな感じだったんだよ。吸血鬼の里とも関わりなんて殆ど無かったしね。まあ、だからこそ里を出たんだけどさ」


 「確かにそうですね。里や村で生きていけるなら外に出ようとはしませんし、外の者を警戒しますから……。吸血鬼族は種族として難しいですが、魔眼族は閉じ篭ると思います。まあ、今は違いますけどね」


 「それよりも、どの方角に行けばいいか、ある程度は調べておくべきだと思うわ。獣道よりも酷い道でも、分かっているのと分かっていないのでは大きな差があるもの。昼食が終わったら3つに分かれて調べるべきね」


 「それはそうだね。北は除いていいだろうけど、残りの東西南は調べておくべきだろう。おそらくは南か南東方面だとは思う。川が流れていっているのは、そちらの方角だから」


 「川の近くに村を作るかは置いておくとして、農業に使えるなら川の近くに村や町を作るだろうな。ただ、魔物をどうするかが最大の難問だが」


 「それは流石にね。魚系統の魔物でも結構危険だし、肉を喰い千切られたという話は聞いた事があるよ。特に水の中はどうしていいか分からないし、近寄らない事が1番安全だからね。そこは何処の国でも変わらないよ」



 皆は既に食べ終わっているので、俺は後片付けをしながら調べている。【探知】の範囲を詳細に調べるも、人間種の生命反応は俺達以外に存在しない。その外側なら分からないが、少なくとも【探知】の範囲内に居ないなら道の捜索が先だな。


 とはいえ【空間把握】で調べるも、道らしきものは無いように思える。特に今は火の季節だ。草が生い茂り、1年で1番繁茂する季節な以上は難しいとしか言えない。俺としては素直に南に言った方が良いと思っている。


 そんな事を皆に話すと、皆も少し悩み始めた。火の季節だから獣道より酷いと探すのが難しい。そう言われると返す言葉が無いようだ。皆も言われて再度理解したんだろう。獣道より酷い道をどうやって探すんだ? と。


 結局、俺の案が採用され、真っ直ぐ南へと行く事になった。既に片付け終わっていたので精霊木の木像を出し、皆が乗ったのを確認したら出発する。何の勝算も無いのだが、それでも南に行く方が可能性がありそうなので行く。


 そもそも神様の石板に書いてあった村に来たのに、村人全員がゾンビというのも意味が分からない。そんな村にわざわざ行かせるのも妙だけど、神様が石板をダンジョンに放り込んだ時には村人はまだ生きていたんだろうか?。


 色々な事を考えてみるも、答えが出ないので途中で打ち切る。そもそも俺が助ける必要も無いし、助けなければいけない訳でも無い。ゾンビになっているなんて知らない以上は俺の所為では無いしな。


 南に進んでいると段々と木々が疎らになってきたのと、下がっている気がする。少々移動はし辛いのだが、今までに比べて楽になってきた。山の上の方に村があったが、現在は下っているのだと思われる。


 このまま下っていけば平地に着きそうなので、流石に村か町はあるだろう。そう思っていると、予想通り平地が見えてきた。【探知】の範囲に人間種の生命反応は見当たらないが、道を探せば見つかりそうだ。


 皆の表情にも笑顔が見える。先ほどまでの鬱蒼とした森と浅い森じゃなくて、ようやく見通しの良い平地に出て来れたからな。火の季節だから見通しが悪かったんだろうが、こればっかりは季節的な事なのでしょうがない。


 南へと移動しながら調べていると、遠くの方に人間種の反応を発見した。【空間把握】でギリギリの範囲だが何とか調べると、どうやら馬車に乗った商人のようだ。ここからは木像を下りた方が良さ気だな。


 皆にそれを説明し、木像を下りて徒歩移動に切り替える。南へと走って行くと、それなりに道と思えるような場所があった。単に車輪の轍が出来ているだけだが、それだけで道と思えるから不思議だ。道無き道を進んだ所為だろうか?。


 それはともかく、馬車の来た方角へ行くべきか、それとも馬車の進んでいた方角へ行くべきか。若干悩むがどうしたもんかね? 皆と相談すると、馬車の進んでいた方角で良いんじゃないかと決まった。


 方角的には北東だが、とりあえず走っていこう。皆と一緒にどんどん走っていると、北東の方角に壁を発見した。という事は町なんだろう。先ほど見た馬車が門に行き、何やら門番と話しているようだ。


 俺達が近付いたタイミングで馬車は町の中に入って行く。俺達は歩きながら近付き、町の中に入りたい事を伝えると入町税を払えと言われた。この国ではそれが普通なんだろうか? とりあえず大銅貨13枚を払って町の中へ。


 特にどうこうとは感じない地方の町って感じだが、ここで何日か情報収集をしたいところだな。そう思い、近くの人にお金を払い情報収集を行う。いつもの様に【白痴】を使いながら聞いているので嘘は吐けない。


 聞き出した情報を纏めると、少し外れた所にある宿が良心的な値段の宿のようだ。よってその宿に移動する。近くに町の人達が使う食堂もあるので、ここは下町的な区画なんだろう。思っているより大きな町だぞ、ここは。


 宿に行き大部屋を頼むと1泊大銅貨8枚と言われたので、銀貨4枚を支払って10日間の部屋を確保する。ウチは11人と2匹だが、部屋的には6人部屋でもギリギリ泊まれるんだよな、布団もあるし。今回は8人部屋だけどさ。


 そんな事を考えながら部屋に行き、まずは【浄化】して綺麗にする。ノミとかシラミとか居るかもしれないので、毎回宿に泊まる度にしている事だ。こんな時代だからな、綺麗にして悪い事は無い。そもそも汚すぎるぐらいだ。


 子供達は疲れたのか寝転がっているが、今はゆっくりしていいので放っておこう。皆も新しい国に来れたのでホッとしたのか、急にダラダラし始めたしな。一応南に国があるとは聞いていたんだから、気楽に構えていればいいのに。


 そう言うと、ゾンビになって全滅した村があったからだと言われた。ああ、国全体もおかしくなっている可能性を考えていた訳ね。たとえ山奥の辺鄙な村でも、村人が全滅するなんて普通は考えないわな。誰かしら逃げるもんだ。


 もしかしたら逃げた人が居るのかもしれないが、俺達には分からないし確認のしようが無い。つまり、考えても無駄だ。それよりもダラダラと時間を潰していたら夕日が出てきたんで、そろそろ食堂に行こうか。


 皆に声を掛けて食堂へと移動する。4軒隣に食堂があるので、そこに入り大銅貨13枚を支払って夕食を頼む。テーブル席に座って待っていると、町の人が入ってきたのか賑やかになってきた。



 「おい、聞いたか? 何でも領主様が王様から命じられたらしく、兵を率いて出陣なされるんだと。北東の森に行くそうだから、ゴブリンを1匹でも多く減らして下さるといいんだが……」


 「あそこのゴブリンはどうなってるんだろうなー。いつまで経っても減りやしない。兵士も訓練で減らしてくれてるらしいが、いつまで経っても居やがる。だから<ゴブリンの森>なんて言われちまうんだけどさ」


 「俺達にとっちゃ死活問題だからなぁ。森の木々の間引きをしたくても、ゴブリンに襲われるんじゃ上手く間引き出来ないし、本当に困ったもんだ。昔はゴブリンも多くなかったそうだが、いつからあんなに増えたんだか」



 <ゴブリンの森>ねぇ……。



 ▽▽▽▽▽


 1525終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2480枚

 大銅貨1801枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ