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1522




 皆の所に戻り刀と槍を見せたものの、満場一致で俺の物となった。何故か皆は考える素振りも無く決めたので受け取っておく。両方共に神鉄で作られた物なので、とてもシンプルな刀と槍にしか見えないだろう。見た目は両方数打ちだ。


 もちろん見た目だけなのだが、バレ難い物は都合が良い。ディルに神銅の処刑剣を返そうと思ったのだが、返されても困ると言われてしまった。ディルとしては神鉄の太刀の方が使いやすいので、処刑剣は持っていても使う事が殆ど無いそうだ。


 仕方なく、俺もアイテムバッグに入れておく。死蔵する事になりそうだが、処刑剣は先が無い為に突きが出来ないからなぁ。そういう意味でも使い難いし、首を落とす為の武器はイメージが宜しくない。まあ、仕方ない事ではあるが……。


 アイテムバッグに神銅の処刑剣を仕舞い、神鉄の刀と神鉄の槍を数度振る。感触もバランスも可も無く不可も無くといったところだ。物凄く平均的で普通な武器だが、斬れ味や耐久力が普通じゃない武器。そういう事だと理解しておこう。


 刀は木の鞘に木の持ち手、槍も木の柄だが、何故か精霊木で出来ている。この辺りも分かる者には分かるという、玄人向けの物にしてあり、誰かの趣味を感じる作りだ。ただ、魔神や創造神の趣味では無いだろう。誰かは分からないので、考えても無駄だな。


 皆もある程度回復したようなので、そろそろダンジョンから脱出しようか? そう言うとゆっくり立ち上がり、脱出紋へと歩く。未だに精神的な疲れは取れていない様子だ。少し警戒度を上げながら脱出紋に乗り、ダンジョンの外へと出る。


 外に出た俺達は、夕日が出ている事に気付いたので足早に町へと戻る。食堂に着いたら中に入り、大銅貨13枚を支払って夕食を注文した。席に座って休んでいる皆に神水を出し、ゆっくりと飲みながら待つ。


 皆も殆ど話さないが、それ程までに疲れている。特に言葉も交わさないまま夕食が来たので、食べてさっさと宿に戻る。部屋に入ると、皆もやっと安堵したようだ。どうやら疲れ過ぎて、なかなか意識が切り替わらなかったらしい。



 「本当に大変だったからねえ、今回は。流石に素早いゾンビは止めてほしいよ。あのダンジョン、途中から妙に速いゾンビとか出てたけどさ、あれは思っているより厄介だね。とにかく近付かれると臭いし、腐肉がついたら最悪さ」


 「そう考えると、ゾンビは浄化魔法で倒すのが1番なんですよね。近付かなくてもいいですし、勝手に倒れてくれます。こちらに近付く前に動かなくなるので、武具や体が汚れません」


 「確かに。昔のあたし達なんて、腕や足を切り落として燃やしてたくらいさ。あまり良い事じゃないけど、それがまた臭くてさ。あの臭いを嗅ぐとね、どうしても嫌な事を思い出すよ。仲間を燃やさなくちゃならなかった時の事をさ」


 「そういった事は誰にでもありますよ。小さな村なんかだと村人の手でやってますし、私も自分の手で部下の死体を燃やした事がありますし……。今でも思い出しますが、それも含めて誰にでもあるのでは?」


 「まあ、そうね。ルーデル町でもそういう事はあったわよ。浄化魔法が使えても死体は燃やすしかないわ、そうしないとアンデッドになる可能性は無くならないもの。嫌でもやるしかないのよね」



 まあ、亡くなった人をアンデッドにする訳には行かないだろうからなぁ。子供達は疲れたのか、既にウトウトとして眠そうだ。2匹も同じで相当疲れているのが分かる。布団をさっさと敷き、子供達と2匹を寝かせよう。


 【昏睡】を使って眠らせたら両腕を持たれ、背後から抱き締められて連れて行かれた。女性陣も疲れている筈なのだが、相変わらずなのでさっさとキメる。今日は【至天】のみだが、少々強めに使ってしまった。


 おそらくは大丈夫だと思うが、一応強力に【浄化】しておくか。いつもより早いが、俺も疲れているのでさっさと寝よう。それじゃあ、おやすみなさい。



 <異世界758日目>



 おはようございます。昨日のダンジョンアタックでかなり疲れていますが、どちらかと言えば疲れは精神的なものです。肉体的に追い込まれた訳では無いので、今日を休みにする必要は無い。皆もそこまで疲れてはいないだろう。


 皆が起きてから聞くが、おそらく移動だけなら問題無いだろう。朝の日課も終わったし、神水を飲みながらゆっくりするか。………ボーッとしていると段々眠たくなってくるが、皆が起きてくるまで頭を空っぽにして過ごす。


 どれだけ空っぽのまま居たのかは分からないが、イデアが起き上がると蓮も起き、そこから連鎖的に全員が起きてきた。



 「「「「「「「「チュッ! おはよう、皆」」」」」」」」


 「おはよう、皆」 「おはよう!」 「おはようございます」


 「ニャー」 「………」


 「昨夜は早く寝たけど、それでも多少は疲れてるねぇ。まあ、そこまで問題のある疲れじゃないから良いけどさ。それより今日はどうするんだい? 西の端まで行くのか、それとも休みにするのか」


 「西の端まで行こうと俺は思っている。西に2つ行くだけだから昼には到着するだろうし、後はゆっくりして明日から南に向かって移動かな? 砦から先の地図はあるから良いけど、砦までは頑張って行くしかないな」


 「とはいえ、砦までは道も有るだろうし特に問題無いだろう。砦までの距離が分からないが、そこまで遠い訳でも無いだろうしな。馬やセルネットで半日というところか? たとえ遠くても」


 「緊急連絡の事を考えても、そこまで遠くには作れないだろうしね。それに山とかの地形を考えても遠くには作れなさそうだし。戦争の為の砦っていうより、監視の為の砦でしょ?」



 そんな話をしながら、俺は部屋の中を片付けていく。皆もゆっくりとはしているが、それでも部屋を出る用意は終わらせた。後はコップを綺麗に【浄化】して皆が収納するのを待ち、忘れ物がないか確認したら部屋を出る。


 宿の従業員に残りの宿泊のキャンセルと返金不要を言い、正面にある食堂へと行く。大銅貨13枚を支払い朝食を注文したら、席に座って雑談をしながら待つ。特に聞こうと思うような話も無く、朝食を食べたら食堂を出た。


 町の門番に登録証を見せて外に出たら、一路西の街を目指して走って行く。子供達も久しぶりの移動にちょっと楽しそうだ。ある程度の距離を走るとソッテン村が見えてきたが、スルーして西へ。


 勾玉での吸引はしているので村の周辺も浄化されている。特に用事も無い村に寄ってもしょうがないので、そのまま走り続けて西へと進む。そのまま走ると、向こうから来る馬車がそれなりにある事に気付く。


 西の端の街は国境とはいえ、別にダンジョンがある訳でもない。にも関わらず、妙に馬車が多いのは何故だ? ……まあ、皆が言うように行けば分かるか。【念話】で会話をしていたものの、そういう結論になった。


 そのまま走り続け、昼になるよりも早く西の端の街ヴォンズに到着。門番に登録証を見せて中に入ると、かなり大きな街だと分かる。ダンジョンのある町より豊かな気がするが、いったいどういう事なんだろうな?。


 それも含めて近くの人に大銅貨を渡しながら聞く。7人に1枚ずつ、7枚渡して聞けた情報はそれなりに有益だった。どうも国境は南だが、北や西には高値で売れる魔物が沢山生息しているらしい。その御蔭で昔から景気が良いそうだ。


 北も西も森林地帯らしく死にやすいが、一攫千金を目指して魔戦士が集まるんだと。とりあえず理由は分かったので、お薦めされた宿へ行く。大部屋は空いていなかったが雑魚寝部屋が空いていたので、大銅貨12枚で1日だけとった。


 1日だけだからこそ高く、10日ほど泊まるなら値引すると言われたが断った。宿の正面にある食堂に行き、大銅貨13枚を払って昼食を注文して席に座る。まだ昼には少々早いが、その分混んでなくて都合が良い。


 昼食が来るまで、雑談にでも加わって待とう。



 ▽▽▽▽▽


 1522終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2484枚

 大銅貨1853枚

 銅貨50枚


 神鉄の刀

 神鉄の槍

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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