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1521




 昼食の後片付けも終わったので次の層へと進むのだが、その前に勾玉で吸引して【浄化】しておく。米を綺麗に手に入れる為に使えなかったが、邪気自体は浄化しておかなきゃならない為にこういう形になった。どこかでゾンビが落ちても、収穫後なら問題無い。


 吸引できなくなるまで邪気を【浄化】したら22層へ。再び米を収穫しつつ、邪魔なゾンビを消し去っていく。流石にゾンビを消し去るのは権能でしか出来ないが、もし権能を使わないならば【念動】でゾンビを陸地に捨てるぐらいだろうか?。


 とにかく沼地にゾンビが落ちると沼地全体が汚れてしまうので、そうすると米まで汚れてしまう。ここの沼地は田んぼの様に区切られているのだが、その区切りがバラバラだ。区切られている場所の収穫が終われば、そこに落とせばいいだけなのだが……。


 収穫を終わらせるのも時間が掛かるので、その間は権能を使ってゾンビを抹殺する。米の収穫自体は全員でしているので人手はあるのだが、20層を越えているので広く簡単には終わらない。その分、沢山手に入ると言えるのだが、驚くほど大変でもある。


 昔、藤にも言ったが、農家さんは本当に大変だ。文明の利器と言うか、機械も無しに鎌1本でひたすら収穫していくのだから、その苦労たるや想像でも大変なのが分かる。俺達は身体強化とか色々ズルをしているのでマシだが、普通の方法だけなら大変では済まない。


 そんな事を考えているぐらいには余裕があるのだが、それでもゾンビが面倒臭いな。俺とディルと蓮で収穫の終わった区画に叩き落しているが、早々都合の良い区画がある筈も無く、大半は俺が消し去っている。それしか今のところ方法が無い。


 それでも24層まで収穫が終わり、今は25層への転移紋の近くで休んでいる。肉体的と言うよりは精神的に疲れているので仕方ないのだが、今はしっかりと休んでおこう。米を汚さない為に苦労をしたので、その所為で妙な失敗をしそうだ。


 椅子とテーブルを作ってゆっくりと休み、その間に俺は皆を綺麗に【浄化】しておいた。今は邪気を吸引して【浄化】している。それもそろそろ……よし、終わった。皆は疲れた顔をしているものの、それでも大分マシになったのか笑顔も見える。


 30層を越えるダンジョンなら、そろそろ進まないと間に合わない。ただでさえ米の収穫に随分と時間を掛けてしまったしな。その御蔭で大量に手に入ったが、それでも時間の遅れは取り戻せない。さて、そろそろ出発しようか。


 心機一転とまでは言えないが、それでも多少はリフレッシュ出来たので、テーブルと椅子を壊して先へと進む。25層に到着すると平原で、川が流れているが最悪だ。流れているのが腐肉とゾンビで、川から這い上がってくる。


 今回の最奥は空から鳥系のゾンビが襲ってくるわ、地上は素早い狼系と猪系のゾンビが走ってくるわ、更には川から腐った臭いがしてくるので鼻が曲がりそうだわ、最悪だ。鼻の良い蓮も含めて、全員が鼻をつまむ程に酷い。



 「ここが最奥だが、地上、空、川からゾンビが襲ってくるから注意しろ。特に川には近づくな。臭いうえにゾンビが這い上がってくるぞ!」


 「「「「「「「「了解」」」」」」」」


 「わかった」 「わかりました」


 「ニャ」 「………」



 鼻が曲がるような臭いの中で、問題無いのはフヨウだけだな。人間の俺でさえ臭いと感じるんだから、他の皆も同じかキツいだろう。子供達2人ともが鼻をつまんだままなのも、仕方がないと思えるしな。正直に言って、俺も同じ気分だ。


 そんな事をしていたら対応出来なくなるのでしないが、川の所為なのか、いつものゾンビラッシュより遥かに臭い。そんな事を考えながらも円陣を組み、周りから襲ってくるゾンビに対処できる形を作る。空も速いが、地上も速い。


 普通に考えるゾンビの速度など鼻で笑うような、そんな速さで空中と地上から襲ってきた。女性陣も子供達も2匹も、浄化魔法を使いながら必死に戦っている。俺は落ちてくる腐肉や、邪魔な死体を【念動】で片付けつつ様子を見る。


 皆の魔力はまだまだあるが、かと言って無駄使いはさせたくないので、声を掛けながら指導する。なるべく無駄なく効率的に使っていく事を意識しないと、いつまでも無駄な魔力を垂れ流す事にしかならない。それでは下手なままだ。


 皆はそこを越えているものの、慌てたり焦ったりすると甘くなる。なので、今はそれを克服させたい。それにラッシュで慌てなくなれば、他で慌てる事も無くなるだろうとは思う。どうしたって、ラッシュは後半で焦る事になるしな。


 今まで皆の力だけでゾンビラッシュを突破した事は無い。最後にはギブアップを宣言せざるを得ないのだが、それ程までの数がやってくるのがラッシュだ。武器で戦わせても良いのだが、それだと腐肉が飛び散るからなぁ……俺が嫌だ。


 今回も色々な浄化魔法を駆使しつつ戦っているが、皆はそろそろ限界らしい。川から現れる奴が地味に厄介で、腐肉の塊を投げつけてきたりする。川自体が腐肉の川みたいになっているので、そこから持って来たんだろうけど。


 単なる嫌がらせの筈なのに、他のゾンビの対処をしていると急に投げつけられるんだよ。しかも最奥のゾンビは普通の人レベルの速さで動けるので、対処が遅れると普通に投げつけられてしまう。


 今は【念動】で防いでいるが、地味に嫌な攻撃を常にし続けてくる。猪系は浄化されると前に転がるので、早めに浄化しないと腐乱死体が突っ込んで来るし、狼系もそれは同じだ。本当に嫌がらせの為のラッシュか、ここは?。


 おっと、そろそろ数が減ってきた。もしかしたら初めて皆の力だけでクリアか? ちょっとした期待をしてしまうが、皆の魔力もそろそろ限界らしい。ギリギリで大丈夫か、それともアウトか。難しいところだが、果たして。


 ………あー、残念。最後の増援が出てきたが、アレは流石に無理そうだ。出てきたのは、お久しぶりの蟻の女王ゾンビだ。アレは放っておくと無限に産み続けるから、今の皆の魔力じゃどうにもならない。


 俺は皆に一声掛けて、蟻の女王を素早く【浄化】して回る。前回は4匹だったが、今回は倍の8匹出現しているので、皆には到底無理だったろう。むしろ女王蟻より前のラッシュを凌いだだけでも立派だと思うし、胸を張っていい。


 あれだって、今の下界で突破出来るのは皆だけだろうしな。普通ならラッシュが始まって10分も経たない内に全滅している。それぐらい魔力や魔法の使用に差があるからなぁ。ウチの女性陣も長いこと鍛えてるし、上手くなっている。


 今の下界のレベルだと達人とか、大魔法使いとか言われるレベルだろうか。そんな事を疲れ切った皆に話して聞かせる。女王蟻? とっくに全部【浄化】したよ。今は勾玉で邪気を吸引して、【浄化】しながら話をしてる。



 「達人とか言われてもねぇ……今のアタシ達は疲れ切ってるし、余裕で女王蟻のゾンビを潰してきた人に言われても……。何と言うか、素直に納得は出来ないよ。それは皆も変わらないんじゃないかい?」


 「今は疲れているので、あまり頭が働きませんが、多分そんなところでしょう。遥か上のレベルを見たら、達人とか言われても困るんですよね。それより本当に疲れているので、回復するまで休ませて下さい」



 それもそうだなと思い、俺は話を終わらせた。皆も回復の為に腰を下ろして座っていたり、子供達やエリアのように地面に寝転がっていたりしている。魔力枯渇は起こしていないようだが、魔力が相当減っているのと精神的な疲れが厳しいようだ。


 俺は皆をそっとしておいて、腐肉の川へと近付く。腹立たしい事に、この腐肉の川の底に武器が沈んでるんだよ。それは刀と槍なのだが、どちらも妙にスタンダードな物だ。他の神に怒られたので、シンプルな物にしたんだろうか?。


 【念動】で川の底から木箱を2つ引き上げ、【浄化】の権能で完全に綺麗にする。木箱を開ければ、一切汚れていない刀と槍が入っていた。何故木箱で無事だったのかは知らないが、汚れて無くても一応【浄化】しておこう。


 綺麗にした刀と槍を持って、皆の所へ戻るか。



 ▽▽▽▽▽


 1521終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2484枚

 大銅貨1911枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


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