表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1521/1948

1520




 白目を剥いたダリアは放っておき、俺は布団などを片付ける。皆には既に神水は出しているので、それを飲みながらゆっくりしている。後片付けが終わった俺は、今日の内にダンジョンを攻略する事を皆に言っておく。


 ゾンビダンジョンは汚いし面倒臭いので、出来得る限りさっさと終わらせたい。皆もそれには賛成なので急いで終わらせてしまおう。ゾンビが出なくなれば変わるだろうし、攻略もしやすくなる筈だ。そうなれば今より邪気は減るだろう。


 この町では深刻な病は出ていないが、いつ病気が真似んするかは分からない。それも含めて早めに攻略しておくべきだ。湖の国のゾンビダンジョンの町のように、病気が蔓延してからじゃ完全に手遅れとなる。アレは俺達が居たから助かっただけだからな。


 まあ、あそこは貴族も碌でもなかったから違うが、この国の土地は国が全てを持っている。そういう意味では対処がしやすいとも言えるので、状況は違うか。正しく対処出来るかは、正しい報告を上げているかによるんだが、そこは横に置いておこう。


 そんな話をしながら、皆が飲み終わったコップを【浄化】して仕舞わせる。忘れ物が無いのを確認したら部屋を出て、食堂に行き大銅貨13枚を支払う。席に座って待とうとすると、今日は直ぐに出てきた。


 慌てて食べ、終わったら直ぐに席を空ける。食堂を出てダンジョン街へと行き、迷宮紋の前の列に並ぶ。3組ほどしか居ないので直ぐに順番が回ってきた。前のチームが入ってから少し待ち、俺達も迷宮紋に乗る。


 1層は昨日と同じ荒地だった。どうやら地形は変わっていない様なので、東へと勾玉で邪気の吸引と【浄化】をしながら進み、転移紋に乗る。5層へ到着すると、昨日と同じ麦の生えた草原だった。ここでも勾玉で邪気を吸引しながら進む。


 今日は攻略するので、地形が変わる程に邪気を【浄化】しても問題無い。昨日は地形と方角が変わるのが嫌だったので、ある程度の層までは吸引しなかったんだ。9層に到着するも森の地形なのは変わらず。これで地形が変わらない事は確定だろう。


 13層~16層の洞窟も突破し、次は17層の洞窟だ。再び洞窟を進むが、今度は西へと進む。邪気の吸引をしているのでモンスターは然程強くない。毒コウモリの他に、闇コウモリと投石リスが居る。そして投石リスが地味に鬱陶しい。


 それなりの威力の投石なので、警戒しないと怪我じゃ済まない場合があり、警戒せざるを得ないんだ。厄介な組み合わせにしてあるな。毒コウモリと闇コウモリが突っ込んできて、投石リスがお構いなしに投石してくる。嫌がらせか何かかよ。


 出来る限り早く移動し、20層を西に進んでいると、魔力反応が大きい場所を発見した。【空間把握】で確認すると、高くなった土の台座のような場所に石板が立っている。………取りに行けって事ですね、分かります。


 一旦戻り、大回りして石板に向かう。その道中は、嫌になるほどモンスターが待ち構えていた。レトロRPGかとツッコミを入れたくなるぐらい酷い。一歩毎のエンカウントかと言いたくなる程にモンスターが多いんだよ。


 それでも倒していき、ついに石板に辿り着いた。無駄に疲弊したが、まだ取り戻せる範囲だ。やれやれ、取りに行くしかないのを分かっていてトラップにしやがって。邪気を減らすなら当然なんだろうけどさ、腹立たしいのは事実だ。


 前回と同じく石板は2枚あり、1枚目は国境の砦が上に描いてある。そこから南に行くと山と谷がある事が描かれており、谷に沿って進めば迷わない事が分かる。山を真っ直ぐ行くよりは距離が伸びるが、迷わない事の方が重要だ。


 1番下、つまり南の部分には村が描かれているので、おそらくそこが国境の村なんだろう。これを見ると、南の国を警戒する意味はそこまで無い気もする。魔物の多い山を越えて侵略って、自殺行為と殆ど変わらないからなぁ。


 2枚目は……また新しい浄化魔法かよ。名前は【聖浄世界】で……ああ、【神聖世界】の難易度が高すぎるんで、簡単にした奴を用意した訳ね。それでも【神聖八重浄化】より難易度が高いけど。


 俺は【聖浄世界】を写し、皆には地図を写してもらった。何度も見直して間違っていない事を確認したら、2枚の石板を【分解】して消し去る。後は20層を突破するだけだ。道草を喰う羽目になったので、さっさと移動しよう。


 21層への転移紋に乗り移動。光が止むと、そこは沼地だった。そして、何故か米が生えている。……何でだ? この辺りは相当北で、米が栽培できるような環境じゃないぞ。にも関わらず米を出すのか……よく分からん。


 とはいえ、今の内に食糧を確保しておくか。ここは21層だから範囲が広い。皆にも手分けして収穫してもらい、一気に手に入れていく。出てくるモンスターは鳥系ばかりだ。ワイルドスワローのゾンビにシルバーホーク、そしてウインドチキン。


 皆はモンスターをブチ殺しながら米の収穫もしてくれている。ちなみにお腹の中に卵を持っている奴も居るので、久しぶりに卵が増えた。邪魔なワイルドスワローは俺が【浄化】してしまい、皆には手を出さないように言っておく。


 勾玉を使うと下に落ちそうで嫌なんだよ。そうすると、沼地どころか米まで汚くなりそうなので、ここでは禁止にして完全に【浄化】してしまう事に。その御蔭か、綺麗に収穫できている。良かった、良かった。米が腐肉で汚れるなんて耐えられない。


 もちろん【浄化】すれば完璧に綺麗になるんだが、心情的には嫌なんだよ。気持ちは分かってもらえると思う。21層の米を回収し終わり、皆から受け取る。それを全て【浄化】しながら脱穀した状態でアイテムバッグに収納した。


 転移紋の近くは土の地面なので、ここで昼食を作る。エリアとフォルにはセン麦とアルダを渡し、子供達にはスープを、俺は肉を担当する。今日はデスボーアの肉を薄切りにし、乾燥椎茸で出汁をとったら【浄化】した薄切り肉を茹でていく。


 十分に茹で上がったら取り出して、【冷却】した神水で締める。鰹節や魚醤に竜の脂で作ったソースを作り、最後に小さく切った野菜を茹でて、肉と野菜とソースを混ぜれば完成。なんちゃってな冷しゃぶだ。後はこれを量産するだけ。味は問題無い。


 セン麦とドッツ麦を食べて無くす必要があると言うと、エリアが大量に使ってたから、きっと早々に無くなるだろう。セン麦はともかく、ドッツ麦は大量には買ってないしな。それじゃあ配膳も終わったし、食べようか。いただきます。



 「このお肉、柔らかくて美味しい! それにね、タレも美味しいけど、それ以上に脂が凄く美味しい。茹でて冷やしただけなのに不思議!!」


 「茹でたけど、ほどよく脂が残っていて美味しいね。野菜と一緒に食べるからかクドくないし、このソースが美味しいのに流してくれるね。焼いたお肉も美味しいけど、茹でたお肉も美味しいや」


 「確かにね。茹でただけな気もするけど、アルドは出汁をとってから茹でてたから、そういうちょっとした所が違うんだろうね。まあ、デスボーアの肉だからと言えなくもないけどさ」


 「ですが、焼く場合とは随分違いますよ。お湯だと焼くほどには熱くならないからですかね? 何と言うか、硬くなってませんし、肉自体も柔らかいです。その結果の美味しさだと思います」


 「でも、冷たくて美味しい肉料理って初めてね。普通は熱々で食べた方が美味しいんだけど、これは冷たいお水で締めているし、それで食べ応えがあるのかしら?」


 「さあ? ただ、思っているよりも食べやすいし、肉の味も感じるね。茹でてるから肉の美味しさも溶け出ているのかと思ったらそうでもないし、不思議なものさ」



 他のメンバーは気に入ったのか、一心不乱にモグモグしている。特にエリアは冷たいのに柔らかい肉に驚いたのと、脂の風味が強くないからか非常に食べやすいらしい。結構多めに肉を茹でたんだが、残る事はなかった。


 セン麦も大分減ったし、次ぐらいで無くなりそうだ。幾らセン麦が安いと言っても、そこまで大量に買ってないしな。今となってはそれで正解だったんだけど。


 さて、食事も終わったし、そろそろ片付けて出発しようか。



 ▽▽▽▽▽


 1520終了時点


 大白金貨101枚

 白金貨498枚

 大金貨1704枚

 金貨2679枚

 大銀貨1637枚

 銀貨2484枚

 大銅貨1911枚

 銅貨50枚


 神銅の処刑剣

 神金のヴァジュラ

 精霊木の浄化棍棒

 精霊木石の浄化盾

 氷擲竜の棒手裏剣

 神金銀の勾玉

 王角竜の帽子

 王角竜の革鎧

 大海竜の半篭手

 真っ黒な指貫グローブ

 王角竜の剣帯

 王角竜の脛当

 海蛇竜のジャケット

 真っ黒なズボン

 真っ黒なブーツ

 白い大型のアイテムバッグ


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ