1519
13層に到達したが、地形は洞窟だった。9層が森で13層が洞窟とは……。このダンジョン、地形の難易度が高くないか? 早めから森と洞窟のコンボだと、碌に進めない気がするがな。何と言うか、進ませる気が無いんじゃないかと思う。
特に鬼門である洞窟だと、殆どの奴は諦めるだろう。もちろん地図を描いていけば先へと進めるが、自分の位置を見失えばそこで終わり。そう思えるほど危険なのが洞窟という地形だ。そのうえ毒コウモリが居る。
南西に進みつつ勾玉で【浄化】していく。毒コウモリが大量に居るが、弱っているコイツ等は【風弾】を当てれば飛べなくなった。今までは練習にならないから【浄化】しなかったんだよな。邪気を吸引するとここまで弱くなるとは……。
これが良い事なのか悪い事なのか分からないが、ダンジョン内の邪気はなるべく浄化しなきゃいけない。今までは皆の訓練にならないと思っていたが、古代のダンジョンで考えが変わった。積極的に浄化しないと邪気が減らない。
この星の周辺にある邪気の事を考えると微々たる量だが、それでも減らしていかないと終わらないだろう。更に攻略しても邪気が溜まったままだと、おそらく難易度の低下もそこまで起きていないと思われる。最奥は別だが。
だからこそ現在は丁寧にダンジョン内を浄化しているんだが、大気中の邪気を引っ張ってくると本当に弱体化するなぁ。ダンジョンモンスターって呼吸するように邪気を取り込んでるんだろうか? 半邪生だし。
南西へと移動しつつ、邪魔な毒コウモリや毒百足を倒していく。大して危険な場所は無かったが、相変わらず死角に正解ルートを持ってこられると面倒で仕方がない。洞窟だけは、俺でも厄介だと思える地形だ。
17層への転移紋に到着したので、18層だけ見て帰る事にする。流石にそろそろ夕方と思える時間だ。転移紋に乗り17層へ進む。光が止み、周囲に見えたのは洞窟の壁だった。……マジかよ、このダンジョン面倒臭いな。
そのまま脱出紋から離れ、再び乗って脱出した。ここのダンジョンも古い物なのか分からないが、この国のダンジョンは厄介な物が多い気がする。それでもラグナンドの最前線よりはマシなんだけどさ。今でもあそこが1番キツかったと言える。
何も持って帰ってきていないので町へと戻り、食堂に移動。大銅貨13枚を支払って夕食を注文したら、席に座って待つ。子供達の話を聞いていると、近くの魔戦士達の話が聞こえてきた。
「今日さ、森の地形で果物採ってたんだけど、ゾンビが勝手に倒れて動かなくなったのよね。妙な事もあるもんだと思うけど、何でそんな事が起きたのかは分からないのよ。何たって急にだから」
「あの突然倒れたヤツでしょ? アレ、いきなりだったからビックリしたよ。急にドサッって音が鳴って、そっち見たらゾンビだし。慌てて剣を抜いたら動かないしで、意味が分からなかった」
「私も同じの見た。皆で手分けして果物採ってたけど、今度からは固まって動いた方がいいかな? あそこ、ゾンビ以外は固まってない方が避けやすいのよね。ダッシュボーアとか、鉄蟷螂だから」
「よく鉄蟷螂に突撃させるから、人が多いと失敗するしね。ダッシュボーアはバカだから真っ直ぐ突っ込んでくれる御蔭で助かってるけど、失敗すると大惨事になる事もあるし……」
「この前も大失敗して命からがら逃げ出してた奴等が居たわよ。迷惑過ぎるのよね。あのダンジョンだと果物採りに行かないと稼げないし、麦は取り合いしてるうえ新人用だから、私達じゃねえ……。もっと稼ぐ方法ないかなぁ」
「私達みたいに臨時で娼館に行って働けばいいのに、それは嫌がるのよね。その割には興味津々だし、ムッツリだもん。ハマったところで悪い訳じゃないんだからさ~、一度経験してみたら?」
「べ、別にハマったりなんてしないし? そんなに興味無いし? 私、別にそこまでして儲けようと思ってないし?」
「いやいや、動揺し過ぎでしょ?」
「「「アハハハ……」」」
後半の話はどうでもいいが、やはり難易度を下げないと生活が厳しいのか。麦の層だって魔戦士全員の収入を維持できる程ある訳じゃないだろうし、魔戦士の本分は魔物やモンスターとの戦いだ。それが出来ないと評価されない。
モンスターを別のモンスターにぶつける。やり方としては賢い部類に入るのかもしれないが、それでは戦闘経験も強さも身につかない。逃げ方と避け方が身につくだけだ。それはそれで大事かもしれないが、強くなれないなら意味が無い。
やってるのは採取作業であって、戦いではないからな。まあ、全く戦っていないのか、それとも出来る時にやっているだけなのかは知らないが、あまり良い事とは思えない。ウチの子供達には身につけさせたくないし、やらせたくないな。
夕食後、宿の部屋に戻って子供達に付き合う。何故かリバーシで子供達と戦う羽目に。蓮とイデアは1手ごとに「あーでもない、こーでもない」と相談している。意味が有るのか無いのかは分からないが、それは楽しいのだろうか?。
2人の考え方が違うなら失敗するだけだと思うが……。結局1回だけで、その後は交代で戦う事にしていた。2人居たら2通りの打ち筋がある訳で、それが上手く組み合わされば良いけど、大抵は失敗してぶつかるだけだ。
ダリアは俺の胡坐の中で丸くなるし、フヨウはリバーシをしていない方と遊んでいる。そんな時間も、子供達が舟を漕ぎ始めたので終了。敷いていた布団に子供達を寝かせ、その左右に2匹を寝かせたら【昏睡】を使う。
その後はいつも通り連れて行かれたが、返り討ちにして女性陣を寝かせる。部屋と体を綺麗にしたら、勾玉で吸引と【浄化】を行う。思っていたより溜まってたな? ゾンビが出てくるダンジョンが近くにあるからか?。
吸引しなくなるまで吸い込んで【浄化】したので、これで大丈夫だろう。【神聖世界】を使えば一気に綺麗になりそうだが、巨大な魔法陣が現れるから夜中でも1発でバレそうなので、流石にアレは使えない。
バカな事を考えてないで、さっさと寝よう。今日も1日お疲れ様でした。
<異世界757日目>
おはようございます。今日はダンジョン攻略をする日です。古代のダンジョンと違って、そこまで攻略が難しい訳でもないので今日終わらせよう。面倒な事は早めに終わらせるべきだし、西の国境へ行くのも考えないといけない。
朝の日課を終わらせながら考える。西の国境の先へ行った奴等が居る以上、本当に国があるなら辿り着ける筈だ。食糧を大量に買い込んで出発すれば、餓死する事も無い。昔行ったという5人も、アイテムバッグは持っていなかったと思うし。
という事はだ、詰め込んだ食糧を切り詰めれば到達できる距離となる。山とかを越えなきゃいけない事を考えると、そこまで長い距離ではない筈。平地を500メートルと山を500メートルでは、違いすぎるくらいに違うからなぁ。
どんな山かによっても大き……ダリア、おはよう。結構早かったな。そんな声を掛けながら、水皿に神水を入れて出す。ダリアはそれを飲んだ後、俺の膝に跳んで寝そべる。どうやら2度寝をする気らしいが、今日は駄目だぞ?。
俺はダリアの顎下を掻いたりしながら、ダリアを寝かせないようにする。撫でたり掻かれたりして遊ばれていると、それを嫌ったのか服に顔を突っ込んできた。久々だなコレ。そのうえ舐めてくるもんだから、ちょっと痛い。ザリザリされてる!。
そうやってダリアと遊んでいると、フヨウも子供達も起き、そして女性陣も起きてきた。俺はダリアに皆が起きてきた事を伝え、服の中から顔を出すように言う。それでも聞かずに俺の服に顔を突っ込んでいるダリアに、フヨウが近付く。
そして、かつての様に体を触りながら【房中術】を使い始めた。あっと言う間にダリアは動かなくなり、痙攣している。【念動】で無理矢理2匹を移動させると、ダリアは白目を剥いて舌を出し、涎を垂らしていた。久しぶりだな、コレ。
悪ふざけが過ぎるから、こうなるんだ。少しの間、放っとこう。
▽▽▽▽▽
1519終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2484枚
大銅貨1924枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




