1513
食堂に移動し大銅貨13枚を支払い朝食を注文したら、席に座って休みながら待つ。皆は疲れているのかボーッとしながら待っていて、口を開くのも億劫な様だ。そこまでになるのは早々無いので、随分珍しい事ではある。
運ばれてきた朝食を食べる際にも、ゆっくりのそのそと食べていて、いつもの様な力強さを感じない。呪いの魔物との戦いとはいえ、そろそろ慣れさせないと駄目だな。毎回こうなってたら、体と心が保たないだろう。
きちんと正面から戦って勝てるようにしないと、俺が居ないときに何が起こるか分からないし危険すぎる。呪いの品も無い訳じゃない。あいつら呪いの魔物とは違うかもしれないが、神木や神石製の装備が無いだけでコレではな。
女性陣の為にも良くないし、戦わせないと甘やかしているだけになってしまう。とりあえず今日はゆっくりと休ませるべきだが、次のダンジョンに呪いの魔物が居たら皆に戦わせるか。そんな事を考えていたら朝食が終わっていた。
しまった。味わう事もしなかったな、俺。そこまでの料理ではないとはいえ、味わいもせずに適当に食べるのは良くない。反省しよう。皆の方を見ると疲れているのか、食べる事だけで精一杯のようだ。周りを気にもしていない。
食堂を出て宿に戻るのだが、周りを警戒もしていないし色々ヤバい。ここまで無警戒なのは【気配察知】を教える前ぐらいだぞ。それでも3軒隣でしかないし、宿までの間に俺達を襲ってくるようなバカは居ない。さっさと部屋に戻ろう。
部屋に戻り、トイレなどを済まさせたら神酒を飲ませる。ディルにも強引に飲ませて、女性陣全員を眠らせベッドに寝かせていく。終わったら子供達の魔法の練習に付き合おう。いつも通り細かく指導し、直させていくだけだし。
子供達も最近は、何となく何処が間違いなのか分かるようになってきた。なので俺が何かを言う前に間違いを修正している事も多い。それでも簡単な事では無いし、失敗続きではある。魔法を使う事には成功しているが、使い熟す事には成功していない。
そんな感じの練習が続く。昼が近くなってきたが、女性陣が起きる気配は無い。昼食をどうするかと考えたが、部屋を空けると誰が侵入してくるか分からない為に食堂には行けないしな。……仕方ない、部屋で作ろう。
テーブルに料理道具を出して静かに作っていく。セン麦の全粒粉とアルダと神水に塩を混ぜて練り、それを広げて寝かせたら次。ヘビーブルとデスボーアの肉をミンチにし、香辛料を混ぜて練り成型。これで、とりあえずの準備は完了だ。
横では蓮とイデアがスープを作ってくれている。チャパティを焼き、終わったらハンバーグを焼いていく。子供達は匂いを嗅ぎながら嬉しそうにしているが、ちゃんと魔法の制御をしなさい。失敗して火事とかシャレにならないからな。
焼きあがったらソースを作り、ハンバーグの上から掛けて完成。早速食べようか。それじゃあ、いただきます。
「うん! ヘビーブルとデスボーアは美味しい。肉汁がドバーって出て来て、でも脂が重くないの。それに肉の旨味が凄く強くて美味しいから、脂に負けてない」
「ヘビーブルは肉の旨味が強いよね。凄くお肉を食べている気分になるけど、その分重い。デスボーアは脂の旨味が強いけど、肉の旨味はヘビーブルほどじゃない。2つが合わさると、旨味だらけなのに喧嘩しないんだよね」
子供らしからぬ意見をありがとう。別に毎回評価しなくていいんだよ? 食堂で食べる料理とかにはしない癖に、何故か手作りだとするよね。まあ、悪い意見は然程聞かないからいいけどさ。
それはともかく、昼食に満足しているようで良かった。料理していて五月蝿い筈なんだが、それでも女性陣は起きない。そこまで疲れていたんだろうか、それとも……。嫌な予感がしないでもないが、スルーしておこう。
午後からは子供達にそろばんを教えていく。アイテムバッグからそろばんを取り出した子供達は、パチパチと弾きながら楽しそうに学んでいる。まあ、勉強を嫌がるより余程良いので、楽しみながら覚えさせよう。
色々な問題を作りながら答えさせ、気付いたら夕方になっていた。それでも女性陣は起きない為、仕方なく麦飯を炊く。蓮は大喜びだが、スープ作りをちゃんとしてくれよ? イデア、すまんが頼む。
俺は麦飯を炊きつつ、玉子焼きを作りながら海老と蟹と蛸を茹でている。それを見て更にテンションが上がる蓮、本当に危ないから真面目に料理を頼む。イデア、すまんな。そう言って謝りつつ、海鮮の野菜炒めを作る。
子供達が作っているのは、かす肉と野菜のスープなんだが、そろそろ【加熱】は止めていいよ。あとは余熱で十分だろう。俺の方も後は麦飯だけだし、2人ともゆっくりしてていい。そう言うと、イデアは椅子に座った。
蓮は精霊石の土鍋の前に立ち、蒸気の匂いを嗅いでいる。そこまで米に飢えてたのか? 少し前に麦飯を食べた筈だぞ。間隔が空き過ぎていて、イライラが溜まっているんだろうかね? 何回か食べさせた方が良いかもしれない。
麦飯の蒸らしも終わったので配膳をしていく。といっても、それ以外は終わっていたので茶碗に盛るだけだ。全て終わったので、いただきます。
「ん~~~! 御飯が美味しい! それに蛸も美味しいし、玉子焼きも美味しい。今日は蓮の好きなものいっぱい。凄く美味しくて、しあわせ」
「相変わらずだね。別にマズくは無いけど、あんまり味がしないと思……。うん、別に嫌いじゃないよ。でも蓮ほど好きにはならないかな? 蛸はこんなものって感じ」
「蓮、流石に睨むのは止めなさい。それぞれ好みがあるんだからな。別に馬鹿にしている訳でも、美味しくないと言っている訳でも無いんだ」
「はーい」
本当に蛸の事になると人が変わったようになるな。イデアの反応は普通でしかないぞ。蛸ってこんなもんだろう。
そもそも蛸ってメインにはなり辛いからな。<たこやき>ぐらいか? 蛸がメインなのって。明石焼きというのも聞いた事はあるが、マイナー過ぎて食べた事はない。確か、地元では玉子焼きって言うんだっけ?。
そんな事を考えながらの食事も終わり、後片付けを終えたらゆっくりとする。神水を飲みながらボーッとしているが、子供達は2匹とリバーシ中だ。どちらもそれなりの腕なので、手加減無しでも勝ったり負けたりしている。
2匹がやや優勢かな? といった感じで現在の対局は推移しているようだ。そのまま観戦していたが、イデアはダリアに押し切られて負けたものの、蓮はフヨウに逆転しギリギリで勝利していた。
嬉しいのは分かるが大きな声を出さない。<防音の魔道具>は使っているが、マナーとして夜に大声を出しちゃ駄目だ。それと興奮してないで、次はダリアと対戦だろう? ダリアはもう待ってるぞ、早く移動しなさい。
今度はイデアとフヨウ、蓮とダリアで対戦だ。俺は相変わらず観戦しながら、女性陣を【浄化】して綺麗にしている。今日は何回もしているが、別に汚い訳では無い。起きて来るかもしれないのでやっているだけだ。
起きた時に体が汚いと何か嫌だしな。自分がそうなので、女性陣の体も綺麗にしている。まあ、そのついでに子供達と2匹も綺麗にしているのだが、気が付いているのは2匹だけだ。これは女性陣を含めてもそうなんだよな。
何故か2匹は権能を使われた事を察する事が出来る。野生の獣の方が敏感だとも聞くが、何を認識しているんだろうか? 不思議なものではある。ちなみに2匹に聞いた事があるが、感覚的なもののようで2匹自身も分かっていない。
リバーシの状況だが、どうやらほぼ決まったようだ。イデアとフヨウの対戦はフヨウの勝ち。蓮とダリアの対戦はダリアの勝ちだ。蓮もイデアも最後に押し切られて負けている。どうやらダリアの作戦勝ちのようだ。
悔しいからってジタバタしない。音が響いて五月蝿いだろう。あーもー、しょうがないな。ここまで悔しいという事は全力でやったんだし、それ自体は凄くいい事だからな。仕方なく抱き締めてやると、イデアも背中から抱き付いて来ている。
2連続で負けているからな、悔しくない訳じゃなく我慢していただけの様だ。落ち着いたようなので離してやり、布団に寝かせる。2人はそれなりに長く起きてるから、明日の事も考えてそろそろ寝ておかないといけない。
悔しいのは分かるが明日にしなさい。それじゃあ、おやすみ。そう言って子供達と2匹に【昏睡】を使う。その後、勾玉を使って吸引と【浄化】をしたら、俺も布団に横になる。
それじゃあ、おやすみなさい。
▽▽▽▽▽
1513終了時点
大白金貨101枚
白金貨498枚
大金貨1704枚
金貨2679枚
大銀貨1637枚
銀貨2488枚
大銅貨2017枚
銅貨50枚
神銅の処刑剣
神金のヴァジュラ
精霊木の浄化棍棒
精霊木石の浄化盾
氷擲竜の棒手裏剣
神金銀の勾玉
王角竜の帽子
王角竜の革鎧
大海竜の半篭手
真っ黒な指貫グローブ
王角竜の剣帯
王角竜の脛当
海蛇竜のジャケット
真っ黒なズボン
真っ黒なブーツ
白い大型のアイテムバッグ




